「そろそろゲームやめなさい!」と言わずにすむにはどうする?習慣化のプロに聞きました。

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ゲームや動画にテレビ……。子どもが夢中になりすぎてしまい、約束の時間がなかなか守れないということはありませんか? どうしたら時間になったら「やめる」ことができるのでしょうか。
習慣化コンサルタントの古川武士さんに「やめることの習慣化」について、お話を伺いました。

この記事のポイント

【保護者のお悩み】
Q.子どもがゲームや動画に夢中になって、時間を決めてもその時間にやめることができません。宿題や就寝の時間もあるので、イライラするし、焦ってしまいます。どうすれば、子どもが約束を守れるようになりますか? また1度ではなく、いつも「時間になったらやめる」には、どうすればよいですか?

やるべきことをやれていたら
とりあえずはOKとする

 古川さん:楽しいことを「やめる」のは、大人でも難しいですよね。だからといって、「ゲームや動画の時間を0にする!」と親がやってしまうのは、子どもにとって、その時間が適度なストレス解消や気分転換になっていた場合、現実的ではないですし、せっかくの子どもの楽しみな時間を奪ってしまうことも、よくないかなと思います。

 ただし、ゲームや動画に夢中になりすぎてしまうあまり、「勉強しない」、「睡眠不足」などというのは、心にも体にもよくない。それを踏まえたうえで、「宿題は終わっている」、「就寝時間は守れている」など、「やるべきことがやれているか」ということ。まずはそこを第一段階として、それがOKであれば、とりあえずはよしとするのはどうでしょうか。この第一段階ができていない場合は、もっと介入する必要があるでしょう。

「やめる」ことの近道は
別の楽しみを用意すること

 次の段階として、子どもが大好きなゲームや動画、テレビの時間。その時間が長すぎると、依存的になったり、体が疲れてしまったり、よくないことも多いでしょう。そこでは「スイッチング」を使うといいと思います。
 「スイッチング」とは、新しい別の楽しみを用意することです。動画の見過ぎであれば、マンガ本など、ちょっと没頭できて、子どもが楽しめる何かをスイッチングとして準備しましょう。「動画より面白い!」と感じられれば、子どもの興味はそちらに移り、夢中になっているうちに、ゲームや動画の時間が結果として減ります
 人は楽しみが1つだと、それに依存しやすくなってしまいます
 また、動画がとても好きな子であれば、いつも見ているアニメの動画ではなく、たとえば教育動画にスイッチングする時間を間に入れる。興味がもてれば、歴史などの勉強系の動画を増やしてみてもいいと思います。1つのことに偏らず、かつ子どももスイッチングして楽しいと思えることが大事です。

バランスを取ることを教えることも
親ができる教育のひとつ

 「習慣化」するには、コツがいろいろとありますが、王道は、「ベイビーステップ(小さな一歩)」から始めるということです。
 休みの日は1日中ゲームや動画という場合は、ベイビーステップとして、まずその時間を少し短くしてみる。そのための別の楽しみを用意して、スイッチングを促していくのです。やり始めると、段々と頭も体も慣れてくると思いますので、少しずつ「やめる」こともできるのではないかと思います。
 そして保護者のかたは、お子さんが約束の時間を守れたり、いつもよりゲームや動画の時間が短くなったりした時は、たくさんほめてあげてください。ほめられることで、子どもは「自分はできる!」と、自己肯定感が高くなります。そうすると、「次もやってみよう」と思えるので、習慣化を継続しやすくなります。

 また、「ゲームや動画の時間を0にする」ことよりも、「バランスを取ること」「ほどよい着地点を見つける」ということを子どもに教えていくこともまた、難しいことではありますが、親ができる教育のひとつではないでしょうか。

まとめ & 実践 TIPS

ゲームや動画に夢中になる子どもの気持ちはわかるものの、あまり長いと心配になるもの。その楽しみは尊重しつつ、うまくバランスをとること、他に楽しみを見つけて、スイッチングを促していくことが大事だとわかりました。

プロフィール

古川武士

古川武士(ふるかわ たけし)

習慣化コンサルティング株式会社 代表取締役
「続ける習慣」をテーマに、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人、企業への行動定着支援を行っている。著書は22冊、95万部超え。海外でも大好評。
近著に『書く瞑想』を出版。発売から一週間経たないうちに、即重版が決定。

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