子育てのイライラの原因と今すぐできる解消法
- 育児・子育て
子どもを愛しく思っているのに、ついイライラしてしまうことも時にはあるのではないでしょうか。そんな自分に自己嫌悪を抱いてしまうこともあるかもしれません。子育てをするに当たって避けては通れないイライラ感情の対処法についてご紹介します。
イライラが起こる原因
イライラとは、「怒り」の感情です。自分の気持ちや「こうしよう」という計画とのズレが生じた際に、それがストレスとなり、怒りへと変化するのです。原因は、主に次の4つが挙げられます。
時間がない
忙しい朝、出かける時間が迫っているのに、子どもがグズっているというように、時間がないと焦りが生まれるものです。その焦りが余裕を失わせてストレスとなり、イライラを生んでしまいます。焦って慌てるため、余計にうまくいかずにイライラが増幅することもあるでしょう。
子どもが言うことを聞かない
「そろそろ、お風呂だからお片づけしてね」といっても、いつまでも遊んでいるなど、子どもが言うことを聞かないことも多いでしょう。子どもの行動をコントロールできず、自分の計画通りにいかないストレスが、イライラを生み出してしまいます。
夫や家族が非協力的
パートナーや親、家族が非協力的だと、1人で抱え込むことになり、いわゆるワンオペでキャパオーバーになりがちなものです。余裕がなくなると、イライラも起こりやすいでしょう。
また、ママとパパとで育児方針が異なり、あれこれ意見されることもイライラの大きな原因となります。
疲れている
疲れていると、思う通りに体が動かず余裕がなくなってしまうものです。そのため、普段なら笑って流せることも、イライラして過剰反応してしまう危険性があるでしょう。
イライラを感じたときの基本ルール
イライラしてしまったり、怒りの感情を持ったりすること自体は、自然なことです。特に子育てには、育児ストレスがつきもの。イライラすることは、あって当然です。そのため「イライラしてはいけない」などとタブー視する必要はありません。タブー視すると、余計にストレスを生み出す原因となってしまいます。
大切なのは、イライラを感じたときの初期対応を誤らないこと。次の基本ルールを意識していきましょう。
まずはイライラに気づき、認める
イライラは、自然に生まれる感情。とはいえ、その感情に流されてしまわないように注意することが大切です。そのためには、イライラに気づき、認めることがコツ。客観的に自分の状態を把握できて、冷静になることができるでしょう。「あ、今、私イライラしているな」と自分にツッコミを入れてみたり、「今週で一番イライラしたかも」と比較してみたりするのもおすすめです。
怒りを爆発させない
イライラは瞬間的に押し寄せる感情。そのため、衝動的に爆発させてしまうこともあるものです。とはいえ、爆発させると怒鳴ったり、手が出てしまったりと思わぬ行動につながってしまうこともあるため注意が必要です。
子ども相手に怒鳴ったり、叩いたりしても、子どもは余計にぐずるだけです。仮に、自分の思い通りになったとしても、それは怖かったから従っただけで本質的な解決にはなりません。それどころか、大人の顔色ばかりうかがって主体性がない子どもになる危険性もあります。怒りを爆発させて解決することは何もないと心得ておきましょう。
イライラの対処法
イライラとうまく付き合うには、イライラをクールダウンさせ、気持ちを切り替える対処法を身につけておくことがおすすめです。怒りをコントロールする「アンガーマネジメント」の手法も取り入れて、自分なりの対処法を見つけてみてください。
6秒ルールでいなす
どんなに激しい怒りでも、その感情のピークは6秒程度だといわれています。つまり、怒りが芽生えた最初の6秒をうまく乗り越えれば、怒りを爆発させにくくなります。そのため、怒りを感じたら、6秒やり過ごすようにしておくのがポイント。頭の中で数を数えるのもいいでしょう。頭に血が上った状態から、徐々に落ち着いていくはずです。
これは、アンガーマネジメントでも「6秒ルール」として提唱されている方法です。怒りに衝動的に反射しないよう、実践していきましょう。
感情をクールダウンさせる方法を試す
6秒ルールで怒りのピークをいなせたら、感情をクールダウンさせていきましょう。効果的な方法をご紹介するので、自分に合ったやり方を探してみてください。
怒りを数値化してみる
怒りを客観視して数値化すると、冷静さを取り戻すことができます。「今回の怒りは、10段階中8だな。結構きたな」など振り返ってみましょう。
