コロナ禍を経て私たちが変わったことは? 小学生の保護者に聞いてみた 進級や進学の迎え方も

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コロナ禍を経験した1年超。保護者のかたは、在宅勤務時間が増えたりお子さまの休校期間経験したりしました。この期間に小学生の保護者の方はどのようなことを感じていたのでしょうか。ガミガミ言わなくても勉強する子に育てる! 家庭教育講座「かおりメソッド」を開講しているママプロジェクトJapan代表の岩田かおりさんと、「【かおりメソッド】実践オンラインサロン」のメンバーに集まっていただきお話を聞きました。

この記事のポイント

子どもの様子から見たコロナ禍の影響とは?

座談会参加者

Tさん:東京在住、外資系企業勤務、子どもは小学6年生。
Hさん:東京在住、医療職、子どもは小学3年生、年中、1歳。
Sさん:東京在住、一般企業勤務、子どもは大学1年生、高校2年生、小学6年生、小学1年生。
Mさん:東京在住、主婦、子どもは小学2年生。

——コロナ禍となり戸惑ったことはありますか?

Tさん 私は、子どもとの時間が増えてすごくよかったです。在宅勤務で、ひっきりなしにオンラインで打ち合わせをしている私の姿を見てか、子どもがごはんを作ってくれたり洗濯物を干してくれたりするようになったんです。夕方一緒にウォーキングに行くことも、いろいろなことを話せる時間になりました。

Hさん 私も、余白の時間ができたことはすごくよかったですね。これまでは、「宿題をしなさい」「算数教室の課題をしなさい」と口うるさく言ってしまっていました。それをやめて、子どもの話を聞いたりかおりメソッドの「天才ノート」だけは一緒にやろうねと言ったりすることで、家の中の雰囲気がすごく良くなったんです。ゆったり構えていると、子どもが自分の話をしてくれるようになりました。

岩田さん 保護者が忙しくしていて、一方的に子どもにガミガミ言ってしまうと、子どもは口をつぐんでしまいます。一緒にいる時間が増えたことが、子どもの話を聞くきっかけの一つになったのはよかったですね。

Sさん 家庭で大変なことはなかったのですが、子どもの小学校で6年生の学年が学年崩壊になってしまったんです。本来であれば、6年生は小学校最後の思い出づくりとして修学旅行があったり、下の学年の子たちの憧れとなる運動会や鼓笛パレードがあったりします。しかし、それが感染症予防の観点ですべて中止になってしまった。自分に誇りを感じたり、クラスで団結するような機会がなくなってしまったんですよね。

——先生方は学年崩壊にどのように対応したのですか?

Sさん 学年集会で話し合いを実施していました。また、見かねた保護者がアンケートを取って、「従来通りの行事はできないけれど、こんなことならばできるのではないか?」と学校側に提案したんです。しかし、採用されませんでした。学校現場もコロナ対応で追い込まれていたのでしょうね。

休校期間中は子どもの好奇心を育む機会に

——休校期間中にお子さまに変化はありましたか?

Mさん オンラインで話をすることが増えて、パソコンに興味を持つようになりました。「【かおりメソッド】かおりメソッド実践オンラインサロン」には、「天才ノートキッズ」といって、子どもたち同士で交流する場があるのですがそこにコメントを書き込みたい一心でローマ字を覚えたりパソコンを触ってみたりするようになっていました。よい機会なので、好奇心を伸ばしていきたいと思います。

Sさん 私は、コロナ禍で海外が近くなったように感じました。海外にいる友達もロックダウンにあっていて時間があったので、オンラインで週1回30分子どもたちに英会話のレッスンをしてくれるようになりました。子どもが家で過ごす時間が増えたからこそ、実現できましたね。

Tさん 子どもに「毎年、夏休みに自由研究をするんだから、時間があるいまのうちにやってしまえば?」と勧めたら夢中になって作っていましたね。他にも500ピースのパズルを2つ買ってそれを完成させたり、江戸川乱歩を読みふけったりしていました。

Hさん うちの子は工作が好きなんです。休校期間中は、日本刀とか槍とかをせっせと作っていました。私が医療職なので在宅できない時には、シッターさんが見てくれているのですいが、私とは一味違った声かけを息子にしてくれていたんです。親以外の人に褒められることが嬉しかったみたいで、没頭していましたね。

4月の新たな生活に向けて思うこととは?

——コロナ禍を経て、この春の進級、進学をどのように迎えていきますか。

Tさん 息子は中学校に進学しますが、彼ならば大丈夫だろうと信じています。一方で私は自分自身をもっとアップデートしていかなければいけないなと思いました。コロナ禍の中学受験だったのでオンラインの説明会などにたくさん参加し、自分の視野がすごく狭いと感じたんです。

Hさん 私は、子どもを追い立てないという決意ができました。意識的に余白の時間を設けて、子どものありのままを承認する。そうすることで、子どもも話したいことが話せるし、親の自分も聞きたいことが聞けるのだなと思いました。「日常」に戻ったとしても、それは忘れたくないです。

岩田 全てを正解にしていくということが子育てでは大事です。混沌の時代では、保護者が熱心であればあるほど、情報を得ようとします。情報を得ると、不安と焦りにまみれるんですよね。すると、子どもを追い立ててしまいます。かたや子どもは焦っておらず、安心したいのは親だけなんです。
さらに、先が見えにくい社会だからこそ、「私はこうしたらうまくいった」などの成功体験も断ち切って、「どんな道を選んでもいい。選んだ道を正解にしていく」という思考が大事だと考えています。

まとめ & 実践 TIPS

コロナ禍で親子時間が増えたことには、ポジティブな意見を持つ保護者の方が多かったです。ただし、荒れてしまった学校現場もあったことがわかりました。
また、休校期間中はゆったり家ですごす時間が増え、パソコンや英会話、工作など子どもの好奇心を育む機会にもなりました。新学年や進学を迎えるに当たっては、保護者自身のアップデートを図りたいという思いや、子どもへの接し方の見直しを決意する声が聞かれました。

プロフィール


岩田かおり

株式会社ママプロジェクトJapan 代表取締役
第一子、第二子をお受験塾に入れずに都内の国立小学校に合格。幼児教室勤務、そろばん教室の運営を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」の想いから、独自の教育法を開発。「学び体質に育てる」と「親子関係」を大切にし、子育てする家族を応援するガミガミ言わず勉強好きで知的な子どもを育てる作戦『かおりメソッド』を全国へ展開中。(株)リクルートでの企業講座では満足度100%実績あり。PHPすくすく子育て、雑誌VERY掲載、ウェブDomani、ラジオ出演などメディアでも活躍中。3人(1男2女)のママ

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