子どもの知的好奇心が育つ!ひらがなや英単語の触れさせ方と注意点

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子どもに自分で勉強に取り組む力をつけてほしいという思いは、多くの保護者のかたの願いです。それを可能にするには、「家庭の中で戦略的な知的刺激を与える学びの杭打ちをすることが重要」と多くの保護者に向けた家庭教育講座を開く岩田かおりさんは言います。
具体的に、自宅で知的刺激を与えるにはどのような方法があるのでしょうか。また、その際の注意点とはどういったことでしょうか。お話を聞きました。

この記事のポイント

楽しみながら学ぶ! 知的好奇心を刺激する学びの杭打ち

子どもたちが主体的に勉強に向かっていけるようにするために大切なことは、承認・探究・学びの杭打ちのステップを踏むことです。

承認とは、目の前の子どもをありのままに認めること。探究は、子どもたちの興味を大切にし、その関心を耕す工程です。そして、学びの杭打ちとは、いわゆる教科の学習へもとつながるステップのことです。(詳細は、ガミガミ言わなくても勉強する子になる!子どもを「学び体質」にするのは、「承認」と2つのステップ

そして、学びの杭打ちは子どもの日常生活の中にちりばめていくことが重要です。勉強とは、問題集をガリガリ解いたり漢字の書き取り練習をしたりすることだけではありません。子どもの知的好奇心を喚起しながら、取り組める学びの種をご家庭の中にまいていくことが大切なのです。

勉強が好きになる家庭内での仕掛け

具体的に、家庭内での学びの杭打ちにはどのような方法があるのかをお伝えしていきましょう。

(1)ひらがな


私は、子どもたちにひらがなの書き取りの勉強をさせたことはありません。ドリルやノートに向かうのではなく、遊びながら子どもたちはひらがなを覚えていきました。
たとえば、通信教育の教材で、録音や再生機能がついているデジタル玩具を活用していました。そこに、子どもが大好きな言葉「アイス」や「おかし」などを録音、再生して遊ぶのです。さらに、「おしり」などの単語を入れると、子どもたちはゲラゲラ笑って、「自分もやりたい!」と興味を示すんですよね。

最初は保護者のかたと一緒に遊ぶのですが、そのうちに子どもが一人でも遊ぶようになります。楽しさがわかれば、子どもたちは夢中になって打ち込みます。紙に何度も書き取りをするような取り組みだけが学習ではありません。

(2)都道府県


都道府県の学習は、小学4年生で出てきます。しかし、その段階になって初めて触れるようですと、単に「都道府県を丸暗記する勉強」になってしまう可能性が高いです。そうなれば、あまりおもしろい学びにはなりませんよね。

学校で習う以前に、都道府県の場所や特徴に触れておくことがおすすめです。たとえば、ご自宅に日本地図を貼っているご家庭は多いですよね。こちらを「貼ってあるだけ」にせず、徹底的に活用しましょう。

旅行に行ったらその場所に丸を付けてみる、テレビのニュースで県名が出てきたらチェックをするなどすると、各都道府県が身近になっていきます。さらに、「今、テレビに映っているのは熊本県だね。熊本県は九州だったよね」など学びを結びつけていくような声かけをすることでお子さまの知識が体系立てたものとなっていきます。

(3)英単語


英語に触れさせたいと思ったら、英単語とイラストが描いてあるようなカードを使って、お子さまと「レストランごっご」をして遊ぶことがおすすめです。カードを見ながら、「Can I have a cake?」などオーダーをし、レストランでの注文風景を再現するのです。

保護者のかたが英語が堪能である必要はありません。「cake」の部分をさまざまなメニューに変えればよく、掛け合いのパターンは同じでもよいのです。

戦略的知的刺激を仕掛けるうえでの注意点とは?

今回お伝えしてきたことは、お子さまに戦略的知的刺激を与える方法です。こうした仕掛けをご家庭の随所にちりばめてほしいのですが、実施するうえで気をつけてほしいことが大きく3点あります。

(1)「いつか芽が出る」というスタンスで待つ


戦略的知的刺激の仕掛けは、効果測定をしないでやり続けることが非常に重要です。「覚えたかチェックしよう」や「できるようになった?」などと、効果を測りたくなってしまいます。しかし、そこはグッとこらえてください。

子どもたちは自ら育つ力を持っています。芽は、自分のタイミングで必ず出ますから、仕掛けをしたら、ほったらかすことが重要なのです。

(2)「too much」に与えることはNG


「家庭に知的刺激をちりばめておいてください」とお伝えすると、図鑑一式ドカンと揃えるような保護者のかたがいます。

しかし、これはあまりよい方法ではないと思っています。まずは、図鑑は1冊からスタートして、子どもが「爬虫類の図鑑も気になるな」「魚の図鑑も見てみたいな」と興味を持ったら買い足していくようなペースがちょうどよいでしょう。

たとえば、好きな食べ物でも大鍋いっぱい分出されたら、「そんなには食べられない……」「もうしばらく食べなくていいかも」という気持ちになりませんか? 書籍などは親族からプレゼントされるケースも多いですが、お子さまに渡すペースには配慮していけるとよいですね。

(3)置いてあるだけではなく一緒に遊ぶ


絵本や地球儀などを置いているご家庭は多いでしょう。しかし、「ただ置いているだけ」では子どもは自分から手を伸ばそうとはしません。保護者のかたと遊んで「楽しかった」という体験を積むことで、自分でも遊んでみようという気持ちになるのです。そのため、最初のうちは何回か保護者も一緒に遊ぶようにしましょう。

まとめ & 実践 TIPS

ご家庭で戦略的に知的刺激を与えることで、勉強への抵抗感をなくしていくことができます。今回は、「ひらがな」「都道府県」「英単語」のご家庭での学習方法を挙げましたが、他にも無数にあります。
期待しすぎず、与えすぎず、気をつけながら、お子さまとまずは遊んでみるよう心がけて学びの杭を打っていきましょう。そうすることで、子どもたちは自ら学ぶ姿勢を身に付けていくことができるのです。

プロフィール


岩田かおり

株式会社ママプロジェクトJapan 代表取締役
第一子、第二子をお受験塾に入れずに都内の国立小学校に合格。幼児教室勤務、そろばん教室の運営を経て、「子どもを勉強好きに育てたい!」の想いから、独自の教育法を開発。「学び体質に育てる」と「親子関係」を大切にし、子育てする家族を応援するガミガミ言わず勉強好きで知的な子どもを育てる作戦『かおりメソッド』を全国へ展開中。(株)リクルートでの企業講座では満足度100%実績あり。PHPすくすく子育て、雑誌VERY掲載、ウェブDomani、ラジオ出演などメディアでも活躍中。3人(1男2女)のママ

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