[習い事入門]始める前に心得ておきたい5つのポイント

私は長年、習い事を取材していますが、今や幼児でもいくつも掛け持ちで習い事をしているのがふつうになっています。小学生で毎日のようにいろいろな習い事をしている子もいます。それだけ通わせて、ではほんとうに役に立ったのか、楽しいのか、才能を伸ばすことができたのか、となると「?」という人も多いのではないでしょうか。
ここではまず、楽しくて有意義で意味のある習い事にするための心得を、書いてみます。習い始める前にチェックしてください。

(1) 家族で楽しめるものである
(2) 子どもがその習い事が好きである
(3) 先生が人格者で子どもに対する思いやりをもっている
(4) 負担にならない月謝である
(5) 習い事は3つ以内

(1)  家族で楽しめるものである
幼児や小学生の子が週1回通ったくらいでは上達しません。水泳なら家族でよくプールに行く、サッカーならボール遊びをよくしている、ピアノなら家でよくクラシックのCDをかけたり親も弾いたりするようだと伸びます。
預けっぱなしでは伸びません。
子どもが習うのを機に、一緒に始めるような積極的な気持ちが親に必要です。

(2)  子どもがその習い事が好きである
苦手なものを克服するより好きなものを上達させましょう。好きなものがあって上手にできて、集中してやることを学んだ子はほかのことでも伸びていきます。「好きだけど下手」と「嫌いだけどうまい」なら、「好き」を優先させてください。子どもが楽しめて熱中できることが最良の経験です。
どんな英才教室でも、幼児期で才能があるかどうかわかりません。でも幼児期に嫌いにさせたり苦手意識をもたせたりしたら、その後は伸びることを望めません。10歳までの習い事は熱中できて楽しいのが一番です。

(3)  先生が人格者で子どもに対する思いやりをもっている
すばらしい指導法の教室でも、先生がやる気がなかったり、子どもにおざなりな態度だったりしたらおすすめしません。
習い事は週1回でも何年も習います。先生の人格的影響を受けます。最近の子は大人とつきあう場がありません。習い事ですばらしい人格の先生と出会えて、目をかけてもらう体験は貴重です。
なおその教室のレベルは発表会や展覧会でもわかります。ふだんの教室も見学して、子どもの接し方もよく見て決めてください。

(4)  負担にならない月謝である
たかが何千円といっても年何万円にもなります。何年も通うとかなりの金額です。
バレエをはじめ華やかな習い事もさかんですが、月謝+コスチュームや発表会の費用などがかかります。試合に出る機会が多いと交通費や諸雑費もかさみます。
我が子の成長を見てうれしいと感じるものであれば負担感は少ないので、どこまでサポートできるのか、金額だけでなく、親の姿勢や親近感も考慮して決めたいものです。

(5)  習い事は3つ以内
10歳までは友達と思いきり「遊び込む」体験はとても重要です。子どもは熱中して集中して鬼ごっこやかくれんぼ、草野球やままごとをします。そのとき飛躍的に能力が伸びています。習い事では教えられ指導され過ぎて自発性が育たないことがあります。
いくつもの習い事に通わせるより自由時間を確保して、2つかせいぜい3つにしぼり込むことをおすすめします。
教わらなくても、自宅でひとりでお絵描きしたり物づくりしたり、本を読んだり、空想したりするほうが才能は伸びるかもしれません。多くの才能を伸ばした子は幼児期に必ずしも習っていません。 

10歳までの習い事で大切にしたいのは「楽しめている」「熱中している」こと。
才能があるかどうかは10歳以降、本気でやるかどうか決めるときが分岐点。それまでは楽しく、夢中になってやることを体験させてください。
そしてその子の人生が豊かになるようなものの入り口として考えてあげてください。無理してさせる必要はありません。 

注意したいのは、少子高齢社会の現在、教える人は大勢います。社会も豊かになり、ハードも充実しています。教わるのによい環境ですが、子どもには指導されない時間も大切です。子どもは自由な時間に伸びるということも念頭に入れて考えてください。

次回から、さまざまな習い事の現場を皆さまに代わって取材していきたいと思っています。ご意見がありましたら、どしどしお寄せください。待っています。

第1回目は「ピアノ」です。

プロフィール

杉山由美子

NPO法人 孫育て・ニッポン理事長、NPO法人ファザーリング・ジャパン理事。「母親が一人で子育てを担うのではなく、家族、地域、社会で子どもを育てよう」をミッションに、全国にて講演、プロジェクトを行う。東京都北区多世代コミュニティー「いろむすびカフェ」アドバイザー。産後のママをみんなでサポートする「3・3産後サポートプロジェクト」発起人。著書、共著に「ママとパパも喜ぶ いまどきの幸せ孫育て」(家の光出版)。

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