「ほめて育った子どもは打たれ弱いは妄想」とコーチングのプロ

「ほめる子育て」が提唱される昨今。社会に出た時の厳しい現実を考えると、ほめるばかりでいいのか不安に思う保護者もいるのではないだろうか。コーチングのプロである石川尚子氏も、講演会などでよく同様の質問を受けるという。問いへの回答と保護者の心得について伺った。

 


「ほめて育った子どもは打たれ弱いは妄想」とコーチングのプロ

 

「子どもをほめてばかりで、本当に大丈夫なのかなと思うことがあります。大きくなるにつれて、きっと厳しく接する人もたくさん出てくるでしょう。ずっとほめられて育った子どもは、打たれ弱くなってしまうんじゃないか、ある程度、世間の厳しさに慣れさせておいたほうがいいんじゃないかと思うことがあるのですが、どうなんでしょうか?」

 

講演会でもよく受ける質問です。私は、いつもこんなふうにお答えします。

 

「自己肯定感で満たされている人は、逆境にあってもけっこう強いです。本当の打たれ強さとは、厳しい試練にひたすら耐えられることではなく、直面した課題に対して、『自分なら乗り越えられる』という気持ちとそれを解決していく力を持っていることだと思います。『ここを乗り越えるにはどうしたらよいだろう?』と前向きに考えられる力は、『自分にはできるはずだ』という自己肯定感から生まれます。厳しく接することや、単に『ほめる』だけでは、自己肯定感は十分に満たされません。コーチングでいう『承認』が効果的だと思っています」。

 

「承認」とは、相手の存在を肯定的に認めること。無条件に、「あなたは大切な存在だ。あなたは可能性を持った存在だ」というメッセージを伝えることです。「承認」をしっかりされて育った子どもは、多少厳しいアプローチにも、「自分は大丈夫、乗り越えられる」と受け止められます。

 

「厳しさに慣れさせないとダメになるのでは?」という発想は、子どもの力を信じていない妄想に過ぎません。どうぞ心配なさらず、子どもの存在そのものをどんどん「承認」し続けてください。

 

出典:子どもをほめてばかりでよいのでしょうか? -ベネッセ教育情報サイト

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