不登校の家庭が外部とつながる大切さとは?『COCOLOプラン』を参考に考えてみよう

不登校の子どもと保護者が孤立しないために必要なのは、「学校だけでも家庭だけでもない」第三のつながりを早めにつくることです。そこで、文部科学省が2023年に策定した『COCOLOプラン』を参考にした外部との連携を図る具体例を考えてみましょう。『COCOLOプラン』とは、不登校で十分な支援を受けにくい子どもに光を当て、すべての子どもの学びの機会を保障することをめざして設計された取り組み、いわば対策パッケージです。外部連携の最初の一歩や要点、学習支援の選びかた、季節や行事に合わせた見直し、保護者自身のつながりかたを解説していきます。

この記事のポイント

    外部連携で「柔軟な選択肢」と「保護者の負担分散」を実現

    COCOLOプランは「学校と外部機関をつないで、子どもに合う支援を計画・実施するための枠組み」です。不登校の期間に関わりが家庭内だけに閉じると、次の一手が見えにくくなることで、子どもにも保護者にも負担がかかってしまいます。社会との孤立を防ぐには、学校と家庭のあいだに「第三のつながり」を早めにつくることが大切です。教育支援センターやフリースクール、NPO、オンラインの学習・相談などを組み合わせ、「学び」「相談」「社会との接点」を複線化していきましょう。

    外部の居場所とそれらの接点を橋渡しすると、子どもの体調やエネルギーに合わせて柔軟に選ぶことができるうえ、保護者の負担も分散することができます。具体的な枠組みは必要な範囲で活用し、季節や行事に合わせて小さく見直す。このサイクルが視野と選択肢を広げる近道です。

    はじめの一歩は学校での短い面談から

    最初のステップは難しくありません。担任や学年主任の先生に、まず15分の面談をお願いしてみます。そこで「困っていること」「できていること」「今月の希望」の三点だけを共有します。校内の特別支援コーディネーターやスクールカウンセラーの同席を提案できると、次の一歩が具体的になりますよ。


    「一度で整える」よりも、月1回の小さな確認を重ねることが結果的に最短距離です。保護者の仕事や家の行事が重なる時期は、オンライン面談やメール連絡に切り替える相談をするなど、無理のない頻度で続けましょう。

    ≪面談で伝える三点≫

    ● 困っていること(例:朝の起床、人との関わり、テストへの不安)

    ● できていること(例:在宅での15分学習、好きな活動、家の手伝い)

    ● 今月の希望(例:月1のオンライン相談、別室登校の見学)

    無理なく続ける工夫

    面談時のメモを簡単に残し、次回の確認項目を1〜2点だけ決めておくと、継続しやすくなるのでおすすめです。

    学習支援は「最小単位」から記録して共有しよう

    COCOLOプランは、学校と外部機関をつなぎ、子どもに合った個別支援計画を作って動かすための枠組みとして各地で呼ばれている取り組みです。自治体によって名称や運用は異なります。また、相談窓口は学校または教育委員会にあり、校外の学びを学校とつなぐルートが用意されています。

    校外の学びを学校に行かなくても出席扱いとできるかの判断は、学習計画や記録を学校と共有し、校長の判断で認められる場合があります。判断基準は地域差があるため、必ず学校で確認すること。

    学習は「短く、できるところから続ける」が基本です。週に1度・15分のオンライン学習、在宅プリント1枚、教育支援センター等のオンラインでの居場所に顔を出すといった取り組みを記録し、月1回学校に共有すると「積み上げ」が見えるようになり、出席扱いの検討にもつながりやすくなります。

    ≪始めかたの例≫

    ● 自宅で算数ドリルを15分

    ● 好きな教科の動画教材を視聴して3行の感想文

    ● オンラインで先生や支援員と一対一の学習を週1回

    季節や行事に合わせた強弱

    テスト前だけ支援を厚くする、行事のある週は学習量を減らすなど、季節やイベントに合わせて強弱をつけると無理なく続けられます。

    社会的自立は"今の等身大"から育てる

    社会的自立という言葉は少し難しく響きますが、中身はシンプルです。「学ぶ力」「人と関わる力」「生活を整える力」「将来へ一歩を踏み出す力」を、いまのエネルギーに合う小さな行動で増やしていくこと。家の手伝いを3分だけ増やす、好きな分野の動画を見てメモを取る、オンラインで1対1の会話を週に1度する----こうした小さな積み重ねが、やがてボランティアや職場体験などの社会への接点に自然につながります。焦らず、等身大から始められるといいですね。

    ≪4つの力を育てるスモールステップ≫

    ● 学ぶ力:興味 → 基礎 → 計画の順で小さく前進を

    ● 人と関わる力:1対1 → 少人数 → 集団へ段階的に

    ● 生活を整える力:睡眠・食事・時間を "少しだけ" 整えてみる

    ● 将来の一歩:見学や体験を「短時間・少回数」でトライ

    季節・行事・進路の "節目" で計画を見直す

    新学期や学年の切り替え、長期休みの前後、文化祭や運動会、定期テストや入試の節目は、子どもの負荷が変化しやすい時期です。予定を軽くする、オンライン中心に切り替える、関わる大人を一人増やす(または減らす)など、事前に"ゆるめのモード"を設定しておくと安心です。保護者の繁忙期(決算、異動、年度末など)も同様に、面談頻度を落とす・連絡手段をメールに絞るなど、家庭側の余力を守る設計にしましょう。

    子どもだけでなく、保護者自身のつながりも孤立を防ぐ鍵です。保護者会やピアサポートは同じ経験をする人と出会える場。匿名で参加できるオンラインの場もあります。仕事をしている場合は、職場は保護者もひとりの人間として挑戦や成長をする機会の場でもあり、ひととき子どもと離れて自分自身に向き合うことができます。

    ≪やってみたい行動の例≫

    ● 学校に15分の面談を依頼し、「困りごと・できていること・今月の希望」を共有する

    ● 週1回・15分の学習(オンライン可)を始め、記録を学校と共有する

    ● 保護者自身の相談先(ピアサポートや自治体窓口)をひとつ確保する

    最初から完璧を目指さないのがコツ

    完璧を目指すほど、スムーズに進まないと停滞しがちです。家庭と学校、外部の複線を早めにつくってみるには、小さく始めて、季節の節目で見直していくことが大切です。

    なお、『COCOLOプラン』は自治体・教育委員会ごとの取組名称や運用が異なるため、必ずお住まいの地域の教育委員会サイトで最新情報をご確認ください。出席扱いの可否や手続きは学校・自治体により取り扱いが異なります。担任や学校管理職、教育委員会窓口へ直接お問い合わせください。


    参考資料
    出典:不登校対策(COCOLOプラン等)について. 文部科学省公式サイト
    生徒指導について. 不登校. 文部科学省公式サイト

    プロフィール


    上木原 孝伸

    教育企業で講師として17年間教壇に立ち、教科指導や教室運営に携わった後、通信制高校の開校準備から参画、同校の副校長を4年間務める。その後、発達に特性があるお子さまとそのご家庭にマッチする環境のコンサルティングサービスの責任者を務めた後、ベネッセコーポレーションに入社。不登校ライフナビの監修等を務める。

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