現場の学びを止めてはいけない。コロナ禍でも現場主義を貫く教育学部【変わる大学】

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2020年のコロナ禍では、文部科学省の省令により、教員免許取得において必須である教育実習を、他の単位で代替可能になる処置※1が実施されました。
しかし、本来多くの資質が必要な教員には、教育現場での対応力が求められます。そのため、教育学部の教員養成課程において先生の「先生」となる大学教員の自覚や大学の制度設計が大切となります。
国立教育政策研究所の調査※2では、教員養成課程の大学教員に求められる資質・能力として、「学校現場での教育実践と関連づけた授業の実施」「実践と理論の往還型のプログラムのデザイン」「教育実習など体験と関連づけた授業の実施」などが重要という結果が出ています。
そこで今回は、現場の経験と学びが求められる昨今の教員養成において、教育学部の使命として「現場主義」を掲げ、コロナ禍でも現場での学びを止めることなく、受入先の学校とともに厳重な感染予防対策をとることで、これまで通りの教育実習を実施してきた共栄大学の事例をご紹介します。

この記事のポイント

1年次から教育現場を体験し、3年次には教育実習を実施する独自のしくみ

教育学部では「現場主義」の学びを掲げ、教育現場の最前線を体験しながら学ぶことを大切にしています。

新入生は入学後わずか2カ月で小学校へ実習に行き、授業補助や学校行事に参加する「学校ふれあい体験」で学校現場を体験。2年次にはより本格的に「先生になる」ためのプログラムとして、週に1日小学校で登校指導から給食の時間、放課後の活動まで先生として児童と接し、実際の勤務体験を1年間通して行う「学校教育研修」を実施しています。
また、「放課後子ども教室」では、春日部市内の小学校と連携して放課後や休日に体験型の学びを学生たちが企画し、地元の高齢者、保護者、児童など世代を超えて地域交流を行っています。

さらに共栄大学では教育実習が学校教育の実際を体験的、総合的に理解できる重要な機会として履修すべき科目であることを重視しています。

そのため大きな特長として、通常4年次に実施する教育実習を3年次に実施。3年次までに、教育実習を通じて現場に対応できる能力をしっかりと身に付け、4年次には教員採用試験対策に集中できる環境を整えています。
コロナ禍の2020年においても、スケジュールの変更や期間の縮小などがありながらも、感染予防対策に充分な配慮をしながら、学生の期待に応える想定のプログラムを実施。「現場での学びを止めてはいけない」という思いのもと、現場での体験や教育実習を実施しました。

全国平均を上回る高い教員合格率58.3%を実現

共栄大学では学生への個別サポートなどのトータルのしくみで、2011年の教育学部開設以来、高い教員採用試験正規採用合格率※3を実現してきました。近年では、正規採用合格実績において2018年度採用40.5%(全国平均28.8%)、2019年度採用51.5%(全国平均31.3%)、2020年度採用58.3%(全国平均35.7%※4)と、全国平均を大きく上回る実績を実現しています。また、最新の2021年度採用試験の結果は60.7%となりました。

これらの実績は、入学後すぐの教育現場体験を制度化し、1年次からの現場体験によって「教員になりたい」という、学生の意欲(モチベーション)を向上させていく独自のプログラムの効果といえるでしょう。同時に一人ひとりの学生に合わせて4年間を通じて一貫してサポートを続けていく、共栄大学の教員就職支援体制は、これからの教員養成課程に欠かせないしくみといえます。

一人ひとりに教員アドバイザーがつく、少人数教育ならではのサポート体制

共栄大学のような「現場主義」の実践的なカリキュラムにおいて、例えば学校教育研修など児童を相手にする実習で、大学での授業に比べ、学生が悩んでしまう困難や苦労があるのも事実。そこで必要となるのが学生を支えるサポート体制です。

共栄大学教育学部では、学生一人ひとりにアドバイザーの教員がつく「アドバイザー制度」と、教職経験を持つ教員による「ラーニング・ラボ」の2本柱で学生の教員への夢をサポートしています。

「アドバイザー制度」では、「履修カルテ」で教員免許取得に必要な単位取得ができるよう、学習状況や進捗状況を教員が把握。また授業や試験のことだけでなく、将来や大学生活の悩みや疑問などにも対応します。
「ラーニング・ラボ」では、教職経験を長く持つ先生方を中心に、教員採用試験対策指導、苦手強化の個別指導、教育実習指導などをワンストップで行います。
また、教職や教員採用試験関係の資料を豊富に取り揃え、学びをサポートするためのあらゆる情報を提供しています。

これらの学生一人ひとりと教員が向き合える環境としくみによって、共栄大学の「現場主義」は支えられているのです。

「未来の先生」を育てるため、入学前から始まる本気の教育

「教員を育てるのではなく、いかに“いい教員”を育てるか」という考えのもと、わずか開設10年で関東屈指の小学校教諭合格率を実現してきた共栄大学。この実績の背景には、教員たちが本気で大学入学前の事前教育をスタートしていることも大きな要因です。毎年2月に実施される大学の合格者説明会では個別面談を行い、新入生は入学までに目標を決めて入学前教材に取り組みます。新入生は自分で立てた具体的なノルマを入学までにきっちり達成することで、自信を持つようになります。しかし、中には計画どおり進まず、殻を破れない学生がいるのも事実です。埼玉県教育局で教員の指導や採用に携わってきた経歴を持つ教育学部の濱本教授は、「大事なのはプロセスを大事にしてあげること。どこまでやったか、なぜできなかったか、きめ細かく聞きながら、できたことは認めて自信をつける。一緒に良いところを見つけて伸ばすのです」と話す。学生に寄り添い、“どんな子にも可能性がある”、将来はそれを見つけて伸ばせる教員になって欲しいと願いながら学生の成長にとことん付き合う、本気の教育スタイル。それが共栄大学の学びなのです。

※実習の実施にあたっては細心の感染予防対策を行っています。

出典
※1文部科学省「新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえた教育実習・介護等体験の代替措置等について」
https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/mext_00288.html

※2 ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/kyouiku/201405/20140519-1.html
https://www.nier.go.jp/03_laboratory/pdf/201404071402_2.pdf

※3数値はすべて教員希望者における正規採用合格率

※4文部科学省「公立学校教員採用試験の実施状況」
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/senkou/1243159.htm

共栄大学
https://www.kyoei.ac.jp/

本掲載情報は2021年2月時点のものです。
監修 / 進研アド

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