三者面談に向けて保護者的にやっておきたいこと4選【合格した大学生の声をAI分析】
先生と子どもと保護者との三者面談。「何を話せばいいの?」「どうしたらうまくいく?」と気になることもあるのではないでしょうか。進路に関わる大切な場だからこそ、意見がぶつかってしまわないか不安に感じることもあるでしょう。
そこで、全国の大学生に「三者面談に向けて保護者とやっておいてよかったこと」をアンケート調査(※1)。集まった回答をAI分析して明らかになった、三者面談をスムーズに進めるために、保護者として事前にやっておきたい4つのことを紹介します。
この記事のポイント
【希望】志望校や志望理由など、子どもの希望を事前に確認しておく
<大学生の声>
志望大はもちろん、なぜ行きたいのか簡単な志望動機を考えて保護者に伝えておいたことで、三者面談の場で担任に聞かれても落ち着いて答えることができた。(愛知大・H.T)
自分の意思を先生にも親にも事前に話しておいたらスムーズだった。(明星大・K.O)
事前にどの分野に行きたいか、家から通えるところにする、女子大には行きたくないなどの希望を親に伝えてから三者面談に臨んだ。おかげで、面談の場で全員が大学について情報を持っている状態で話し合いができたのでよかったと思う。(千葉工業大・M.T)
自分の考えを事前に親に伝えていたため、三者面談でもスムーズに話すことができた。(東京外国語大・S.Y)
進路選択では、お子さまの気持ちを受け留めながら、自己決定を促すことが大切です。だからこそ、志望校や志望分野への思いや考えを事前に聞いておくようにしましょう。お子さまも保護者に伝えることで、自分の思いを再確認し、三者面談に前向きに臨むことができるようになるはずです。
お子さまから志望校や志望理由をしっかり伝えてもらうには、聞く姿勢や雰囲気づくりもポイント。「応援しているよ」「あなたの考えを大事にしたい」という姿勢が伝わることで、お子さまも安心して自分の考えを話しやすくなるはずです。まずは「共感して聞く」ことから始められるといいですね。
【情報】子どもの現在の実力や、希望する大学の入試方式などの情報を把握しておく
<大学生の声>
併願校や後期に受ける大学の入試形式も含め、親と情報を共有できていたので、先生には親と一緒に「この大学をこの形式で受けます」、「後期はこの大学とこの大学を考えていて、共通テストの結果も見ながら最終的に決定します」という内容を伝えるだけですんだ。(京都工芸繊維大・M.O)
模試の結果をいきなりではなく事前に共有しておいたほうが、親が驚かない。(福井大・A.O)
第一希望の大学だけでなく、併願大の入試方式もよく確認しておいてよかった。ある程度理解しておくことで先生から説明を受けなくてもよかったため、その分他のことを相談する時間に費やせた。(高崎経済大・M.S)
お子さまの希望を知るだけでなく、入試に関する情報を整理しておくことも大切です。お子さまの現在の実力はどのくらいか、入試科目や入試方式はどうなっているのかを事前に整理しておくことで、面談の場で一つひとつ確認する時間を減らし、「これからどう対策するか」といった建設的な話し合いがしやすくなります。
保護者の受験生時代と比べて、入試制度は大きく変わっています。例えば今では、総合型選抜や学校推薦型選抜と呼ばれる年内に実施される選抜(年内入試と呼ばれます)が、全体の半数を超えています。お子さんの希望だけでなく、志望する大学の入学者選抜の仕組みを確認するなど、保護者自身が基本的な仕組みを理解することで、共通言語を有し、三者面談でのコミュケーションを深めることができるでしょう。
【方針】通学範囲や学費など、家庭の条件を子どもとすり合わせておく
<大学生の声>
大学は実家から通える範囲にすると事前に親と相談して決めていた。そのうえで、通学時間は何時間までなら許容できるかあらかじめ決めておいたので、面談の場で出願大を検討する際にスムーズに話が進んだ。(日本女子大・A.N)
先生に希望する学部を伝えると、自分たちが考えていた範囲外の大学もいくつか勧めてくださったが、親の希望と私の希望を事前に擦り合わせて受験する大学のレベルや地域をある程度決めていたため、余裕を持って話を聞くことができた。(広島大・M.O)
