夏休みに練習しておきたい「ひらがな、かたかな」楽しみながら身に付けるには
- 育児・子育て
「これ、なんてかいてあるの?」「《あそぼ》ってどうかくの?」。文字に関心を持ち始めたお子さまは、今、新しい世界への入り口にワクワクしながら立っています。小学校入学前のお子さまに楽しみながら文字を身に付けてもらうには、どんなコツがあるのでしょうか。
(赤ペン先生 河原)
就学前のお子さまにとって文字は「遊び道具」の一つ
年中、年長さんの年頃になると、文字には何か意味があるらしいと子どもたちは少しずつ気付き始めますね。
いつも見かける看板や標識に何が書いてあるのか知りたい、レストランのメニューを読んでみたい、お友達からお手紙をもらった。きっかけやタイミングは違っても、いったん「読みたい」「書きたい」という強い思いがわき上がったら、五十音を覚えてしまうのはあっという間ではないでしょうか。
なぜなら、この年齢の子どもたちにとって文字は新しい「遊び道具」だからです。この「道具」を使うと、これまでとは別の方法でメッセージを伝えたり受け取ったりできる。それが面白くて仕方ないのだと思います。
お子さまが「書きたい」ことを文字にしてもらう
我が家の子どもたちのきっかけは、幼稚園でのお手紙ブームでした。字が書けるようになったお友達からの可愛いお手紙。何て書いてあるのか知りたい、お返事を書きたい、と必死になって、手紙に必要な文字を覚えていきました。読むのと書くの、同時進行です。
「~ちゃんの《ちゃ》ってどうかくの?」と言われて「ち」と「や」を教えたら、「チガウ、チガウ! それじゃない!」と猛烈に抗議されました。「ちゃ」を表す一文字がある、と思っていたようです。面白いなぁと思いました。大人にはできない発想です。
初めのころには判読不能な手紙がほとんどでしたが、お友達とつながりたい一心で、何通も何通も書くうちに、いつの間にか自分一人で読めて、書けるようになっていました。
もし、お友達とのやり取りがそれほど多くないという場合には、おうちのかたとお子さまとで夏休みの時間がある時に、「文字」を使って遊んでみてはいかがでしょうか。
五十音の順番にはこだわらず、わからない字はその都度教えながらでよいと思います。おすすめは、お子さまが思い浮かべたものを文字にしてもらうことです。
たとえば、お子さまに「好きな動物はなぁに?」と尋ね、その答えを文字にしてもらう。よく遊ぶ「お友達の名前」、大好きな「お菓子」「キャラクター」、知っている「虫」や「野菜」……お子さまにいろいろ尋ねてみましょう。おうちのかたも自分の答えを書いてみるといいですね。それを読んでもらったら「読む」練習にもなります。
お出かけしたことを思い出しながら書いてもらってもいいと思います。水族館で見た魚の名前や、遊びに行った公園の名前、レストランで食べたメニューなどなど。
「文字しりとり」をしたり、「お買い物のメモ」を書いてもらったりするのもいいですね。
好きなもの、知っているもの、経験したことを文字にしてみる。頭に浮かんだイメージとともに書いたり読んだりしているうちに、文字は「自分自身を表す道具」であることも、お子さまに感じてもらうことができるように思います。
読み聞かせでさらにお子さまの世界を豊かに
お子さまの字が形になっていなかったり、鏡文字になっていたりしても、あえて指摘はしなくてよいと思います。正しい形に気付くまで待ってあげても大丈夫です。この時期ならではの貴重な文字をどんどん書いてもらいましょう。
自分で読めるようになり、書けるようになっても、読み聞かせはぜひ続けてあげてください。お子さまは、やっと文字という「記号」を理解できるようになったばかり。書いてある内容を理解して想像力を働かせるには、まだまだ大人の力が必要です。「自分で読みたい」という時には読んでもらってかまいませんが、それ以外の時には、おうちのかたの声でじっくり物語を味わってもらい、お子さまと「文字」とのつながりをいっそう深めてあげましょう。
まとめ & 実践 TIPS
就学前のお子さまにとって文字は「遊び道具」。この新鮮で魅力的な道具を使って、親子で楽しく遊んでみる。そんな感覚が楽しく字を練習するコツです。書きたいと思うことを書いているうちに、自然に文字はお子さまのものとなっていきます。「文字」を介しておうちのかたと楽しくつながることができた。そんな思い出が残る夏休みになったらいいですね。
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