不登校解消への第一歩!? ある教師が作った「5つの質問」

不登校解消への第一歩!? ある教師が作った「5つの質問」子どもの不登校に悩む保護者へ。もしかしたらこの5つの質問が、不登校解消の第一歩になるかも知れない。コーチングのプロ、石川尚子氏が語る。

 

***

 

「小学3年生からずっと学校に行けないでいた子が学校に復帰しました。今では、普通に学校に行っています」という報告が届きました。この子は、何が原因なのかはよくわかりませんが、学校に行こうとしなくなり、既に中学2年生の年になっていました。一度も中学校に行ったことがない子どもがどうして、急に行けるようになったのでしょうか。
その理由は、このうれしい報告をくださった適応指導教室のS先生の関わり方にあったのではないかと私は思っています。

 

S先生は、ある時から毎週月曜日の朝、1時間程、この子と面談をするようになりました。ここ数年、熱心に学んできたコーチングの手法を駆使して、質問をしながら、子どもの言葉に耳を傾け、「それはあなたの強みだよ」と思ったことはどんどん伝えました。さらに、「目標達成シート」というものを作って、1週間の振り返りと今週の行動計画を宣言することを促したそうです。

 

この「目標達成シート」は、次の5つの質問に答えるようになっています。これらの質問は、コーチングを行う際に、コーチが意識している<基本の流れ>に沿ったものですが、S先生は、子ども向けにアレンジして、「目標達成シート」にしました。

 

<1>自分の理想の状態はどんな状態ですか?
<2>山登りをイメージしてください。理想の状態が10合目(頂上)だとしたら、今は何合目ですか? その理由も考えてみましょう(できていること、できていないことなど)
<3>できていないところ(課題)を解決するために、どんなリソース(資源)が使えそうですか?
※リソース(資源)とは:自分の強み・情報・時間・道具・環境など
<4>(2)の課題の何からどのように始めますか?
<5>いつから始めますか? 宣言してみましょう。

 

初めは、「学校は怖い。高校にも進学しない」と言っていた子どもですが、面談を重ねるうちに、高校生活を楽しみに思えるようになり、学校に対する恐怖心もしだいになくなっていったそうです。この子にとって、S先生との面談時間は、自分の存在価値や強み、未来への希望を実感できる楽しいひとときだったのではないかと思います。

 

出典:不登校を解消した5つの質問 -ベネッセ教育情報サイト

子育て・教育Q&A