ガミガミよりも長所に「いいね!」が、子どもの短所もぐんぐん伸ばす!

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毎日のようにガミガミと叱っては、変わる様子のないわが子にイライラ……。実は、そんな≪ダメ出し≫よりも、長所に目を向けるほうが、子どもの能力は伸びていくようです。教育家として年間2,500組もの子育ての相談にのり、『子どもの長所を伸ばす5つの習慣』の著者でもある石田勝紀さんに、ガミガミ言わずに子どもを伸ばすコツをうかがいました。

この記事のポイント

「他の子よりもできること」だけが長所にあらず

足が速い、絵が上手、計算が得意……。長所というと、他の子よりもできることや、卓越した能力のことだと思っていませんか? いえいえ。長所とは、「誰かが困っていたらスッと手助けできる」「細かいことによく気付く」「言われなくても宿題ができる」など、自然とできていることです。ところが難なくできてしまうため、子ども自身は短所を自覚していても、長所のほうは自覚していないことがほとんど。しかも、大人は大人でそれらを「できて当たり前」ととらえがちなので、自分でも「できていない」とわかっていることのほうを≪できる≫状態に持っていこうと、ガミガミとダメ出ししてしまうわけです。

短所はそのまま!長所に注目する!

でも大人だって、仕事や家事などでちっともほめてもらえず、あまり上手くできないことばかりを「どうしてできないの?」「ちゃんとやって!」なんて叱られ続けたら、嫌気がさすし、自信もなくしてしまいますよね。一方、やれていることのほうを「いいね!」なんて言ってもらえたら……? 気分もやる気もぐっとアップして、苦手なことすらも、気分上々で取り組めるのではないでしょうか。
それは、子どもも同じです。できていないことを叱ってばかりだと、自己肯定感がどんどん下がってしまうだけ。逆に自然とできていることを認めることで、子ども自身も長所を自覚して自己肯定感がぐんぐん上がり、できないことのほうにも挑戦しようという気持ちになったり、できるようになったりしていくのです。

心の余裕のなさが子どもへの“ダメ出し”のもと

でもなぜ大人は、我が子のできないことばかりに目を向けてしまうのでしょうか。その原因の一つは、ちまたにあふれる子育て情報や、自分自身が親から刷り込まれたり、逆に反面教師にしていたりすることにあります。それらが「こうしなきゃいけない」という子育ての正解のようなものになり、不正解を正解にしようという気持ちが働いてしまうわけです。
そして、その≪ダメ出し≫に拍車をかけるのが、実はおうちのかたのイライラです。ここで、ちょっと想像してみてください。みなさんがくたくたに疲れて帰宅した時に、部屋は散らかり放題のまま、お子さんが宿題もせずに夢中でゲームをしていたら? きっと「いつまでやってるの!?」「片づけなさい!」なんて、怒鳴り声をあげてしまいますよね。ところが、3億円の宝くじに当選してご機嫌で帰宅した時なら、「あら、楽しそうだね」なんて、寛容な態度をとるのではないでしょうか。
でもそれ、おうちのかたの心の風向きが違うだけで、どちらも子どもの状況は同じです。つまり、おうちのかたが心に余裕を持ち、正解にまどわされず、わが子のいいところを認めてあげる。すると子どもはその子らしさをどんどん発揮して、自己肯定感が上がり、自分で苦手だと思っているところも良くしようとしていくのです。

まとめ & 実践 TIPS

できないことのほうが目について、ついガミガミと言ってしまいがちですが……。なんでもかんでも百点満点にするのは、無理な話。しかも、できていないことは子ども自身も少なからず自覚しているはずなので、そこをガミガミと言われるのはたまったものではないし、ガミガミ言うほうも楽しくないですよね。一方、できていることのほうに注目してあげられたら、子どももきっとどんどんやる気になるし、それを見ているほうもきっと笑顔になるはず。でも、どうしたらそんなハッピーの連鎖をつくれるのでしょうか? 詳しくは、後編でご紹介します。

プロフィール

石田勝紀

石田勝紀

一般社団法人 教育デザインラボ代表理事。都留文科大学国際教育学科元特任教授。20歳で起業し学習塾を創業。これまで5万人以上の生徒を指導。現在はMama Café、執筆、講演活動を通じて親向けの情報を発信している。『東洋経済オンライン』連載(累計1億PV)、『子どもの自己肯定感を高める10の魔法のことば』等合計20冊出版し、メディアにも多数出演。国際経営学修士(MBA)、教育学修士(東京大学)公式サイト http://www.ishida.online

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