調査でわかった不登校のサインって?子どもの行き渋り「初動ガイド」
不登校の生徒数が増加の一途をたどっている昨今。小学校・中学校への行き渋りが多くなると「我が子が学校へ通えなくなる日もくるのだろうか…」と不安に思う保護者も多いでしょう。2025年11月、「不登校ライフナビ」が小中学生の保護者2,240名を対象に、「不登校・フリースクールに関する意識調査(※1)」を実施。今回は、その調査結果を元に、不登校の早期サインやその後の相談窓口、自治体などとのつなぎ方を詳しく解説します。
この記事のポイント
調査結果から読み解く! 不登校の早期サイン
調査結果から、小学生と中学生では不登校のきっかけには違いが見られました。それぞれ見てみましょう。
小学生は「発達特性による不安と疲れ」と「人間関係」が不登校のきっかけに
小学生が不登校になったきっかけを見てみると、最多は「感覚の過敏さや集中のしにくさなど、発達特性による不安や疲れがあった(37.5%)」と回答しています。次に「クラスメイトとの人間関係がうまくいかなかった(36.9%)」「先生との人間関係がうまくいかなかった(32.1%)」と続いています。
小学生では、1位と2位の割合に大きな差が見られず、「発達特性による不安と疲れ」と「人間関係」が多くのきっかけになっていました。音や光などに過敏な子どもは、知らず知らずのうちに小学校で疲れてしまい、登校前に体調不良を訴えるケースも多いです。さぼりたいという訳ではないので、子どもの様子を見て休むことも選択肢のひとつです。
また、小学生はまさに社会性を学んでいる最中のため、クラスメイトや先生との人間関係に悩むことも多々あるでしょう。そして、保護者にその悩みを伝えないことも大いにあり得ます。そこで大切なのは、子どもの変化に気付くことです。
たとえば、友達の話をしなくなったり、放課後遊びに行かなくなったり、遠足やグループ活動を嫌がったり、笑顔が少なくなったり......言葉に出さなくても行動や表情に表れることはたくさんあります。早く変化に気付き、子どもの話を丁寧に聞く機会が持てるといいでしょう。
中学生は「早起きのつらさや体調不良」が不登校のきっかけに
一方で、中学生の不登校のきっかけは、小学生では5位だった「朝起きるのがつらい、体調が安定しなかった(36.7%)」が最も多いという結果になりました。
次いで
「クラスメイトとの人間関係がうまくいかなかった(32.1%)」
「感覚の過敏さや集中のしにくさなど、発達特性による不安や疲れがあった(27.5%)」
「先生との人間関係がうまくいかなかった(27.5%)」
となっています。
中学生では、小学生に比べて「体調の不安定さ」が目立ち、これは思春期特有の心身の変化や、心理的ストレスが身体への症状として表れていると推測できます。つまり、中学生の場合は「朝起きられない」「体がだるい」といった身体症状こそが、実は心と体のSOSサインということもありえるのです。
早期発見のポイントは、これらの身体症状を「怠けている」と捉えず、背景にある心理的・身体的負担に目を向けることです。行き渋りが増えてきたら、休んでエネルギーを回復させる期間が必要なのかもしれません。
小学生・中学生どちらの場合も、不登校のサインに気付いたら、早めに学校と状況を共有するとよいでしょう。
不登校のサインに気付いたときの相談窓口
「体調不良の朝が増えてきた」「行き渋りが増えてきた」そういった、不登校につながるサインに気付いたら、どう動けばいいか迷う保護者も多いはず。ここでは、学校や自治体などへの相談について紹介します。
まず相談したい窓口は、在籍している小学校・中学校
行き渋りの段階で、一番初めに状況を伝えたいのが、担任の先生です。相談することで、学校での様子やクラスメイトとの関係、勉強が負担になっていないかなどの細かい状況がわかり、子どもの負担を減らすための対策が取りやすくなります。
「これくらいで相談してもいいのかな?」と迷われるかもしれませんが、相談は早いほどよいとされています。まずは、家庭と学校それぞれの子どもの情報を共有する気持ちで話してみましょう。
スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーも強い味方に
子どもの心のケアを担当する「スクールカウンセラー」と、学校・自治体の各機関・地域などと連携を取り子どもの支援環境を整えてくれる「スクールソーシャルワーカー」。両者は、学校には在籍しているものの、学校とは異なる第三者的な立ち位置です。
