それは「個性」で片付けていいこと? 困った行動をする子どもは困っているのかも

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大人から見て、ちょっと困った行動をする子どももいます。保護者のかたも悩んでいるかもしれません。逆に、「個性だから」と何もせず片付ける人もいるでしょう。でも、ちょっと考えてみてください。一番困っているのは、他でもない子ども自身ではないでしょうか?

この記事のポイント

「困った行動」は親を困らせたいわけではない

まだ小さい頃は、理解できないことがあって当然です。イヤイヤ期真っ最中であれば、思うように動けないこともあるでしょう。でも、ある程度大きくなってきてからも困った行動がなくならない子どももいます。

「いくら言っても直らない」「繰り返し教えているのになぜ?」と思うこともあるでしょう。でも、子どもは保護者のかたを困らせたいわけではありません。「困っている」から、困った行動をしてしまうのです。発達障害などの特性があれば、その傾向は強くなります。そうでなくても、人には苦手なことや不得意なことが必ずあるでしょう。そこに対しては、「困った」と思うだけではなく、サポートをしてあげることが大切です。

それは苦手なだけかも……困った行動の理由を探ろう

具体的に見ていきましょう。たとえば、「忘れ物が多い子」。ほとんどの場合は、忘れたくて忘れているわけではないはずです。どんなに言っても解決しない場合は、原因を探ってあげる必要があります。「連絡帳を書くのが苦手で、時間内に持ち物を書ききれない」「耳からの指示が苦手で持ち物を覚えられない」「整理整頓が苦手」など、忘れ物一つとっても原因はたくさんあるでしょう。子どもも、どうしてよいのかわからないのかもしれません。どうして忘れ物が減らないのかを一緒に考え、それに合わせた対策をしてみてください。「チェックシートを作る」「連絡帳を書く時間を少し伸ばしてもらう」など、いろんな方法があるはずです。

また、「お店の中で走り回る」というのもよくありますよね。小学生くらいになっても改善されないのであれば、それは子どもが困っているのかもしれません。「人が多くて落ち着かない」「情報量が多くてソワソワする」「見通しが立っていなくて不安」など、いろんな理由が考えられるでしょう。理由がわかれば、「人が少ない時間帯に行く」「何を買うか事前に話しておく」など、サポートができるはず。子どもをよく観察し、いろんな方法を試してみてください。

ただ、中には親を困らせたいと思って行動していることもあります。これを「試し行動」と呼びます。「もっとかまってほしい」「自分を見てほしい」という思いから行うものです。厳しくし過ぎていたり、逆に関わりが少なかったりすると、こういった行動が表れることがあります。思い当たることがあれば、関わり方を意識してみるのも大事です。

「個性だから」と片付けるのは子どものためではない

子どもが苦手なことや困った行動も含め、「個性」と捉えるのは良いことです。すべてを受けとめてあげることで、自己肯定感も高まります。でも、「個性だから」と何もしないのは正解ではありません。子どもが困っているのに放っておいたら、せっかく育った自己肯定感も下がってしまう可能性があります。

「友達とうまく遊べない」「勉強についていけない」「忘れ物がなくならない」など、子どもが困っていることがあればどうすればよいか一緒に考えていきましょう。でも、苦手を得意に変える必要はありません。「これなら大丈夫」となれればOKです。それには、サポートと同時に「あなたはそれでいいんだよ」「苦手なものもあるんだよ」と伝えてあげることが大事。個性を認めつつ、子どもの「こうしたい」をサポートしていってあげましょう。

まとめ & 実践 TIPS

個性を受け入れることと、本人が困っていることを放置することは違います。子どもの姿を受け入れながらも、サポートをすることが大事です。成長し、自立した時に「困った」とならないように、苦手を認めながらやり方を考えていく。それが本当の意味での個性の尊重ではないでしょうか。

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