第一志望の大学に行きたいという気持ちだけでなく、学費とか下宿とかのことも話したほうが面談はスムーズに進んでいたと思う。(鈴鹿医療科学大・K.A)
通学範囲や学費、一人暮らしの可否など、家庭ごとに条件はさまざまです。お子さまの希望を踏まえたうえで、あらかじめ家庭の方針について話し合っておくことで、受験校も整理しやすくなります。
家庭の事情によっては、お子さまの希望をすべて叶えられないことを伝えなければならない場面もあるかもしれません。その際は、お子さまの気持ちを受け止めながら、落ち着いて理由を説明することが大切です。場合によっては、奨学金などの選択肢も含めて一緒に考えていくことで、納得感のある話し合いにつながるでしょう。
他方で、お子さんが保護者に気を遣い過ぎてしまって消極的な進路選択に陥るケースも見受けられます。ご家庭の方針を事前にすり合わせておくことで、三者面談の場でも現実的な選択肢をもとに話し合うことができ、より建設的な進路相談につながるでしょう。
【リスクヘッジ】不合格時も含めた進路プランを決めておく
<大学生の声>
落ちたらどうするのか、また併願大はどこにするのかも全て事前に話し合っており、面談がスムーズにいった。(北海道医療大・A.K)
第一志望の他に5、6校ほどの国公立大学の入試科目などを調べておいたことで、もし共通テストでコケてしまった時にどうするかなどを話すことができたので良かった。(学習院大・R.F)
滑り止めの大学まで決めておき、納得のうえで面談に臨めたのでスムーズに話が進んだ。(西南学院大・R.Y)
もしものケースも想定して対応を考えておくことで、三者面談の場でも具体的な相談がしやすくなります。実力が志望校に届かない場合や、共通テストが思うようにいかなかった場合など、起こり得る状況をあらかじめ想定しておくことで、お子さま、保護者双方がゆずれるライン、ゆずれないラインなどを確認することができます。
受験前に「もしも」の話をすることに不安を感じるお子さまもいるかもしれません。保護者が気持ちに寄り添いながら「いろいろな可能性を考えておくと安心だよ」と前向きに伝えていけるといいですね。
まとめ & 実践 TIPS
三者面談は、進路選択の方向性を決め、これからのがんばりに繋げていくための大切な機会です。今回の調査から見えてきたのは、面談をうまく進めるポイントは、その場で何を話すかよりも、事前の準備やコミュニケーションにあるということでした。
お子さまの希望を事前に確認しておくこと、入試制度やお子さまの現在の実力を整理しておくこと、家庭の方針をすり合わせておくこと、そして「もしも」のケースも含めた進路プランを考えておくこと。こうした準備ができていることで、三者面談は「確認の場」から「前に進むための場」へと変わっていきます。
お子さまの気持ちに寄り添いながら、一緒に考えていく姿勢を大切にしていきたいですね。
(出典)
※1 三者面談に関する大学生アンケート
調査地域:全国
調査対象:進研ゼミを受講していた全国の大学生
調査期間:2024年6月
調査手法:WEBアンケートによるベネッセ調べ
有効回答数:97名
編集/ 岡 聡子

山下 真司
ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター主席研究員
独立行政法人教職員支援機構(NITS)フェローコーディネータ
高等学校学習指導要領「総合的な探究の時間」(平成30年告示)解説書作成検討メンバー、神奈川県教育委員会「高等学校等教育改革先導拠点等検討推進会議」委員ならび「産業教育審議会」委員、福井県教育委員会「ふくい県立高校魅力向上プラン策定委員会」委員、岡山県教育委員会「STEAM教育研究推進委員会」委員、徳島県教育委員会「公立高等学校の在り方検討会議」委員 長崎県教育委員会「ながさき次世代高校創生会議」委員、福井県小浜市教育委員会「教育大綱および教育基本振興計画策定有識者会議」委員、広島県三次市教育委員会 教育スーパーアドバイザー、名古屋市立若宮高等特別支援学校 学校評議員、北海道立札幌西高校 探究アドバイザー、学校法人追手門学院 評議員などを務める。