担任の先生に話しづらいときは、スクールカウンセラーも強い味方になってくれるでしょう。スクールカウンセラーの相談は、多くの場合で予約が必要です。予約方法は学校によって異なるので、担任の先生にスクールカウンセラーを利用したい旨を伝えるとよいでしょう。
学校だけではなく、自治体の教育支援センター(適応指導教室)や児童相談所などの自治体の機関とも連携してサポートを受けたいときは、スクールソーシャルワーカーへの相談も検討しましょう。早期に相談することで、全体からのサポートが受けられ、問題が深刻化する前に解決できることも多くあります。
自治体の教育支援センターについては、下の見出しで詳しく説明します。
学校を通さず相談できる自治体の教育相談センター
自治体の「教育相談センター」は、学校とは違う第三者的な教育の相談機関です。専門家に、不登校や学習、人間関係、発達、進路などの教育上の相談ができます。
学校を通さず直接相談ができるため、「学校へは相談しにくい」「学校以外の意見がほしい」という場合に利用してみるとよいでしょう。利用方法は、お住まいの自治体のホームページで検索してみて、電話をしてみる方法が一般的です。
知っておきたい! 自治体の支援やフリースクール
不登校の子どもが、学校以外で勉強や集団生活を学べる場として、自治体の教育支援センター(適応指導教室)や民間のフリースクールがあります。ここでは、利用までの手順をご紹介します。
自治体の教育支援センターの利用の流れ
教育支援センターとは、教育委員会が運営する公的な施設で、不登校の小・中学生が、カウンセリングや学習支援を受けながら、学校や社会への復帰を支援しています。費用は無料で、学校と連携することで出席扱いになる場合が多いです。
【利用の流れ】
1.担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどに、教育支援センターの利用希望を伝える
2.見学や面談を行う
3.学校を通じて利用申し込みを行う
4.利用開始
まずご自身で教育支援センターについて知りたい場合は、自治体によって呼び方が異なるため、「自治体名+不登校+支援」などで検索するとヒットしやすいです。多くの自治体で、学校と相談のうえ、申し込みを行います。学校の先生に言いづらい場合は、スクールソーシャルワーカーやスクールカウンセラーに相談してみましょう。
民間のフリースクールの利用の流れ
民間のフリースクールも、不登校の子どもを対象とした、社会的な自立をサポートする施設です。
【利用の流れ】
1.学校の先生やスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーに、フリースクールの利用希望を伝える
2.通えそうなフリースクールを検索する、またはスクールソーシャルワーカーに相談する
3.見学や体験入学を行う
4.面談を経て入会手続きを行う
5.入会が決まったらその旨を学校へ連絡する
フリースクールは民間が運営しているため、費用や方針、学校の出席扱いになるかなどが異なります。見学や面談を経て、子どもが通えそうかしっかり見極めましょう。学校にスクールソーシャルワーカーがいる場合は、フリースクールについて相談するのもひとつの手です。
まとめ & 実践 TIPS
調査によると、小学生は発達特性による疲れや人間関係、中学生は体調不良がきっかけで不登校になる割合が高いという結果でした。不登校のサインに気づいたら、早めの相談が大切です。相談先は、まず担任の先生へ行い、必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカー、自治体の教育相談センターも活用しましょう。学校以外の居場所として、教育支援センター(適応指導教室)やフリースクールも選択肢のひとつとしてぜひ知っておいてください。「これくらいで相談してもいいのかな?」と迷ったときこそ、相談のタイミングです。保護者だけで抱え込まず、支援とつながることで子どもに合った道が見つかりやすくなります。
(※1)調査概要:
◇調査対象:
ベネッセの保護者向けアプリ「まなびの手帳」およびベネッセ教育情報サイト「不登校ライフナビ」に登録されている、小学1年生~中学3年生の保護者
◇主要な調査項目:
お子さまの学年/お子さまの登校状況/不登校の要因/フリースクールの認知・検討・利用状況/フリースクールを利用した際の出席扱いについて/フリースクールに期待すること/フリースクールを利用する際に国や自治体に支援してほしいこと
◇回答数:不登校ライフナビに登録されている小中学生の保護者2,240名
◇期間:2025年11月5日~11日
◇方法:インターネットでのアンケート調査
