忙しい時こそ一呼吸置く 穏やかな気持ちで子どもに接するコツ
「気持ちにゆとりがなく、つい子どもに『早くしなさい!』と言ってしまう」など、子育ての場面で自分の感情をコントロールすることに難しさを感じる保護者のかたは多いのではないだろうか。今回はコーチングのプロである石川尚子氏に、ゆったりとした気持ちで子どもと接するためのヒントを伺った。
***
心身をよい状態に保つために、私たちコーチはそれぞれエネルギーチャージ法を持っています。好きな音楽を聴く、ゆっくりコーヒーを入れて飲むなど、ちょっと気分がスッキリすることでよいのです。「そんな暇はない」と思うかもしれませんが、忙しいからこそ、そんな時間を数分間でも持つと気ぜわしさが減ります。「子ども(相手)にどう働きかけるか」にばかりいきがちな意識を、「自分がいかに落ち着いて過ごすか」に向ければ、相手との関係性も変わります。相手とのコミュニケーションをよくするために、まずは自分とのコミュニケーションを大切にするのです。
また、私は一日の終わりに、「今日、自分ができたこと」を一つでも見つけ、自己承認しています。これだけで翌日の目覚めが違います。コーチングを学んで子どもにイライラしなくなったというかたの多くは、「自己肯定感が高まったことで、子どものことも受けいれやすくなった」とおっしゃいます。「自分はダメだ」という想いが強いと、大きな視点からものを考えられません。「できていないこと」や「足りないもの」を数えるのではなく、「今日できたこと」「既に持っているもの」に目を向けましょう。子どもの可能性を信じる保護者自身が、自分の可能性を信じ、自分を認めていただきたいのです。
コミュニケーションとは関係ないようですが、身の回りの整理整頓も効果的です。雑然とした空間にいると気持ちが殺伐としてきて、焦りや否定感がわきます。イライラしている時ほど整理整頓を。自分を整えることが心のゆとりにつながり、子どものやる気にも影響を与えます。
出典:気持ちにゆとりを持って子どもと接するには? -ベネッセ教育情報サイト