学校の先生から電話がかかってくる理由や対応法は?保護者から電話をかける場合の注意点も

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学校の先生との電話は、かかってくる場合も、かける場合も少し身構えてしまうものです。どのように対応すればいいのか迷うこともあるのではないでしょうか。

学校の先生から電話がかかってくる理由から必要な対応、保護者から先生に電話をかける際の注意点について、公立小学校の教員を20年近く務めた経験を持つ、ベネッセ教育総合研究所 教育イノベーションセンター・庄子寛之主任研究員に聞きました。

この記事のポイント

学校の先生から電話がかかってくる理由と対応法

先生が保護者に電話をかけるのは、基本的には急を要する場合に限られます。
急ぎではない場合は、連絡帳やその他のツールが用いられます。
では、具体的にどのようなケースがあるのでしょうか。主な3つのケースと、それぞれの対応のポイントを紹介します。

1. 学校を休んでいる際の状況確認
連続して何日か欠席している場合などは、先生から「様子はいかがですか?」と確認の電話が入ることがあります。病院への受診の結果や、医師に聞いた回復の見込みなどを伝えられるようにするといいですね。先生も状況を把握しやすくなります。

また、欠席中の配布物の受け取りについて確認がある場合もあるため、手元に準備しておけるといいですね。

2. 体調不良やケガの連絡 登校後に体調不良を訴えたり、ケガをしたりした場合にも電話連絡があります。まずは状況をしっかりと聞いたうえで、お迎えや医療機関の受診など必要な対応を相談しましょう。

お迎えが必要な場合は、お迎え時間の目安を伝えると、先生も対応しやすくなります。

3. トラブルの連絡
友達どうしのケンカやもめ事といったことから、給食をひっくり返して服が汚れたといったアクシデントまで、トラブルがあった際にも電話連絡があります。友達どうしのトラブルなどは、昔であれば緊急連絡網を使って保護者どうしで連絡を取り合っていたことが多いものでした。しかし、最近では個人情報保護の観点から連絡網がないため、先生が双方の保護者と連絡を取るケースが増えています。

このような場合、まずは、冷静に事実を確認することが大切です。トラブルを耳にすると、動揺したり、つい感情的な反応をしてしまったりすることもあるもの。「先生はそう言うけど、うちの子はこう言っていたけどな……」と思うこともあるかもしれません。ただ、感情的になるとこじれやすくなります。まずは、深呼吸をして気持ちを落ち着かせて、先生の話を最後まで聞きましょう。そのうえで、どんな対応が必要かを先生と相談できるといいです。また、事実がわからないことに対しては憶測で話をせずに「子どもに聞いて確認します」と伝えるのがいいでしょう。

場合によっては、電話で完結させるのではなく、対面で相談する時間をとってもらえるようにお願いしてもいいですね。

上記以外にも、先生によっては、表彰や、学校でのよい行動を電話で直接連絡してくれる場合もあります。ただ、急を要するものではないことや、共働きの増加や、電話以外のツールの活用も増えてきたことから、電話以外の方法をとられることが多いでしょう。

電話に出られなかったら折り返しを

仕事中などで先生からの電話に出られなかった場合は、なるべく早めに折り返しましょう。
電話があるということは、緊急度が高い連絡である可能性があります。先生もなるべく早く伝えたいと気にかけているものなので、速やかに対応することが大切です。

また、留守番電話の設定も行っておけるといいですね。必要に応じて、先生もメッセージを残しておいてくれるはずです。

保護者から電話をかける時に心がけたいこと

緊急の要件や、連絡帳では伝えづらい内容があった時に、保護者から先生に電話連絡をすることもあるでしょう。保護者も先生も忙しい中での連絡となるため、次のような点に注意しておくといいですね。

・今、電話で伝えるべき内容かと考える
先生から電話がある際も、急を要する案件に限られるのと同様、保護者から電話をする際も、急を要するケースのみにとどめておくのがベストです。悩み事や相談事であれば、事前に連絡帳などで相談を入れておくほうがスムーズに進むことも。先生も内容に応じた準備ができるため、結果としてよい相談ができます。

保護者が先生から電話があると緊張するように、先生も保護者からの予期せぬ電話にはドキッとするものです。だからこそ「これは今電話するのがベストなのか?」と考えられるといいですね。もちろん、緊急の場合はすぐに電話をして問題ありません。

・事実を簡潔に伝える
連絡をする際は事実をできるだけ簡潔でわかりやすく伝えることを意識してください。大切なのは「内容が正しく伝わる」ことです。事実と感情を交ぜて話すと伝わりづらくなるので要注意。感情ではなく、事実を明確に伝えると、先生も対応しやすくなります。

担任の先生について相談したい場合

お子さまが担任の先生に苦手意識を持っているなど、担任の先生に直接話しづらいこともあるかもしれません。

こういった場合には、副校長などの管理職の先生に相談してみるのもいいでしょう。この場合も、一方的なクレームや批判に受け取られないようにしたいものです。客観的な事実を伝えたうえで、改善策を相談する、というスタンスをとれるといいですね。

まとめ & 実践 TIPS

電話は、かけるほうも、受けるほうも少し身構えてしまうものです。
保護者のかたから学校に電話をする場合は急を要する場合のみにとどめ、電話以外のツールで代用できる場合はそうできるといいですね。電話は強制的に相手の手を止めさせるものであるからこそ、お互いに簡潔に事実を確認し、必要な情報を的確に伝えることを意識することが大切です。さまざまなツールが発達しているからこそ、「電話で行うことは何か」を意識した対応ができるといいですね。

プロフィール


庄子寛之

元公立小学校指導教諭。大学院にて臨床心理学について学び、道徳教育や人を動かす心理を専門とする。「先生の先生」として、ベネッセの最新データを使いながら教育委員会や学校向けに研修を行ったり、保護者や一般向けに子育て講演を行ったりしている。研修・講演は500回以上。講師として直接指導した教育関係者は1万5000人に及ぶ。全国の学校が休校していた2020年のコロナ禍に、これからの教育について考えるオンラインイベントを企画し、世界中の教育関係者を2000名以上集め、話題を呼ぶ。子ども教育のプロとして、NHK「おはよう日本」や朝日新聞、毎日新聞などのメディアなどにも取り上げられ、一躍有名になる。また、ラクロスの指導者としての顔も持ち、東京学芸大学女子ラクロス部監督、U-21女子日本代表監督、U-19女子日本代表監督を歴任。「教師」×「指導者」として、一貫して「自分で行動できる子ども・選手」の育成を実践している。著書に『自分で考えて学ぶ子に育つ声かけの正解』(ダイヤモンド社)など多数。

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