子どもの中学校生活に望むのは「よい友達に恵まれる」こと

アンケート期間 2006/07/5〜2006/07/7 回答者数:921人

前回のレポートでは、お子さまの中学校進学をめぐって、ご家庭でどのような選択がなされているかをご紹介しました。そこから浮かび上がってきたのは、地域によって受験に対する考え方が大きく異なること、公立中学校に不安を感じているご家庭が多いことです。
このようななか、保護者のかたは、お子さまが進学する中学校にどんなことを望んでいるのでしょうか。そして、その中学校で、お子さまにどんな中学校生活を送ってほしいと思っているのでしょうか。今回はそれらについてご紹介します。

中学校に望むことの基本は「勉強と友だち」

お子さまが通う中学校に望むこととして、あてはまるものを3つまで選んでいただいた結果をまとめたものが、【図1】のグラフです。なお、グラフは、全体を総合した「総計」のほか、中学受験予定が「ある」かた、「ない」かた、「決めていない」かたの4種類をご紹介しています。

【図1 お子さまが通う(通っていた)中学にどんなことを望みますか】

4つのグラフを比べてみると、受験予定が「ある」かたと「ない」かたとでいくつかの選択肢についての傾向が異なり、「決めていない」かたはその中間ぐらいという結果になっています。

  • 受験予定が「ある」かたの割合が高い項目……
    「自分の好きなことが学べる」「たくさんの人が難関の高校や大学に進学している」「高校や大学にそのまま入れる」など
  • 受験予定が「ない」かたの割合が高い項目……
    「明るくのびのびして、生徒たちの仲がよい」「規則や生活態度をきちんと守らせている」「先生方が熱心にいろいろな相談にのってくれる」など

また、受験予定が「ある」「ない」にかかわらず、「勉強をじっくりとていねいに教えてくれる」「よい友だちに恵まれる」が同じくらいの割合を示していることも特徴的です。
ただ、保護者のかたがお子さまにどんな中学校生活を望むかという声を詳しく見ていくと、同じように友人についての願いであっても、受験予定が「ある」かたは価値観などがそろった環境を前提にしているのに対し、受験予定が「ない」かたはさまざまな人たちがいる環境を前提としているという違いがあります。

さらに、受験予定が「ある」かたは、今後の勉強のことなどを6年間という長期スパンで考えている場合が多いこと、受験予定が「ない」かたは地域とのかかわりにも目を向けていることなどに、違いが見られます。

お子さまの中学生活に望むこと すべての保護者の願い

それでは、お子さまに望む中学校生活のなかで、保護者のかたが共通して挙げていたことをご紹介しましょう。 ※カッコ内はお子さまの学齢

<のびのびと、勉強も部活もがんばってほしい>

  • 勉強もしてほしいし、部活もがんばってほしいと思います。(小5)
  • のびのびと、クラブ活動にも積極的に参加して、うち込めるものやよい仲間をたくさんつくってほしい。(中学生)


<よい友人を見つけてほしい>

  • 勉強ももちろん大切ですが、友だちとの時間、部活動など先輩後輩との時間は、この先どんなときにも本人の助けになると思うので、大切にしてほしいです。(中学生)
  • 損得なしに、裸の自分自身で誰かと向き合える時間は、人生のなかでもほんの数年です。多感な14歳から17歳くらいの間に、大切な友人関係を築いてほしい。(小5)


<思春期から大人への道を歩み、将来の道を見つけてほしい>

  • 精神的にも肉体的にも大きく揺れ動く時期なので、しっかりと芯が通った、人として思いやりをもった、最低限のルールを守れる大人への一歩を踏み出してほしい。(小2)
  • 友だちや先輩後輩と十分に交流し、影響し合い、信頼できる教師や大人と出会い、自分のやりたいこと、進みたい道の手がかりをつかんでほしい。(小6)


<いじめなどの悪い事件に巻き込まれないでほしい>

  • 学校の周りで、昼間、うろうろしている中学生を見かけると、わが子には、学校での居場所を見つけてほしいと思います。(小4)


お子さまが高校生以上のかたも含めた多くのかたが、中学校に望むことの基本である、勉強と友人に関することを挙げていました。中学生という多感な時期に陰湿な事件などに巻き込まれることなく、勉強や部活に取り組むなかでよい友人を得て心豊かに成長し、また将来への手がかりも見つけてほしい……。保護者のかたの切なる願いを感じます。

それぞれのご家庭がさまざまな検討の結果に選択した中学校は、お子さまにとってもご家庭にとってもおそらく最善のものでしょう。その最善の環境のなかで、お子さまの成長をしっかりと見守り、お子さまの出すサインを見逃すことなく対応していくことが、お子さまの将来にとって大切なのではと感じました。



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