「早寝早起き朝ごはん」な子が、大人になって高い資質や能力をもつということ

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お子さまは「早寝早起き」して「朝ごはん」を食べていますか?実は、子どものころの「早寝・早起き・朝ごはん」習慣は、大人になってからの資質や能力にも影響があることが調査で分かりました。今回は、調査結果から見る「早寝早起き朝ごはん」の重要性をご紹介します。子どものころに身に付けるためのコツも見ていきましょう。

この記事のポイント

「早寝早起き朝ごはん」習慣の効果

「早寝早起き朝ごはん」全国協議会(事務局:独立行政法人国立青少年教育振興機構)が行った『「早寝早起き朝ごはん」の効果に関する調査研究報告書』を見てみましょう。

小さいころに「早寝早起き朝ごはん」ができていると大人になっても資質や能力が高い

子どものころの規則正しい生活習慣と大人になった現在の資質・能力

この調査では、小さいころに「早寝早起き朝ごはん」の習慣ができていた人ほど、大人になってからも資質や能力が高い傾向があることがわかりました。この資質と能力は、8つの項目を合わせたものです。「自尊感情」「共生感」「意欲・関心」「規範意識」「人間関係能力」「職業意識」「文化的作法・教養」「へこたれない力」と、さまざまな資質・能力が調査対象となっています。

自尊感情や意欲・関心、人間関係能力も高い傾向

この資質や能力は、頭の良さや成績とは違うもの。「自尊感情」「意欲・関心」「人間関係能力」など、生きるために必要なさまざまな力が含まれています。そしてどの資質・能力も、子どものころに「早寝早起き朝ごはん」の習慣ができていた人ほど高いことがわかりました。

子どものころの規則正しい生活習慣と現在の人間関係能力

それぞれの項目においては具体的な質問が行われており、その回答をもとに割合を出しています。たとえば、「人間関係能力が高い」とは、「人前でも緊張せずに自己紹介ができる」「友達に相談されることがよくある」、自尊感情が高いとは「自分のことが好きである」「家族を大切にできる人間だと思う」などです。子どものころに「早寝早起き朝ごはん」の習慣ができていた人は、大人になってからのさまざまな資質がプラスに働いていると言えます。

経済状況に関わらず、規則正しい生活は能力に影響を与える

子どものころの家庭の経済状況及び規則正しい生活習慣と現在の資質・能力

経済状況で見ると、ゆとりがあった家庭のほうが大人になってからの資質・能力が高い人が多い結果になりました。ただ、ゆとりがない家庭であっても、規則正しい生活を送っていた人は、そうでない人に比べて大人になってからの資質・能力が高いことがわかったのです。

つまり、大人になってからの資質・能力の高さは、経済状況に関わらず生活習慣が大きく影響していると考えられます。

生活習慣のしつけは大人になってからの資質や能力に大きく関わる

子どものころのしつけも、大人になってからの資質・能力を高めてくれる一因となっています。

子どものころに受けた生活習慣のしつけは大人になってからも残る

子どものころの家庭の経済状況別の親からのしつけ及び規則正しい生活習慣と現在の資質・能力

「早寝早起き朝ごはん」を始めとする生活習慣を身に付けていくためには、保護者のかたの力が必要です。そして、しつけの量は大人になってからの資質や能力にも影響を与えるそう。「早寝早起き朝ごはん」の調査と同じく8つの項目を総合して調査した結果を見てみると、すべての項目において、きちんとしつけを受けていた人ほど大人になってからも資質・能力が高いことがわかりました。

さらに、一見しつけとは関係なさそうな「意欲・関心」「へこたれない力」という項目においても、同様の結果が見られました。子どものころのしつけは、大人になってからのさまざまな力に影響を与えているようです。

「ルールを守る力」を身に付けるのに家庭の経済状況はほとんど関係ない

特に注目したいのは「規範意識」です。これは、道徳的、社会的なルールを守る力のこと。この項目においては、経済状況がほとんど影響しておらず、むしろ、ゆとりのなかった家庭でしつけをきちんと受けていた人のほうが、ゆとりのある家庭でしつけをきちんと受けていた人よりも規範意識が高いことが多いという結果になったのです。

もちろん、行き過ぎたしつけは良くありません。ただ、保護者のかたが良い形で正しくしつけてくれた生活習慣は、大人になってからも良い影響を与えてくれるのでしょう。

「早寝早起き朝ごはん」を身に付けるコツ

規則正しい生活のためには、保護者のかたの力が欠かせません。今だけでなく将来のことも考えながら、親子で一緒に生活習慣を見直してみましょう。

早寝早起きは生活全般を見直して

早く寝ようと布団に入ってもなかなか寝付けない……。その場合は、生活全般を見直してみましょう。

まず大事なのは、朝起きて日の光を浴びることです。朝日を浴びると「セロトニン」という脳内物質が分泌されます。これは、眠りを誘う「メラトニン」の材料になる物質。つまり、セロトニンがきちんと分泌されれば夜の寝付きも良くなるということです。夜眠れないのであれば、無理にでも朝早く起きてみることから始めるのもよいかもしれません。

また、寝付きが悪い原因にスマホやテレビがあります。特にスマホは、寝る直前まで見ている子どもも多いかもしれません。しかし、スマホの光は非常に強く、眠りを誘うメラトニンの分泌を妨げてしまいます。その結果、寝付きが悪くなってしまうのです。スマホを見る場合は時間を決め、寝る前には見ないように心がけるとよいでしょう。自分自身のスマホを持ち始める小学校高学年から中学生以降は特に気を付けてください。

幼児期であれば、体をたくさん動かして遊ぶのもおすすめです。

朝ごはんは少なくても「何か食べる」ことから始めよう

朝ごはんは、午前中に活動するためのエネルギーになります。特に小学生は、活動量も多く頭も使う時期。エネルギーがなければ頭も働かず、勉強にも身が入らないかもしれません。

ただ、朝ごはんを食べる習慣がない人が突然しっかり食べるのは大変。その場合は「何か食べる」ことから始めてみましょう。おにぎり一個、パン一個でもOK。少量からでも、朝何かを口にすることを意識してみてください。保護者のかたも、これなら少ない負担で始められるでしょう。

朝ごはんが習慣付いたら、少しずつ品数を増やしてみます。卵焼き、サラダ、スープなど、可能なものをプラスしていくと無理がないでしょう。最初から栄養バランスばっちりの食事を作るのは大変ですから、できることから少しずつ始めてみてください。ちなみに、栄養バランスが良いほど疲労感は下がり、学力・集中力はアップするそうです。

まとめ & 実践 TIPS

子どもの成長を促したり、学習や運動の支えになったりする「早寝早起き朝ごはん」の習慣。それが、大人になってからの資質や能力も高めてくれるという事実に、驚いたかたもいるかもしれません。長い人生をよりよくするために、家庭の事情に合わせて、無理のない範囲で参考にしてみてくださいね。

出典:「早寝早起き朝ごはん」全国協議会(事務局:独立行政法人国立青少年教育振興機構)
「早寝早起き朝ごはん」の効果に関する調査研究報告書 令和3年3月発行
http://www.hayanehayaoki.jp/download/chousakenkyu_houkokusho.pdf

「小学生のための早寝早起き朝ごはんガイド」
http://www.hayanehayaoki.jp/download/shougakusei_guide.pdf

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