知っておきたい 学童保育のトラブルとその対応方法

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働く保護者にとってありがたい学童保育。熱心な指導員の様子や楽しそうに通う我が子を見ると嬉しくなります。しかし、実はトラブルも多く、特に集団遊び中の転倒は学童保育で発生する事故の約27%を占めます。

学童保育で生じるトラブルと対応方法について見ていきましょう。

この記事のポイント

ケンカに巻き込まれてケガする

学童保育での主なトラブルは、鬼ごっこやかくれんぼなど集団で遊んでいる中で転ぶ、他の子とぶつかる、遊具から落ちるなど。活発に遊んでいる中で起きるケガが多いと言えます。

しかし、お子さまが静かに過ごしていても、
・他の子たちのケンカに巻き込まれる
・倒れてきた子がぶつかってくる
・他の子が投げたものが当たる
・仲裁に入って叩かれる
などのトラブルも発生します。長期休みなど、朝から元気いっぱいの子が多い時期は特に注意が必要です。

まずは日頃から「危ないところからは離れる」ことを話しておきましょう。足場が悪い場所、棚のすぐ近く、おもちゃがたくさんあるところ、元気すぎる子が多い場所などです。

ケンカの仲裁に入れるお子さまの場合は、まずはその勇気を褒めてあげてください。その上で、暴力があるような危ない状況では自分で仲裁せず、指導員に助けを求めることが大切であると教えましょう。

これってイジメ…?

学童保育では1年生から上級生まで同じ空間で過ごすことが多いもの。自然にグループや暗黙のルールができて、それを知らなかったために他の子から無視されてしまうというケースもあるようです。「無理矢理おもちゃをとられた」「髪を引っ張られた」という例もあります。

「いじめられてる…?」と感じたら、まずは学童保育でどのようなことがあり、お子さまがどう感じているのかを聞いてみてください。
・何をして過ごしているのか
・誰と一緒なのか
・指導員の先生はどんな感じか
・イヤなことはなかったか
など、お子さまの話の流れに合わせて聞いてみましょう。

もし「いじめられてるかも」とあらためて感じるなら指導員に事実の確認や相談を。実際にイジメや暴力が認められる場合は、安全な過ごし方を教えてもらいましょう。指導員がイジメの現場に介入してくれる可能性もあります。

対応がなくイジメが続く場合は、「学童保育が安全な場所になっていない」ことを理事長や自治体に相談する手もあります。

指導員の指導内容と家庭の期待が合わない

指導員に関するトラブルでは、「きちんと指導してくれない」「ケガをしたのに報告がない」「理不尽な指導や要求がある」などがあります。指導が行き届いていない場合や、学童保育が「放課後に安全に過ごせる場所を提供する」という目的以上の家庭の期待とのすれ違いが主な原因と言えます。

学童保育ではもともと保育園のような細かな配慮やケアは求められておらず、勉強のサポートも必須ではありません。慢性的な人手不足で対応が追いつかず、とにかく子どもたちを大きな事故やケガから守るために、遊びを制限したり強い口調で指導したりすることもあります。

「ちょっと行きすぎかな」と感じる場合は、指導員や責任者に「相談」という形で話してみたり、学童保育で報告・指導してくれる事柄を再確認したりしましょう。日頃から指導員へ感謝の言葉を伝えると、コミュニケーションがより円滑になります。

これから学童保育を利用するなら、見学を通して指導員や全体の雰囲気をしっかり把握しておくことが重要です。

まとめ & 実践 TIPS

子どもたちが安全に過ごせるはずの学童保育ですが、大小さまざまなトラブルも発生しています。大きなケガ・精神的ストレスにつながらないよう、日頃から指導員とコミュニケーションをとりつつ、お子さまの安全を見守っていきましょう。

出典:
放課後児童クラブの事故報告について|厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/bunya/kodomo/kodomo_kosodate/kosodate/houkago/tuuti_121112-01.html#:~:text=%E8%B2%A0%E5%82%B7%E3%81%97%E3%81%9F%E5%85%90%E7%AB%A5%E3%81%AE%E5%AD%A6%E5%B9%B4,%E8%BB%A2%E8%90%BD%E3%81%AB%E3%82%88%E3%82%8B%E3%82%82%E3%81%AE%E3%81%8C%E5%A4%9A%E3%81%84%E3%80%82

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