【中学生で円形脱毛症に】変身動画が大人気! おおしましゅんさんが未来を切り開いたきっかけとは
- 育児・子育て
変顔からイケメンに一瞬で変わる、変身動画が人気! TikTokフォロワー数600万人超えのインフルエンサーおおしましゅんさん。「自分のことが好き!」と公言しているおおしまさんですが、過去に重度の円形脱毛症を患い、快方に向かってからもずっと苦しい思いを抱えていたそう。そんなおおしまさんのマインドが変わったきっかけや、自分の力で未来を切り開くために必要なことなどについて、聞きました。
小学5年生で円形脱毛症を患い、ピーク時には4分の3の髪の毛が抜け落ちた
——初のフォトエッセイ『今、かわりたいキミへ』で、円形脱毛症の過去を告白されています。円形脱毛症の症状、当時のおおしまさんの心境、ご家族の様子について教えてください。
円形脱毛症は、小学校5年生の3学期に突然発症しました。初めは髪の毛で隠せば脱毛した部分は見えない程度だったのですが、そのうち脱毛箇所がだんだん増えてつながって、脱毛範囲がどんどん広がって……恐怖でしたね。中学2年生のころは症状が一番ひどく、4分の3の髪の毛が抜け落ちました。
小さいころから人前に立つ仕事に憧れがあって、ジャニーズさんのオーディションに応募する準備もしていたのですが、円形脱毛症の進行期と重なってしまい応募を諦めました。これが人生で初めての大きな挫折です。
髪の毛が抜け落ちて、自分の見た目がどんどん変わっていってしまうのを目の当たりにして、人前に立ちたいという気持ちがいつしかなくなってしまった。あまり人に見られたくないという気持ちに変わってしまったのだと思います。
幸いなことに、周りの友達から髪の毛に関してからかわれたことは一度もありませんでした。でもどんなに仲がよくても、家族と学校の先生以外には、「自分は円形脱毛症である」とは言いたくなかった。そして、見た目に大きなコンプレックスを抱えたことで、次第に何をしていても「でも円形脱毛症だしな」とネガティブにしか考えられなくなっていったんです。
——おおしまさんが円形脱毛症だったころ、ご家族の様子はどうでしたか?
僕は母子家庭で、母親と妹と暮らしているのですが、妹はまだ小さかったので、僕が円形脱毛症だったことをあまり覚えていません。母親は、僕に対して気に病む様子を見せずにいましたが、今思うと僕以上に心苦しかっただろうなと思います。
円形脱毛症は原因があまりわからない病気らしく、その病気にかかって苦しんでいる我が子を見守り続けるというのは精神的にかなりきついですよね。また、毎日僕のために薬の塗布や頭皮マッサージをしてくれ、学校に行く前には、増毛剤を塗って髪の毛を固めるスプレーで整えるなど、本当にたくさん手間をかけてしまったので、肉体的にもしんどかっただろうなと思います。
——今、同じような状況にある家庭は、子どもにどう寄り添うといいと思いますか。
僕の場合は、母親が「大丈夫だよ」といつも励ましを送ってくれました。けれど、「がんばれ」「大丈夫」「よくなるよ」という言葉は言ってもらいたい言葉である反面、重荷に感じてしまう子どももいると思うので、時には少し離れながら様子を見守るといいのかなと思います。そして何よりも、まずは病気のことや子どもの置かれている状況、心境を理解してあげることが大切だと思います。
中学校の先生から「円形脱毛症を含めて自分なんだよ」と言われ救いが生まれた
——そのつらい状況から、どのように立ち直っていったのでしょうか?
中学校の部活の顧問の先生から言われた言葉がきっかけでした。そのころの僕は、円形脱毛症のせいにして、やるべきことから逃げるようになっていました。毎朝、頭皮がむき出しになった部分に増毛用の黒い粉をかけて登校していたのですが、部活は「汗で流れて困るから」と、もっともらしい言い訳をしてサボろうとするようになって……。
そんな僕の様子を見て、部活の顧問の先生がある日「周りにあなたのことを笑う人はいないよ。円形脱毛症があることも含めて自分なんだから、自分を否定しないで。誰に見られたっていいじゃない」と言ってくれたんです。それを聞いて「あ、そうだったのかな」ってちょっと思ったのを覚えています。自分の中で救いが生まれたというか……。
だからといってすぐにポジティブに受け入れられたわけではないのですが、「黒い粉が汗で流れたっていいか、円形脱毛症も含めて自分だし」と少しずつ思えるようになりました。自分を少しでも受け入れられるようにしよう、円形脱毛症と付き合っていかないとな、とマインドが変わったのだと思います。直接的に効果があったわけではないと思いますが、それを境に症状がどんどん良くなっていきましたね。
良いところも悪いところも知ることが、未来を切り開く力になる
——大きな挫折、苦しみを経て、今やおおしまさんはTikTokフォロワー数600万人超えのインフルエンサーです。変顔からイケメンに一瞬で変わる「変身動画」や「歌ってみた」、「踊ってみた」など、さまざまな発信をされていますが、そういったやりたいことを自分で考えて切り開いていく人になるためには、どうすればいいのでしょうか?
僕の場合は、良い部分だけでなく、良くないところや苦手なこと、挫折したこと、コンプレックスを含め、自分自身を知って受け入れてきたことが、今の活動に繋がったと思っています。
僕は円形脱毛症を患ったことで、10代での3年以上の貴重な時間を失ってしまったと今でも思っています。でも、その挫折した経験が糧になって、円形脱毛症で苦しんでいるかたの痛みを周りの人よりは理解できるし、何か力になれたらとYouTubeで発信することもできています。また、視力が悪くて、眼鏡をかけると目が小さくなってしまうのもコンプレックスでした。でも、今はその見た目が、変身前の動画で奇妙な感じを出すのに役立ったりしています(笑)。コンプレックスが武器になることだってあるんです。
今、コンプレックスで苦しい思いをしている人は、自分がどんなことが好きで、何に熱中している時にすごく楽しい自分でいられるのか、逆にどんな時にだらけてしまうのか、どんなことに弱いのかなど、好きなこと、嫌いなこと、良いところ、そうでないところを探ってみるといいと思います。
挫折を経験したりすることもあると思います。僕もそうでしたが、それらをすぐに克服することはもちろんできません。でも、「それも含めて全部自分なんだ」と否定せずに受け入れることが自分を知ることにつながり、やりたいことを見つけたときに、道を切り開く力になるのではないかと思います。
まとめ & 実践 TIPS
小学校高学年以降は、人と自分を比べたり、人の目が気になったり、コンプレックスを持つことも出てきますが、自分を否定しないことが大切です。「良いところもそうでないところも、それが自分」と受け入れて自分自身を知っていくことが、将来やりたいことを切り開く力になります。もしお子さまが挫折したりコンプレックスを抱えて悩んだりしているときは、まずは理解しようとすること。お子さまによっては励ましがプレッシャーになってしまうこともあるので、時には離れて見守ってあげるといいのではないでしょうか。
- 育児・子育て