きょうだいの子育ては難しい?! 赤ちゃん返りしたらどうする? 読み聞かせは一緒にできる?
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きょうだいがいる場合に、どう育てたらよいか悩む保護者の方は少なくありません。保護者に向けた家庭教育講座を開講し、ご自身も2人のお子さまの子育て経験を持ち、「かおりメソッド」の提唱者である岩田かおりさんに、きょうだいの育児のポイントをお聞きしました。
上の子を集中的にサポートし家庭内の安心安全を構築する
下の子が生まれたタイミンングで、上の子が急に甘えるようになったり赤ちゃん返りをしたりした経験を持つ保護者の方もいるでしょう。それは、上の子が弟や妹に「お母さんを取られてしまった!」と思うことから引き起こされる行動です。保護者は平等に扱っていても、中には寂しさを感じている子どももいるのです。
そうした時、私は、上の子を集中的にサポートするようにしていました。そうすることで、上の子の心が安定します。下の子は上の子の言動や振る舞いを真似するところがあるので、結果的に2人とも落ち着いていきました。
時には、きょうだい同士で嫉妬して、「僕(私)のこと好き?」と聞いてくることがあります。保護者が「好きだよ」と返しても、「何番目に好きなの?」と食い下がってくることも。そんな時には、「みーんな、1番だよ!」と笑顔で伝えてあげましょう。
時々、お子さまにこんなことを聞かれると「私の愛情が足りていないのかしら……」と悩んでしまう保護者の方がいます。しかし、きょうだいがいる子どもが、そうやって保護者の愛情を確認することはよくあります。子どものこうした言動に落ち込むのではなく、明るく笑顔で包んであげるとよいでしょう。
一つだけ注意をしてほしいのは、きょうだい同士を比べないということです。「お姉ちゃんはできていたのに」や「弟の方が頑張っているじゃないの」などというと子どもは追い詰められていきます。他の子どもと比べることもNGですが、きょうだいで比較されると子どもは精神的に追い詰められていきます。
それに、子どもを誰かと比べないようにすることが、子育てに悩まなくなる大切なポイントでもあるのです。
年の差がある場合、一緒に勉強できる?
きょうだいで一緒に勉強に取り組ませるにはどうしたらよいかご相談を受けることがあります。そんな時は、「天才ノート」を一緒に取り組むことをおすすめしています。「天才」とは、高い知能指数や偏差値を持っているという意味ではありません。どんな子どもも保護者の接し方次第で、「天才」になれるという考え方で、子どもの「好き」や「頑張り」を承認する学習方法です。
「天才ノート」では自由な学びができるので、上の子にサポートが必要な勉強をしているときは、下の子には1人で楽しんできるものを渡しておくとよいでしょう。
例えば、小学3年生の上の子が計算をしている隣で、年長の下の子が迷路や塗り絵などに取り組むなどが挙げられます。迷路や塗り絵には、自分が思うような線を引けるようになったり手の力を上手に調節できるようになったりする運筆の練習効果があります。
他にも、学校でのお便りを保護者の方が読みながら、上の子がお便りの中の難しい言葉を調べて、下の子がその中のひらがなを書き写すなどもよいですね。工夫する心を持って眺めていると、全てが学びの素材になるものです。
※年齢×1分で学ぶことが好きになる! かおりメソッドの「天才ノート」とは?
https://benesse.jp/kyouiku/202012/20201220-1.html
年齢が離れている子でも一緒に読み聞かせできる
もう一つ、きょうだいで一緒に取り組めるおすすめの学びが、読み聞かせです。上の子に合わせて本を選ぶと、下の子は理解できないのではないかと心配になるかもしれませんが、読み聞かせにおいて難易度はあまり気にする必要はありません。
読み聞かせの目的は、理解させることではなく「本っておもしろい!」と感じてもらうこと。本に対して、おもしろいと思えば自分で読書をするようになるからです。
小さい頃は、読み聞かせをしていても、ページをどんどん飛ばそうとしたり好きなページに戻って読み直したりしますよね。それをいちいち「順番に読みなさい」「まだここを読んでいないでしょう」などと言っていては本を楽しむ心は育ちにくいです。
理解していなくても、読み聞かせる内容を楽しんでいればOKなのです。上の子に合わせて多少難しい内容の本を読み聞かせても、下の子はそれなりに楽しんで聞いているものです。それに、上の子が楽しんでいれば下の子も真似をしようとします。だから、年齢に合わせた内容を別々に読み聞かせしなければいけないということはないのです。
まとめ & 実践 TIPS
きょうだいをどう育てるか、悩んでいる保護者の方は少なくありません。ポイントは、上の子を重点的にサポートすること。それにより、「お母さんが弟(妹)に取られちゃった!」という上の子の寂しさをケアすることができます。
きょうだいで勉強させる時には、保護者は手の掛かる学習をしているほうに注力し、他の子は自分で進められる活動にすることがコツ。さらに、読み聞かせは楽しむことが目的なので、きちんと理解できなくていなくてもOKです。年の離れたきょうだいでも、一緒に読み聞かせをして本を楽しむ心を育みましょう。
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