嘘をつくには理由がある!子どもの嘘に気づいた時の対処法とは?

子どもの嘘に気づいたとき、保護者としては心が乱れてしまうものです。つい、「嘘をついてはダメ!」と子どもを叱ったり、大声をあげてしまったりすることもあるかもしれません。
でも、子どもが嘘をつくには理由があります。子どもの気持ちを踏まえたうえで、子どもを傷つけずに、嘘を減らしていくための対処法を解説していきます。

この記事のポイント

子どもが嘘をつく理由

子どもが嘘をつくのは、子ども自身の葛藤や迷い、不安などが背景にあります。ウソをついてしまう4つの理由を見ていきましょう。

失敗を隠すため

「テストの点数が悪かった」「忘れものをしてしまった」など、失敗や都合の悪いことを隠すために嘘をつくことがあります。失敗を隠そうという気持ちの背景には「怒られてしまうかもしれない」「がっかりさせてしまうかもしれない」という防衛本能が隠されています。

自分をよく見せるため

「テストで100点だった」「先生に褒められた」と保護者に嘘をついたり、「昨日は家族で豪華なお寿司を食べた」と友達に嘘をついたりするケースもあります。これは、現実よりも自分をよく見せようという気持ちが働いているもの。
保護者に褒められたい、友達にすごいと思われたいといった相手からの反応を期待した嘘となり、背景には自信のなさや不安が潜んでいることもあります。

心配させたり困らせないようにするため

友達とケンカして困っているのに「なんでもないよ」と言ってみたり、授業が分からず困っているのに「勉強楽しいよ」と言ってみたりする嘘もあります。これらは、保護者を心配させたり、困らせたりしないようにしたいという意図が隠されています。

注意をひくため

体調が悪いわけではないのに「お腹が痛い」と嘘をついたりするケースは、保護者や周囲の大人、友達の注意を引きたいという理由によるものです。こういった嘘が続く場合は、甘えたい、構ってほしいといった寂しさを感じているかもしれません。

嘘をついた時のNG対処法

子どもが嘘をつく背景には、子ども自身の葛藤や迷いがあるものです。そのため、保護者はただ嘘を注意するだけではなく、嘘をつくに至ってしまった子どもの気持ちに寄り添うことが求められます。とはいえ、嘘に動揺するあまり逆効果となってしまう対応もしてしまいがちなもの。次のようなNG対応をしていないか振り返ってみましょう。

頭ごなしに怒る

子どもの嘘には、子どもなりの葛藤や焦り、苦しさが背景にあるものです。見方によっては、子どもからのSOSとも言えます。そのため、そこを理解しようとしないままに嘘つき呼ばわりをしたり、頭ごなしに叱ったりするのはNG。子どもは自尊心を失い、不安感も増大させてしまいます。

理由を問い詰める

嘘をついた背景を理解しようとすることは大切ですが、問い詰めるような方法を取るのはNG。「何があったの?」「なんでそんなことをしたの?」と強い口調で問い詰められては、子どもも保護者が自分を理解しようとしてくれているというよりは、叱られていると感じてしまいます。そうなると、子どもは余計焦りや不安を覚えてしまい、ますますうまく理由が説明できなくなる・・・という悪循環に陥ってしまうでしょう。

すぐに謝らせる

嘘は良いものではありませんが、理由も聞かずに有無をも言わさず謝らせるのはNGです。子どもは「ママやパパは自分のことをわかってくれようとしない」「自分の話も聞いてくれないなんて、自分のことが大切ではないのかも」と感じてしまうでしょう。嘘をつくことが良くないことは、子ども自身も十分わかっているはず。謝らせることに躍起になるのではなく、なぜ嘘をついてしまったのかという気持ちを理解しようとする姿勢を示しましょう。

嘘をついた時の効果的な対処法

子どもが嘘をついてしまったときの保護者の対応次第で、今後も子どもが嘘を繰り返してしまうか、嘘を減らしていけるかが変わってきます。次の3点を意識した対応を心がけていきましょう。

話を聞き、嘘をついた背景を理解する

何よりも大切なのが、子どもが嘘をついてしまった背景や理由を冷静に聞き、その気持ちに寄り添い理解を示すことです。なぜなら、嘘をつかなければならなかった時点で、子どもは苦しんでいるためです。「嘘はよくないけど、そうせざるを得なかった事情を理解したい」というサインを受け取れば、子どもは安心することができるはずです。

お子さまが嘘をついた理由や悩んでいる状況を説明してくれたら「それは辛かったね」「言いづらいことなのに、苦しい気持ちを話してくれてありがとう」という共感を示すメッセージを伝えましょう。それだけで、子どもの気持ちは随分と楽になるはずです。

また「嘘をつかれて悲しい」という気持ちを見せることも重要。悲しませることはしたくないという気持ちが芽生えて、「これからは嘘をつく前に相談しよう」とお子さま自身も今後の対処法を考えることができるはずです。そうすれば、嘘も徐々に減らしていくこともできるでしょう。

怒りすぎていないか親の言動を見直す

子どもが嘘をつくのには、親の言動が原因となっている場合もあります。何やかやと子どもを叱ることが多いケースは要注意。「忘れ物しちゃったけど、してないって言っちゃおう」「テスト返ってきたけど、返ってきてないってウソついて隠しちゃおう」と自己防衛のための嘘をつくことが増えてしまいます。

そのため、保護者自身が子育てに関わる言動を振り返ることも重要。「子どもが本当のことを言いづらくなってなかったかな?」「子どもが相談しづらくしてしまっていなかったかな?」と振り返り、必要に応じて見直していきましょう。

叱る・叱らないは嘘の種類による

子どもの嘘には、叱るべき嘘と、叱らずに見逃していい嘘とがあります。「嘘はよくないから」と何でもかんでも叱るのではなく、叱るべき嘘か、見逃していい嘘かを見極めて対応するようにしましょう。

叱るべき嘘とは、人を傷つける嘘や人をおとしめる嘘、失敗を隠す嘘や怒られないようにするための嘘が該当します。これらは、悪意やだまそうとする意図、嘘をつくことへの自覚があるため、しっかりと注意することが求められます。

一方で、親の注意をひこうとした嘘や、心配をかけたくなくてついた嘘は、叱らずに見逃しても良いでしょう。これらは、嘘の背景に寂しさや、相手を思いやる気持ちが潜んでいます。叱るよりも、それらの気持ちに寄り添い、フォローしてあげることが重要です。

まとめ & 実践 TIPS

子どもの嘘には、葛藤や不安、迷いなど様々な心理が隠されているものです。そのため、嘘をつくに至った心理や理由を理解し、それに応じた対応をすることが大切。「親は理解してくれようとしている」「気持ちをわかってくれる」とお子さまが感じられれば、今後は嘘をつくに至る前に相談してくれたり、正直に話をしてくれるようになっていくでしょう。そうすれば、徐々に気になる嘘も減らしていけるはずです。

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