「ほっといてほしい」という子の真意は? 本当は大人にしてほしい3つのこと[不登校との付き合い方(17)]

不登校や、「学校に行きたくない」と言っている子どもと話をするとき、大人はどんなことに気をつけたらいいでしょうか。特にただでさえあまり話をしたがらなくなる思春期、どんな風に接してほしいと、子どもたちは思っているのでしょうか。「不登校新聞」編集長の石井志昂さんに伺いました。

この記事のポイント

子どもは「ほっといて欲しい」と言う。それをあえて掘り下げると…

大人からどんなかかわり方をしてほしいかと子どもたち自身に聞いても、答えない子が多いです。せいぜい「別に」とか「普通にしてほしい」といった答え。中でも多いのは「ほっといて」。余計なことするくらいなら、そっとしておいてほしいという気持ちなんです。

そこをあえて踏み込んで聞いてみると、ここが大事なんだな、というポイントが3つほど見えてきます。

1つめは「好きなようにさせてほしい」。不登校で家にいる間、起きる時間を自分で決めさせてくれた、ゲームをしてもよかった、などです。そのことで、自分の気持ちに整理をつけられたと、子どもたちは言います。好きにさせたら、どんどんダメになるじゃないかと大人は思うかもしれませんが、そうとは限りません。

「好きにさせてくれた」環境の中で、趣味のフィギュアづくりにはまってプロの造形師として活躍している人もいます。魚が好きで大学に進み、魚の研究者になった人もいます。好きにさせてくれた時間が、本人を前向きにしてくれるということなのです。

コントロールしようとすればするほど、かかわることはできなくなる

2つめは「感謝されたことがうれしかった」。犬の散歩をした、お米をといでおいたなどの家事をしたことで「ありがとう」と言われて、家族の一員としてここにいていいんだと思えた、という人もいます。

感謝されることは活力になります。もちろん、大前提としては、そこまで支えてもらってきたからこそ、今度は役に立ててうれしい、という気持ちなのでしょう。だからといって、子どもに感謝の言葉を言うために、むりやり家の用事をさせるのは、すぐにバレます。それでうまくいったケースはありません。皿洗いを強要されて、「洗ってくれてありがとう」なんて言われても、子どもはしらけてしまって目も合わせられないと言います。

そして3つめ、最もよく聞くことですが、「気持ちを聞いてくれた」。ポイントは「話」を聞いたではなく「気持ち」なんですよね、聞いてもらってよかったのは。子どもは、何度も何度も自分の話をして、堂々巡りにもなりますが、それを聞いて受け止めてくれて、つらい話には一緒に心を痛めてくれた、と感じるのです。また、本人が期待をもって新しい話をしたときに、大人が一緒になってわくわくしてくれると、前向きになるきっかけにもなります。

本人の意思を尊重することからしか、事態は進展しない

「好きなようにさせてくれた」「感謝された」「気持ちを聞いてくれた」、この3つに共通するポイントは、本人の気持ちよりも先に出ない、ということです。どんなことでも、子どもよりも大人が先回りすると、子どもが思っていることとズレてしまい、うまくいきません。

大人が子どもにかかわるとき、原則的には提案を控えて、子どもからの提案をどうサポートしたら実現できるか、という方向で考えるとよいと思います。基本的に意思決定は子どもがすることです。もし、大人が無理に提案したとしても、絶対に言うことを聞きません。大人からみれば、論理的にも状況的にも「こうしたほうがいい」とわかりきったようなことでも、多くの子どもが、自分の人生だから自分で決めたいと心の底から思っているのです。

まとめ & 実践 TIPS

学校に行きたくないと悩んでいる子どもにとって、周りの大人がしてくれてよかったと思っているのは、「好きなようにさせてほしい」「感謝されたことがうれしかった」「気持ちを聞いてくれた」ということ。あれこれと提案するのではなく、子どもの人生であると尊重し、子ども自身が「こうしたい」と思うことを信じることが大切なのです。

プロフィール

石井志昂

石井志昂

『不登校新聞』編集長。1982年生まれ。中学校受験を機に学校生活があわなくなり、教員、校則、いじめなどにより、中学2年生から不登校。17歳から不登校新聞社の子ども若者編集部として活動。不登校新聞のスタッフとして創刊号からかかわり、2006年に編集長に就任。現在までに不登校や引きこもりの当事者、親、識者など、400名以上の取材を行っている。

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