大学教授から学ぶ、タイプ別コミュニケーション力の伸ばし方
「おとなしくて友達の中であまり発言できない」「ほかの人の意見を聞かず、自分の意見ばかり」……。我が子の性格から、コミュニケーション力に不安を持つ保護者もいるだろう。子どものコミュニケーションに詳しい東京学芸大学教授の松井智子氏に、コミュニケーション能力を伸ばすためのタイプ別アドバイスをいただいた。
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コミュニケーションがうまくいかないことの大きな原因は、「不安」です。保護者が心配しすぎると、子どもがそれを「自分の短所」だと思い、コミュニケーションの際の「不安の種」になってしまいます。子どもの心配な点を「短所」ではなく「個性」と捉え、それを大切にしながら、楽しくコミュニケーション力を伸ばしてあげてほしいと思います。
●おとなしくて、友達の中ではあまり発言できないタイプ
無理強いせずに、温かく見守ってあげるのが基本です。特に「言いたいことがあるけれど勇気が出ない」という場合は、安心して話せる状況を作ってあげましょう。保護者や周りの大人が、子どもの話をじっくり聞いてあげることが大切です。また、聞くことが得意な子どもには、「人の話をよく聞くことも会話では大切」と、よいところをほめてあげてください。
●他人の意見を聞かず、自己主張が強いタイプ
「話し上手だね」と、まずはよいところをほめます。そのうえで、「話し上手だったら、聞き上手にもなれるよ。聞く人がもっと面白いと思ってくれるように話すにはどうしたらいいかな?」と切り出してみましょう。すると、子どもは相手を意識するようになります。
子どもがコミュニケーションの楽しさを実感していく中では、「個性の違いを尊重することの大切さ」も合わせて伝えましょう。人は価値観も、好みも違っていて当たり前。100%共感し合えることのほうが、実は少ないのです。お互いの「違い」を認め合い、尊重できれば、よりよいコミュニケーションができるようになるでしょう。