子どもの将来のために大切にしていること

アンケート期間　2006/08/2〜2006/08/4　回答者数：668人

前回のレポートでは、ご家庭で進路についてどんな話がなされているかをご紹介しました。将来に向けたお子さまの歩みには本当にさまざまな段階があり、その姿を見守りながら応援をしたり、ときには心配をしたりする保護者の方々の気持ちもよく伝わってきました。
それを受けて今回は、保護者のかたがお子さまの進路について思うことや、大切にしていることをご紹介します。

夢を大切に、将来はじっくりと

まず、【図1】のグラフをご覧ください。お子さまの進路について保護者のかたがどのようなことを思うかを、選択肢のなかから3つまで選んでいただきました。

【図1　お子さまの進路についてどのように思いますか】

「いろいろなことを経験しながら、やりたいことをじっくりと見つけてほしい」「自分の夢ややりたいことを大切にしてほしい」の割合が高くなっています。保護者の思いを押しつけることなく、お子さまの気持ちや行動をとても大切にしていることがわかります。

一方で、「経済的に安定した生活ができるようになってほしい」もまた上位にきています。夢を追いかけるあまり経済的に行き詰まることのないようにという、保護者としての切なる願いも表れているようです。

自分で考え、行動できる人間になってほしい！

次のグラフ【図2】は、お子さまの将来のために、家庭で大切にされていることをまとめたものです。13項目のなかから3つまで選んでいただきました。

【図2　お子さまの将来にとって、ご家庭で今のうちから大切にしたいこと】

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どの学齢のお子さまをもつ家庭でも大切にしていたのは、「自分で考え、行動できるようにすること」。お子さまの夢ややりたいことを大切にしているからこそ、“自分でできる” ということを重視されているのでしょう。同時に、「きちんとした言葉遣いであいさつやお礼が言えること」「他人への思いやりをもたせること」も重視されていて、人とのコミュニケーションを大切にし、助け合いながら自分の夢を実現していってほしいという思いがうかがえます。

ここで、それぞれのご家庭で＜一番大切にしていること＞について、保護者のかたの声をご紹介しましょう。※カッコ内はお子さまの学齢

＜自分で考え、行動できるようにすること＞

• （子どもは）らくで楽しいことを選択しがち。また、大勢のなかなどでは成り行きに任せるようなので、初めての人、物、事になるべく多く触れさせる機会をつくることによって、自分なりに考え、行動することの大切さを感じとってほしい。（小学校入学前）
• 担任の先生の話では、学校では比較的できているようだが、家での様子を見るとまだまだ親が言わないとやらないことが多い。親が口出ししすぎるのが原因かも。（小4）
• 少しずつ自立できるような環境をつくっていきたいと思います。この夏、初めて4泊5日のスペースキャンプに参加。知り合いのいないなかで一人で行動できるか心配ですが、いろいろな経験をとおしてたくましくなって帰ってきてほしいと思っています。（小4）
• まだまだ自分に対して自信がもてないようです。小さな成功体験を積み重ねて得意分野を伸ばし、自己肯定感をもてるように、親として努力したいです。長女なので母親（私）の関わり方を改善する点が多いと感じています。（小5）

＜きちんとした言葉遣いであいさつやお礼が言えること＞

• あいさつ、お礼を言うことはとても大事なので、親の私も気を付けてあいさつなどをして、その姿を子どもに見せていけたらと思う。（小学校入学前）
• いろいろな人と関わりをもつことによって会話する力がアップすると思っています。また、そこから他人への思いやりや、自分以外の考え方を学んでいけると思います。（小6）

＜他人への思いやりをもたせること＞

• とにかく学校のできごとや、さまざまな社会でのできごとについて話をするようにしています。しかし、まだまだ、自分中心にしか物事を見ていないように感じています。（小5）
• 友だちや身内以外の人などにもたくさん触れ、いい経験をしてほしい。（小6）

“夢ややりたいこと”を大切にし、“自分で考え、行動できる”自立した人間を目指してほしい。そんな保護者の思いが、今回の回答のなかにも、前回ご紹介したお子さまとの将来についての話し合いのなかにも、強く表れています。皆さまの声を拝見しながら、何かに規制されることなく、夢ややりたいことを目指せるというのは、やはり日本が恵まれた環境だからではないかという気がしました。それとともに、自己実現を目指す人々が心豊かに生活し、生き生きした社会が作れたら……という思いも抱きました。