女子小学生がスマホでゾッとする犯罪に巻き込まれることも! スタンプのお礼に「自撮り送って」

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スマホを持ち始めたことがきっかけで、子どもたちが危険なトラブルに巻き込まれる事件が全国的に多発しています。LINEやマッチングアプリ、ユーザー同士で会話できるオンラインゲームなど、スマホを持っていれば見知らぬ人と簡単につながることができてしまうため、そこを狙う犯罪者が多数存在しています。
特に小学生はまだ善悪の判断が難しいため、ただ遊んでいただけのつもりなのに、保護者の気づかないうちに恐ろしい犯罪に巻き込まれていたというケースも少なくありません。今回は、実際に急増している女子小学生を狙った事件と、予防策として保護者ができることについてご紹介します。

この記事のポイント

「スタンプタダであげるよ!その代わり…」言葉巧みに児童をだます性犯罪の手口とは?

子どもが自分の裸を撮影する「自画撮り」による児童ポルノ被害が全国的に急増していることをご存じでしょうか。近頃多発している手口は「LINEのスタンプをタダであげるよ」というもの。スタンプを無料でプレゼントする代わりに、下着や裸の自撮り写真を送ってと要求するのです。

LINEスタンプといえば100円程度のもの。大人からすれば、「そんなもののためになぜ?」と思ってしまいますが、お小遣いの少ない小学生にとってスタンプは一種のステータスのような価値があり、スタンプをたくさん持っているほど同級生に自慢することができるのです。

また、犯人は女性や同世代の子どもになりすまし、巧妙に子どもの警戒心を解きながら近づいてくる場合もあります。

先にスタンプを送りつけて、「受け取ったのだから画像を送らないとひどいことになるぞ」と脅すケースも。さらに子どもがためらっていると、グループの仲間が加勢してきて「私も送ったから送ったほうがいいよ」「全然心配ないよ」と、促してくるという手口も報告されています。

万が一画像を送ってしまったら、そのデータがどうなってしまうかはわかりません。児童ポルノのデータとして売買されるケースもあり、すべて回収・消去するのは不可能です。このようなゾッとしてしまう恐ろしい事件が、実際に起きているのです。

※画像は架空のイメージです。実際の人物・名前・グループとは一切関係ありません。

◆参照:児童ポルノ禁止法について
https://www.npa.go.jp/hanzaihigai/whitepaper/w-2015/pdf/zenbun/pdf/2s2s1_02.pdf
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=411AC1000000052

トラブルを未然に防ぐために保護者がやるべき5つの対策

お子さまをこのような犯罪から守るために、保護者のかたに必ずしてほしいことがあります。それは、お子さまが使用されているアプリやゲームが適切なものかどうか、使用状況が行き過ぎていないかを見守ることです。

特に下記の5つの事項は必ず把握し、保護者が管理しておくようにしましょう。

  • 1.フィルタリング設定をする
  • 2.アプリやサービスの年齢制限(レーティング)を守る
  • 3.利用するアプリを確認する
  • 4.アプリ・コンテンツの課金の管理
  • 5.時間や使用場所を決める

有害サイトとは、子どもにとって閲覧・利用に適さないコンテンツを含むサイトのことをいいます。たとえば、過度の暴力表現や残酷な表現を含むコンテンツ、アダルトサイト、ID交換サイト・不特定多数との交流を促進するサイト、自殺や違法行為などを助長するサイトなどです。これらはフィルタリングや機能制限をかけることで、回避することができます(ただし、アプリ内ブラウザに関しては制限が効かないことがあります)。

また、多くのゲームやアプリではレーティングと言って対象年齢が明記されています。お子さまの対象年齢に合わないコンテンツが出ないように、スマホに年齢設定をしておくと安心です。また、お子さまが自由にアプリのインストールができないようパスワードを管理し、課金制限しておくことも大切です。最後にスマホを使用する時間や場所(自分の部屋には持ち込まない)などを決めておくことも、犯罪に巻き込まれるリスクの軽減につながります。

もちろん親子間でもプライバシーは尊重しなければなりませんが、子どもを狙った犯罪が身近にあることをしっかりと意識して、お子さまと一緒にルールを決めるようにしましょう。

子どもが危険な犯罪に巻き込まれないようにするには、「孤独にさせないこと」

もうひとつ、お子さまが犯罪に巻き込まれないための大事な対策として、「寂しい思いをさせない」ということがあります。文字どおり子どもを一人にさせないという意味と、精神的な意味も含みます。

寂しい心に犯罪者はつけ込んできます。小学6年生の女子児童が、オンラインゲームで知り合った犯人に家出を持ちかけられ、その後犯人宅で監禁されるという痛ましい事件もありました。

また、もしもお子さまが犯罪に巻き込まれそうになったとき、保護者が一番に気づくことで事態を回避できる可能性もあります。子どもが困ったとき、寂しいとき、親はいつでも相談できる存在だということを日頃からしっかり伝えておきましょう。

■犯罪防止のために、お子さまに伝えておきたい3つのこと

1.困ったら相談してほしい

保護者は一番の味方であることを何度も伝える

2.相談先を知っている

保護者自身が解決できなくても、大人は大人の関係の中で知っている人(相談先)を探すことができる

3.暴走しない(傾聴する)

まずは子どもの声に耳を傾ける、親のみで勝手な判断はせず、子どもと話し合いながら一緒に解決すると伝える

家族だけで抱えきれない悩みは、相談が可能な機関もたくさんあります。お子さまは一人ではない、必ず助けてくれる大人がいることを伝えておきましょう。

まとめ & 実践 TIPS

子どもたちが安全にスマホを使えるように守ってあげられるのは大人しかいません。犯罪に巻き込まれる可能性は誰にでもあることをしっかりと自覚させ、そのリスクを伝える、ルールを一緒に考える、困ったらすぐに親に相談する、これらを親子でしっかり取り組むようにしましょう。
また、メールや電話で相談できる公的な窓口がたくさんあります。不安なときは親子だけで抱え込まないようにすることも大切です。

◆ネットトラブル相談リンク紹介:https://www.j-moral.com/trouble/

プロフィール

石川千明

石川千明

大手ゲーム会社で企画開発を担当
退職後 子育て支援グループいこま育児ネット設立し子育て支援の傍ら、web企画制作、コンサルタントとして活動。2008年自治体、学校等でICT支援活動を開始。度重なる子どもたちのネットトラブルを機に2011年から情報モラル教育を始める。それらの経験また母親目線から、わかりやすくネットトラブルの現状と対策を解説している。
NPO法人 奈良地域の学び推進機構・理事、京都府警察ネット安心アドバイザー

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