中学受験の費用はどのくらい?塾代を抑える具体的な工夫とは? 

お子さまが小学校中学年くらいになると、考え始める人が多い中学受験。「最近の物価高で塾代も値上がりしているんでしょう?」「いったい受験費用の総額はどのくらいなの?」など、受験費用に疑問や不安を感じている保護者のかたも多いのではないでしょうか? 今回は、ファイナンシャル・プランナー(FP)の資格を持つ私が、中学受験を検討しているかたに向けて、実際にかかる受験費用と費用を抑えるコツについてご紹介します。

この記事のポイント

    中学受験にかかる費用とは?

    まず、中学受験にかかる費用は、

    1. 塾代(校外学習代)
    2. 受験料
    3. 入学時にかかる費用

    の大きく分けて3つがあります。順番に見てみましょう。

    【塾代】

    塾とひと言でいっても、塾の形態によって費用は大きく異なります。それぞれの費用の目安を見てみましょう。

    塾の種類と費用の目安

    4年生~6年生の3年間通う場合、塾ごとに費用が違うのはもちろんですが、受講する教科数や特別講習を受講するかどうかなどでも費用は大きく変わります。

    個別指導塾では、お子さまの学力状況や志望中学を考えてオーダーメイドでカリキュラムが組まれることが多いため、費用目安と大きく差が出る可能性があることも。塾選びは費用だけでなく、お子さまとの相性や通いやすさも重要なチェック項目です。各塾の体験授業なども活用し、お子さまと相談しながら決めるのがよいでしょう。

    【受験料】

    中学受験では、1校受けるたびに受験料がかかります。学校や年度により変わりますが、私立中学校と国立中学校の1校あたりの受験料の目安は、以下のとおりです。

    ・私立中学校:2万円〜3万円
    ・国立中学校:5,000円程度
    ・公立中高一貫校:2,000円程度

    中学受験には「7校出願、5校受験、3校合格(七五三)」という言葉があり、複数校を受験するのが一般的です。そのため、私立中学校を7校出願すると、14万円~21万円の受験料がかかります。

    試験の日時がかぶっていなければ、国立の中学校や公立中高一貫校と私立中学を併願することも可能です。試験日程を早めに確認しておきましょう。

    【入学時にかかる費用】

    入学時には、入学金や制服代などまとまったお金が必要になります。入学時になって慌てないよう、早めに準備しておくのがおすすめです。ここで、入学時にかかる費用の参考として、文部科学省発表の公立中学校と私立中学校でかかる1年間の学校教育費の平均金額を見てみましょう。

    公立・私立中学校における学校教育費の内訳(1年間)

    国立中学校は、公立中学校と同じように授業料は無料で入学金も多くの場合でかかりません。そのため、公立中学校(約15万円)と私立中学校(約113万円)は、1年間でかかる費用に大きな差があります。

    また、初年度は制服や体操服といった学用品の費用(「通学関係費」に含まれる)が他の学年よりもかかるため、費用は表の金額より高くなる可能性があります。私立中学校では、入学金と施設費(「学校納付金等」に含まれる)は一括で支払う場合が多く、入学金と施設費で20万円~40万円ほどかかる場合が多いです。

    表2はあくまで平均金額となっているため、詳しい金額は各中学校のホームページで調べておきましょう。いつ・いくらのお金が必要かまで調べておくとさらに安心ですね。

    【パターン別】中学受験にかかる総額は?

    中学受験にかかる総額を、私立中学校入学と国立中学校入学の2パターン見てみましょう。

    4年生から集団塾に通い私立中学校に入学する場合

    4年生から集団塾に通い国立中学校に入学する場合

    4年生から集団塾に通った場合のそれぞれのパターンでの費用は、私立中学校入学の場合は約332.5万円、国立中学校の場合は約276万円でした。塾の選び方や志望校で差が出るため、あくまで目安としてとらえ、詳しい金額は公式サイトで確認してみてくださいね。

    中学受験にかかる費用を抑えるコツは塾選びにあり!

    中学受験にかかる費用を抑えるコツは塾選びにあり!

    中学受験にかかる費用の割合で、一番大きいのは「塾代」です。「集団進学塾」「個人指導塾」「通信講座・オンライン塾」のどれを選ぶかで費用に大きな差が出ます。そこで、受験費用を抑えたいかたは、塾の選び方を工夫するのがおすすめです。

    たとえば、
    ・小学5年生から塾をスタート(塾代が150万円〜200万円に)
    ・地域密着型の中小塾の活用(大手の7〜8割程度の費用になる場合がある)
    ・受験科目を必要最低限にし、塾のコースを見直す(4科目から2科目にするなど)
    ・オンライン塾や通信講座の活用(通塾の半額程度になる可能性も)
    ・自治体に塾代の助成貸付制度があるか確認する
    などの方法があります。

    自治体によりますが、塾代を助成してくれる制度があるところもあります。ぜひお住まいの市区町村のホームページを確認してみてください。学習スタイルや費用面を考え、お子さまに合う塾が選べるといいですね。

    まとめ & 実践 TIPS

    合格通知書と桜

    中学受験にかかる費用は、塾代・受験料・入学時の費用の3つが大きな柱となっています。特に塾代は受験準備のスタイルによって金額に幅があり、ご家庭ごとに選択肢がさまざまです。受験費用が気になるかたは、塾選びの工夫や助成制度の活用など、ご家庭の状況に合わせて費用を抑える方法を試してみてください。保護者のかたとお子さまが納得できる進学準備ができるといいですね。

    プロフィール


    海田幹子

    教育・育児、マネー等について執筆。現在、小学生2人の子育てに奮闘中。

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