「~しないように」を言い換えて、親子で肯定思考を育む法
普段、子どもに対して「~しないように」と注意することはないだろうか? きょうだいげんかばかりする子どもの保護者が、いつも「けんかをしないように」と注意していたのを、ある時「きょうだい仲よくね」と言って出かけたところ、穏やかに留守番ができた例があるという。コーチングのプロ石川尚子氏に、「~しないように」を言い換える効果について伺った。
***
「~しないように」という言葉、よく耳にしますね。これを肯定表現に言い換えてみましょう。
たとえば次の言い方は、実際に、小学校で実践している先生からお聞きした表現です。
「忘れないように」⇒「~することを覚えておいて」
「騒がないように」⇒「口を閉じて聴いてみよう」
「遅れないように」⇒「8:45には座っておいて」
「廊下は走らないように」⇒「廊下は歩こう」
肯定表現で伝えられると、「やってはいけない」イメージではなく、「こうするといいんだ」という理想のイメージが浮かんできませんか? 「肯定表現を意識すると、子どもたちだけでなく、私たちも気持ちが穏やかになってきた気がします」という先生の言葉も印象的でした。
もうひとつ、否定表現で気になるのが「W(ダブル)否定表現」。「勉強しないと、テストでいい点とれないよ」というように否定形を2つ重ねる言い方です。叱咤(しった)激励のつもりでも、「~していないあなたはダメ!」と否定していることになります。それに、あまり明るい未来をイメージさせない表現ですので、同じように言い換えてみましょう。
「勉強すると、テストでいい点とれるよ」
「たくさん食べると、元気になれるよ」
「練習すると、もっと上手になるよ」
W肯定表現なら、W否定よりも、希望が感じられますね。子どものころから、肯定表現で声をかけられていたら、自然と物事を前向きに考えられる人になっていくのではないでしょうか。声をかける側もおのずと肯定思考になり、意欲がわいてきます。
出典:「~しないように」を言い換えてみませんか? -ベネッセ教育情報サイト