自分から勉強できる子どもは、どこが違う? 調査でわかった!できる子が親とやっていたこと

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ベネッセ教育総合研究所の調査では、コロナ休校中に、生活習慣や学習習慣が乱れてしまった子どもが多いことがわかりました。そのような中でも、学習時間を確保できていた子の特徴は?勉強や遊びのルールを決めて、メリハリのある生活をしていること。しかも、そのルールを親子で決めているということでした。

この記事のポイント

これからの社会で求められる「自ら学ぶ力」

新学習指導要領で重視されている「学びに向かう力」の、重要な要素である「自ら学ぶ力」。しかし、新型コロナウイルスによる休校中に、テレビやゲームに費やす時間が増えた子どもや、保護者に言われないと机に向かえない子どもが少なくなかったようです。

では、自分から勉強する子になるには、どうしたらいいのでしょうか?前回に続き、コロナ禍の学習状況などについて調査した、ベネッセ教育総合研究所の邵勤風(しょう きんふう)に聞きました。

新しいものがどんどん生み出される現代社会。この社会で活躍するには、学校で学んだ「知識・技能」をもとに、自分で考えたり、さらに深く学んだりして、それらを活用していく力が求められます。そのため、2020年度よりスタートした新学習指導要領で“育成すべき資質・能力”とされているのが、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力、人間性」の3つ。「自ら学ぶ力」とは、その1つである「学びに向かう力、人間性」の重要な要素であり、現代社会を生き抜くために必要不可欠な力だと考えられています。

ところが、多くの学校で休校措置が取られていた2020年5月末に、ベネッセ教育総合研究所が全国の小学生のいる保護者1236名を対象にアンケート調査したところ、この「自ら学ぶ力」が課題となっている家庭が多いことが見えてきました。というのも、ほぼ平常時だった同年1月に比べて「休校中の生活習慣や学習習慣が乱れるようになった」と認識した保護者が約5割。「子どもがテレビやDVDを見る時間が増えている」「子どもがゲーム機やデジタルメディアを使う時間が増えている」ことに悩みを抱えている保護者がいずれも約5割。通常通りの登校ができなくなったことで、生活習慣や学習習慣が乱れてしまった子どもが多くいたわけです。

自主的に机に向かえる子の特徴とは?

では、そのような中でも学習時間を確保できていた子、つまり「自ら学ぶ力」のある子どもには、どういう特徴があるのでしょうか?

同じ調査からわかったのは、家庭での平均学習時間を比べると、「勉強の時間」に関するルールがある子どもたちの方が、ルールがない子どもたちに比べて学習時間が長かったということ。また、パソコン・タブレット・スマートフォンといったデジタルメディアの使い方や時間に関するルールがある子は、動画を見る平均時間は短く、その分、友だちや親と遊んだり、読書したりした時間が長かったということでした。

つまり、ルールがあることで時間を上手にコントロールし、メリハリのある生活ができていたことがうかがえるのです。

親子で一緒にルールを決めよう

子どもが自分から勉強でするようになるには、どのようにルールを決めればよいのでしょうか。実は、「親子で一緒にルールを決めている」子どもの約7割が、「自分から机に向かうことができている」という調査結果も。

大人も子どもも、自分で決めたことは納得して受け入れ、守ろうとするものです。また、「テレビは1時間」「勉強は1時間」などと枠が決まることで、計画も立てやすく、崩れにくくなることもあるでしょう。

低学年であれば「1日1時間は勉強の時間にしたらどう?」などと提案して一緒に話し合う。高学年であれば、例えば、ゲームやテレビに使った時間を記録して可視化し、「最近、けっこうゲームをやっているよね? 勉強は大丈夫?」と問いかけるなど、押しつけではなく、子どもが納得するルールを決めることが大切です。

まとめ & 実践 TIPS

コロナ休校中に、学習時間を確保できていた子どもは、勉強や遊びのルールを決めて、メリハリのある生活をしていました。できる子の親がやっていたのは、そのルールを親子で話しあい、子どもが納得するものにすることでした。
子どもがルールを守り、自分から行動できたら、努力やプロセスを具体的にほめるということも大切なことです。すると、子どもは自分の行動を客観視し、自信を高めたり、できていないところを修正したりしながら、「自ら学ぶ力」も高めていくはずです。

プロフィール



ベネッセ教育総合研究所 学び・生活研究室 主任研究員。初等中等教育領域を中心に、子ども、保護者、教員を対象とした意識や実態の調査研究に多数携わる。
これまで担当した主な調査は、「学習基本調査・国際6都市調査」(2006年~2007年)、「第3回子育て生活基本調査」(2007年~2008年)、「小学高学年の学びに関する調査2019」など。近年、子どもの主体的な学びを支える学び方や周囲の支援に関心を持ち、学び方に関する理論研究や実証研究に取り組んでいる。

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