幼児期におすすめ!非認知スキルを高める遊びって?

近年、注目されている「非認知スキル」。社会情動的スキルとも言われ、その定義はさまざまありますが、<目標の達成><他者との協働><情動の制御>に関わるようなスキルを指します。今回は幼児教育とデジタルメディアの関わりを長年研究されている、愛知淑徳大学の佐藤朝美先生にお話をお伺いし、幼児期におすすめの非認知スキルを伸ばす遊びをご紹介します。

この記事のポイント

非認知スキルって何? どうして必要なの?

非認知スキル(社会情動的スキルとも言います)にはさまざまな定義がありますが、<目標に向かって諦めないこと>や、<相手の立場に立って物事を考えられること>、<人と一緒に協力しながら達成する喜びを知っていること>などを指します。これらのスキルの高い子どもは、非認知スキルの低い子どもと比べ、現代の社会において成功した人生を歩む(将来仕事と家庭を持ち、犯罪を起こさず、人生の成功を収める傾向が高い)というアメリカの研究結果もあります[1]。

こうした研究結果を見ても、非認知スキルは、子どもたちが社会を生きていくうえで、必要なチカラだと言えるのではないでしょうか。このスキルは長い期間をかけて育成することで効果が持続していくこともわかっていますので、幼児期から伸ばしてあげたいですね。では、どんな体験がお子さんの非認知スキルを伸ばすのでしょうか?

[1] ジェームズ・J・ヘックマン (著), 古草 秀子 (翻訳)(2015)「幼児教育の経済学」東洋経済新報社

非認知スキルをはぐくむ絵本の読み聞かせ

実は、ご家庭内ですぐに取り組める、非認知スキルをはぐくむ遊びがあります。それは「絵本の読み聞かせ」です。子どもにとって絵本とは、物語や作者が伝えたいメッセージの中から、価値観や文化、現実の社会へどう参加したらよいのか、などを学ばせてくれる大変素晴らしいツールです。たとえば、「友達とけんかをしたら謝る」という身近なことから、「弱いものを守り、悪いものを正す」というような実体験では学びづらいことまで、絵本の世界でなら子どもに伝えることができます。保護者がうまく教えられないこと、子ども自身では見つけづらいことも絵本の中でなら可能になるのです。

OECD(経済協力開発機構)の解説書には、「家庭は、特に幼児期の間、子どもの社会情動的発達の形成において極めて大きな役割を果たす」と説明されています[2]。親子のやりとりは、親子の間に強い感情的な結びつきをもたらし、これが子どもの社会的スキル及び情緒的安定性を形成するのに役立つのです。

そこでいつもの読み聞かせに一工夫。絵本を読んだあとは、ぜひ親子で絵本について語り合ってみてください。たとえば、お友達とけんかをする絵本を読んだときには、「けんかをしたら悔しいけど、お友達のことを叩いたらいけないよね」など、保護者の気持ちを伝えられるよい機会でもあります。こうした話しあいの時間が親子関係を築き、非認知スキルをより伸ばしていくのです。

[2] 経済協力開発機構(OECD) (著)他(2018)「社会情動的スキル——学びに向かう力」明石書店

絵本が苦手なお子さんは、デジタル絵本から始めてみよう

絵本があまり好きではないお子さんもいると思います。集中して最後までお話を聞けなかったり、好きなページしか見なかったり……。そんなお子さんにはデジタル絵本から始めてみてはいかがでしょうか? デジタル絵本は楽しい音や動きで物語の世界に入りやすく、また、自分の動きに対して反応があるようなインタラクティブなものも多数あります。紙の絵本に集中できないお子さんも、デジタル絵本なら最後まで楽しく取り組めるかもしれません。

まとめ & 実践 TIPS

幼児期から伸ばしてあげたい非認知スキルは、親子の関わりの中ではぐくむことができます。おすすめは絵本の読み聞かせ。物語を通じて社会性や人とのやりとりを学ぶことができます。そしていつもの読み聞かせのあとには、ぜひ一工夫を。親子で話し合う時間を持って、非認知スキルをさらに伸ばしてあげましょう。

プロフィール

佐藤朝美(さとう・ともみ)

愛知淑徳大学人間情報学部准教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程、情報学環助教、東海学院大学子ども発達学科を経て現職。教育工学、幼児教育、家族内コミュニケーション、学習環境デザインに関わる研究に従事。日本子ども学会(理事)。オンラインコミュニティ「親子de物語」で第5回、「未来の君に贈るビデオレター作成ワークショップ」で第8回、「家族対話を促すファミリー・ポートフォリオ」で第11回キッズデザイン賞を受賞。

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