私立高校受験 間違わないコース選択を専門家が指南
専願・併願問わず、子どもが私立高校を受験した家庭は多いだろう。多くの私立高校にはさまざまな「コース」が設けられている。学校が「特進コース」などの、いわゆる「コース制」を採用するねらいや、子どもの適性などについて、安田教育研究所の安田理氏に伺った。
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学校が「特進コース」的なものを設置するねらいのひとつは、一般コースとは別枠の少人数の募集をすることで、学力の高い層に受験してもらうことです。現在は多くの私立高校にとって入学時の偏差値を上げて、卒業時の大学合格実績を向上させることが生き残る道になっているのです。したがって、当然「コース」によって入試の難しさも違ってきます。
東京都内のある私立高校では、最も難しいコースと最も易しいコースとの偏差値には、男子で9.7、女子では9.5もの差があります。この場合、同一高校内でこれほど違うのですから、難易度という点では、別のコースを受験することは他校を受験することとまったく変わりません。また、ほとんどの高校では、志望者数は易しいコースほど多くなるケースが多いのですが、上位コースほど定員が少なくなっていることが多いので、倍率は上位コースほど高くなるのが一般的です。
入学後は、上位コースほど難関大学合格を第一義に考えているので、大学受験を強く意識したカリキュラムで授業が進められることも知っておいてください。お子さまの普段の勉強態度から、ハードなカリキュラムをこなすだけの覚悟があるかどうか、また優秀な同級生たちと競い合っていくほうが伸びるタイプかどうかも、見極めてください。お子さまによっては、上位にいたほうが自信を持てて伸びるタイプのこともあります。単純に上位のコースであればあるほどいいと考えるのではなく、お子さんの性格をつかんで、コースを決めることをおすすめします。