教えて☆堀田先生 「メディアとのつきあい方学習」【前編】

インターネットや携帯電話。この10年で私たちを取り巻くメディア環境は猛烈なスピードで変化しています。新しいメディアにはワクワク・ドキドキするような「光の部分」と、思わず戸惑いを感じてしまう「陰の部分」があります。私たちは、どのようなバランス感覚をもちながら、新しいメディアと生きることを考えていけばよいのでしょうか。

情報教育の第一人者で文部科学省教育情報化関連審議会委員等、さまざまなプロジェクトでも活躍、「メディアとのつきあい方学習・実践編」を出版されたばかりの、独立行政法人メディア教育開発センター 助教授/東京大学大学院ベネッセ先端教育技術学講座 客員助教授の堀田龍也先生にお話を伺いました。

1.「メディアとのつきあい方学習」とは

「メディアとのつきあい方学習」で堀田先生は、情報化社会のなかで、メディアの操作方法の習得や仕組みを理解する学習にとどまらず、メディアを道具として使いこなし、生活や仕事を便利に豊かにしていくための「つきあい方」を身につけることを提案しています。

「メディアとのつきあい方学習」のポイントは大きく3点です。

●1.メディアの特性と適切なメディアの選択の仕方について学ぶこと

メディアの特性を知り、目的に応じてメディアを選べるようになることを目指します。

メディアにはそれぞれ特性があります。新聞には新聞の、雑誌には雑誌の、それぞれ目的に応じた特性があり、その結果、違う表現の形式をもっています。情報発信をするメディアならば、FAX、電子メール、電子掲示板は同じように電子的にメッセージを綴っていくものですが、読者の範囲が異なります。

どんな時に電子メールが便利か。その時守らなければいけないマナーは何か。それぞれのメディアの特性について一定の知識を持ち、生活の中で使い分けていくことが大きなポイントです。


●2.メディアが生活に与える影響について学ぶこと

メディアが私たちの生活や社会に影響を与えていることを自覚することが次の大切なポイントです。

私たちは、毎日、さまざまなメディアから情報を得ています。たとえば、私たちは、北朝鮮についていろいろなことを知っています。しかし、私たちがもっているイメージはメディア経由でもたらされたものです。ほとんどの人は、実際に北朝鮮を訪問した経験がないですよね。私たちのイメージは、記者が知り得た情報を元に構成された新聞やテレビの報道によってもたらされたものです。情報の重要度が判断され、整理され、必要な部分に編集された結果です。おそらくそれは事実ではあるが、事実のすべてではないはずです。

メディアは、私たちの考え方をいつの間にか規定しています。特にマスメディアは、私たちにすぐれた情報を与えてくれる反面、所詮は誰かが構成した結果の情報を提供しているにすぎないことを自覚すること。このようなメディアの及ぼしている影響を理解したうえで、私たちは、「自分の」意思で、物事を判断していかなければならないということを強く認識することが大切です。


●3.メディアが取り巻く社会での安全な行動の仕方について学ぶこと

最後のポイントは、メディア社会で暮らしていく私たちが、安全で安心な生活のために知っておかなければならない知識や、備えておかなければならない態度です。

これは、ネットワーク犯罪のように社会で話題になる大きな犯罪だけを相手にしているわけではないということです。情報社会で生きていくうえで、普通に遭遇する、さまざまな問題について知り、自分自身を守る技術を身につけておくということなのですね。

たとえば、インターネット上のウイルス対策では、「ウイルスに関する細かい知識をいかに知っているか」よりも、「自分のパソコンがウイルスに感染しないようにするにはどうすればいいのか」を知っておくほうが大切です。こうしたことは、実際にインターネットを使ってみないとわからないことですが、一定の知識をもっていて初めて理解できることもここには含まれています。経験のなかで学びつつ、情報社会に関する一定の知識を与えることも必要だと思います。

メディアが移り変わっても、それが私たちに「情報」を提供し、判断を要求し、コミュニケーションを促すものであるということは変わりません。「情報」と共に生きていくことも変わらないですよね。しかも、その「情報」は爆発的に増加し、コミュニケーションはますます多様化しています。

これからの時代を生き抜く子どもたちに育成されなければならない資質だと思います。

・・・教えて☆堀田先生 「メディアとのつきあい方学習」【後編】に続きます。
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東京大学大学院 情報学環 ベネッセ先端教育技術学講座「BEAT」
メールマガジン「Beating」第3号 2004年8月27日発行 より抜粋・改稿


プロフィール

Benesse教育研究開発センター 中野麻依

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