「好きな色は何?」5歳の娘の思わぬ答えで、人生観が変わった話

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子育ては、思いも寄らないことの連続。子どもに向き合う保護者の数だけ、多彩なストーリーがあります。誰かの経験が、別の誰かの背中をそっと押すこともあるかもしれません。

今回は、5歳の娘とのやり取りをとおして、自分の偏った考えやモノの見方に気付かされ、価値観を更新し続けるめがねのくせにさん(ペンネーム)のエピソードを、ご本人がつづったnoteからご紹介します。

※以下、ご本人承諾のうえ、投稿内容をもとにご紹介いたします。

※写真はイメージです

この記事のポイント

「好きなもの」がよくわからない

めがねのくせにさんの娘は5歳。好奇心旺盛(おうせい)でおしゃべりが大好きな時期真っただ中です。めがねのくせにさんにも「好きな◯◯は何ですか?」と、質問をくり返すことがしょっちゅう。

大人が子どもによくする質問をまねて、自分もしてみたいんだろう……とほほえましく思いつつも、めがねのくせにさんは、時々本気で困ってしまうんだとか。

「好きなものを質問されて、パッと出てこない。
自分のことなのに わからない。
しばらく考えても まだわからない」

  • (めがねのくせにさんの投稿より *一部編集)

難しい質問でも、考えるような質問でもないはず。それなのに、答えに窮してしまう。めがねのくせにさんは、その理由に思いを巡らせます。

好きな色は何?

「好きな色は?」娘からのシンプルな質問にも戸惑ってしまったというめがねのくせにさん。

「僕の好きな色は、、たぶん青…たぶん。
大人になって改めて考えたことがないので、コレ!って自信をもって即答できなかった。
なので、たぶん青」

  • (めがねのくせにさんの投稿より *一部編集)

「お父さんの好きな青!」と無邪気に言う娘を見ながらも「本当に青なんかな?」と確信が持てずにいたといいます。そんなある日、めがねのくせにさんが娘に好きな色を尋ねると、予想外の答えが。

「赤とぉ、黄色とぉ、ピンクとぉ、青とぉ、オレンジとぉ、紫とぉ、緑とぉ…」

  • (めがねのくせにさんの投稿より *一部編集)

ありとあらゆる色をいくつも挙げる娘。「いっぱいあるんかい!」と思わずツッコミかけためがねのくせにさんですが、ふと気付いて、踏みとどまります。

「あー、勘違いしてたのは僕の方だ。
なにも1つじゃなくていいのだ」

  • (めがねのくせにさんの投稿より *一部編集)

好きな色やものは、1つに絞らなければいけないわけではない。いくつもあっていいし、いくつもあるほうが自然なのかもしれない。子どもをとおして、自分の中の《思い込み》に気付いた瞬間でした。

それは中学時代に「one of the most〜(一番〜なものの一つ)」という英語表現を習った際「一番が何個もあるんかい!」とツッコミつつも、なんかいいなと思った記憶をもふとよみがえらせたといいます。

「好き」にまつわる思い込み

※写真はイメージです

うれしそうに好きな色をいくつも挙げる娘の姿に触発されて、めがねのくせにさんは自分の好きな色を改めて考えます。

「子どもの頃から、青はワクワクする好きな色。
カープファンの僕にとって、赤は推しの色だ。
意外と似合うと知ってから、黄色の服は気になる存在。
さりげなく使えば、ピンクは可愛いし、
青との組み合わせなら、茶色が最高だと思ってる。
原色ばかりじゃなく、中間色みたいなのも素敵。
淡い色は全体的にほのぼのするから好き」

  • (めがねのくせにさんの投稿より *一部編集)

好きな色は1つでなければならないとの思い込みを外したら、娘以上にいろいろな「色」が好きな欲張りな自分が見えてきました。好きな色に今ひとつ自信が持てなかった自分のことも、こう振り返ります。

「好きが多くて1つに絞れなかっただけ…なのかもしれないな。
それがいけないこと(色んなものに浮気してフラフラしてる感じ)のような気がしてたし、
本っ当に好きなものじゃないと「好き」って言っちゃダメみたいな、思いの強さに自信がないというのもあったんだろうな」

  • (めがねのくせにさんの投稿より *一部編集)

「好き」という感情まで、理屈で整理しようとしていた自分に気付くとともに「好きならそれでいいんだな」とシンプルに思えるようになったといいます。

常識や思い込みがどんどん崩される

娘と過ごす中で、自分の中で常識だと思っていたものがどんどん崩されていくというめがねのくせにさん。子育てといえども、親が教えるのでなく、娘に教えられることがたくさんあるといいます。

「子どもが非常識なのではなく、自分が偏ってるのかもしれない と思って過ごすと子育ては発見だらけだなぁと気づきます」

  • (めがねのくせにさんの投稿より *一部編集)

自分の価値観がアップデートされていくことにワクワクするからこそ、「大人のメガネ」で娘の言動にツッコミを入れることが少なくなってきているんだとか。

「いや、違うでしょ」とツッコミを入れることを踏みとどまって「これはどういうことかな?」と観察してみることで、子どもが見ている世界の面白さを感じようとしています。そんな面白がるスタンスをとるほうが、大人の価値観で子どもの言動をドヤ顔でジャッジするより、楽しいはずだと考えるからです。

娘「好きなフルーツは何でしょうか?」
父「えーっと、いちご?」
娘「ブブー!正解は ぜんぶ!」

  • (めがねのくせにさんの投稿より *一部編集)

好きなものがたくさんある世界を楽しむ娘から、今日も価値観を更新しています。

固定観念や思い込みにもとらわれない、子どもの素直なモノの見方。ありのままをとらえ、丸ごと楽しむ子どものいきいきとした感覚は、かけがえのないものです。

現実には大人がよかれと思って変に矯正(きょうせい)してしまうことも少なくないのかもしれません。時々、子どものモノの見方や見える世界をのぞかせてもらい、面白がってみる。自分の固まった価値観を崩してもらう。そんなスタンスが、子どもが持つ可能性を狭めることなく、一緒に過ごす時間をもっと幸せにしていくのかもしれません。

●ご紹介した記事
「いちばん好きな色を教えてくれた、僕の師匠」
https://note.com/lush_lily396/n/n0cd73fb32cab

●元記事の著者プロフィール

めがねのくせに

一姫を育てる、父(めがね/くせっけ)。 子育て中心の生活を綱渡り中。ゆるくやってみる、そんな生き方を目指している。

プロフィール



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