深呼吸・マインドフルネス
しっかり息を吐いて、新鮮な空気を入れ込むと、イライラしていた気持ちも浄化していくものです。怒りがぶり返してきたり、雑念が浮かんでも「吸う」「吐く」という呼吸に集中するというマインドフルネスを取り入れることで、ネガティブな感情から距離を置くことができるはずです。
その場から離れる・散歩に出る
怒りが生まれた場所から、物理的に距離を置くと、徐々に冷静さを取り戻すことができます。また、散歩に出て外の空気や風に触れることができれば、気持ちも和らいでくるはずです。
好きな音楽を聴く
好きなものに触れると、気持ちが華やいでくるものです。そのため、怒りを鎮め、リフレッシュするために、好きな音楽を聴くことは効果的。クールダウンするだけでなく、荒れた気持ちを高めていくことにも役立つはずです。
好物を口に入れる
好きな物を口にして、怒りの感情の代わりに味覚にフォーカスするのもおすすめです。コーヒーの香りで落ち着いたり、チョコレートの甘さで気持ちが和らいだりするでしょう。
イライラの爆発を避けるために
イライラの爆発は、予防していくことができます。イライラが爆発しがちな環境を整えて、イライラとうまく付き合えるようにしていきましょう。
怒りのひとつ前の気持ちに立ち戻る
イライラや怒りを、そのまま子どもに伝えても効果は望めません。なぜなら、直してほしいことよりも「怒っている」という状態のインパクトが強いため、伝えたいことが伝わらないためです。
そのため、イライラを感じたらそれをそのまま伝えるのでなく、怒りのひとつ前の気持ち(第一次感情)に立ち戻った内容を伝えるのが良いと言われています。寝る時間なのにお子さまが片付けをしないケースで考えてみましょう。
「いつまで遊んでるの!早く片付けなさい。」と怒りをそのままぶつけるより、「早く片付けて一緒にお布団でお話したいのに悲しいな」と怒りのひとつ前の第一次感情にフォーカスして言葉にしたほうが、お子さまに伝わりやすいと思いませんか。第一次感情に立ち戻ることは、自分が冷静になるうえでも、お子さまに気持ちを伝えるうえでも効果的です。
程よく手抜きして余裕をつくる
余裕がなくなると、簡単にイライラしたり、爆発したりしてしまうものです。そのため、仕事や家事、育児のタスクに追われすぎないようにコントロールすることも大切。疲れたら食事は冷凍食品やテイクアウトですます、後片付けは翌日にまわしてしまう、洗濯物は干さずに乾燥機にかけてしまうなど、程よく手抜きして心の余裕を作るようにしましょう。子育ては「こうあるべき」に縛られてしまいがちなもの。自分で自分を追い詰めていないか注意しましょう。
自分だけでやろうとせず、人の手を借りる
子育ては、自分だけでやろうとしすぎると、余裕がなくなり爆発の危険性も高まります。余裕を持ったり、客観性を持ったりするためにも、人の手を借りることは重要。パパとママだけでなく、実家の母親や父親、ママ友、保育園の先生、ファミリーサポートなど様々な人にヘルプを出せることも子育てに求められるスキルです。
また、ヘルプを出して手を借りる際には、具体的に何をしてほしいかを伝えることが重要です。「察してほしい」「気づいてくれるだろう」では、ズレが生じ、イライラが募ってしまう結果にもなってしまうでしょう。
ときにはガス抜きを
子育てには、ガス抜きも必要です。定期的にガス抜きをしておかないと、ある日突然たまりにたまったイライラが暴発してしまいます。そのため、時には育児ストレスの愚痴や弱音を吐いたり、悩みを打ち明けたりして気持ちを受け止めてもらうことで心を浄化させましょう。リセットをすることで、気持ちを新たにすることができるはずです。
ただし、愚痴はいつまでもダラダラと言い続けないように注意。言いすぎてしまうとネガティブ感情に支配されて、逆効果となってしまいます。制限時間を決めることがおすすめです。
まとめ & 実践 TIPS
イライラや怒りは、自然に起こる感情のため、タブー視する必要はありません。ただし、衝動的に反応したり、爆発させてしまったりすることは避けるべきです。そのためには、感情を客観視すること、怒りのピークをいなすこと、自分に合ったクールダウンの方法を身につけておくことがポイント。できることから実践していきましょう。また、子育てにつきまとう「べき思考」にとらわれると、余裕もなくなってしまうもの。完璧を目指しすぎずに、時には手抜きもするおおらかさも必要です。イライラとうまく付き合い、子育てを楽しんでいきましょう。
- 育児・子育て