受験校決めから学費まで 第3回 私立高校受験では「コース」選択も重要[高校合格言コラム]
受験校決めから学費まで
前回は、公立高校の定員数についてお話ししました。今回は、私立高校の「コース選択」についてお話しします。
お子さまは私立高校も受験されると思います。私立高校の場合、上位校であれば、「コース制」を取り入れる必要はありません。お住まいの都道府県でも進学校であれば、「コース制」は採用していないのではないでしょうか。学校が「特進コース」的なものを設置するねらいは、一般コースとは別枠の少人数の募集をすることで、偏差値表の高いところに校名が載るようにすることにあります。そうすることで学力が高い層に受験してもらおうというわけです。
「コース制」は、もともとは大阪府の女子校が始めたものです。現在は多くの私立高校にとって入学時の偏差値を上げて、卒業時の大学合格実績を向上させることが生き残る道になっているので、今では全国の高校に広がっています。したがって、当然「コース」によって入試の難しさに違いが生まれます。
例として平成26年度入試に向けた、東京都のA高校の模試のデータを見てみましょう。
A高校では最も難しいコースと最も易しいコースとでは、偏差値に男子が9.7、女子が9.5もの差があることがわかります。同一高校内でこれほど違うのですから、難易度という点では、別のコースを受験することは他校を受験することとまったく変わらないことだということがおわかりいただけると思います。
また、志望者が最も多いのは、最も易しいコースだということに気付かれたと思います。A高校以外でも、ほとんどの高校でそうした傾向になります。つまり、志望者数は易しいコースほど多くなるケースが多いのです。ただ、上位コースほど定員が少なくなっていることが多いので、倍率は上位コースほど高くなるのが一般的です。つまり、倍率の点から見ても難しくなっているというわけです。
どの「コース」を選択するかは、お子さまの内申点や、模試での成績が判断基準ですが、次のことも考慮に入れたほうがいいと思います。すなわち、上位コースほど難関大学合格を第一義に考えているので、入学後に大学受験を強く意識したカリキュラムで授業が進められるということです。お子さまの普段の勉強態度から、ハードなカリキュラムをこなすだけの覚悟があるかどうか、また優秀な同級生たちと競い合っていくほうが伸びるタイプかどうか、ということも、見極めてください。
お子さまによっては、成績で上位にいたほうが自信を持てて伸びるタイプのこともあります。ですから、単純に上位のコースであればあるほどいいと考えるのではなく、お子さんの性格をつかんで、コースを決められることをおすすめします。
次回は、学費についてのお話をします。