子どもへの影響をどう見極める?優良なデジタルコンテンツの見つけ方【専門家に聞く第5回目】

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コロナで在宅を余儀なくされ、お子さんにスマートフォン(スマホ)やタブレットを触らせる機会が増えたというおうちのかたが増えています。忙しい時には助かる反面、小さいお子さんの場合は発達への影響が気になりますよね。そこで、幼児教育とデジタルメディアの関わりを長年研究されている、愛知淑徳大学の佐藤朝美先生にお話を伺いました。デジタルがもたらすメリット・デメリットや注意点について、全10回のテーマに分けてお届けします。今回のテーマは、優良なデジタルコンテンツとそうではないものの上手な見分け方についてです。

この記事のポイント

子どもにとって良いデジタルコンテンツとは?

お子さんに見せる動画やアプリをどのように選んでいますか? おうちのかたが知らないうちに、お子さん自身が好きなものを選んで見ているという場合もあるかもしれません。しかし、絵本やおもちゃを選ぶのと同様に、どのようなデジタルコンテンツに接するか考えることも大切です。
米NPOコモン・センス・メディアでは、保護者や教育者向けに、“対象年齢、品質、学びにつながるか、遊びやすさ、アプリ内課金があるか、プライバシー、暴力的でない”等について多くのデジタルコンテンツの評価を行っています。そこで今回は、発達に合った優良なコンテンツを見極めるためのポイントをご紹介します。

参照:https://www.commonsensemedia.org/

配信元を確認してみる

たとえばスマホアプリの場合は、配信元が信頼できるものかどうか確認するようにしましょう。幼児向け知育をテーマにうたっているものでも、発達を正しく理解しているかの観点が違っている場合があります。配信元がどのようなポリシーなのか、他にどのようなアプリを提供しているのかを見ることが、選択の判断のヒントになります。
ゲーム的要素が強く、お子さんが何時間でも遊び(視聴)続けてしまうようなコンテンツは注意したほうが良いかもしれません。ふつう幼児期の子どもは、たとえどれだけ好きなおもちゃでも、そう長くは遊び続けていられません。しかし、延々と目が離せずにいられるということは、気を引くための強い刺激が散りばめられているコンテンツである可能性もあります。「子どもが夢中になって一人で遊べるから良いコンテンツだ」と判断するのではなく、お子さんの中で疲労感が蓄積したり、神経がたかぶったりしていないかをよく観察するようにしてください。

参加型で自己表現を促すコンテンツがおすすめ

Youtubeのような視聴するコンテンツ(受動的メディア)が多くの時間を占めるようであれば、お子さんに対する呼びかけがあったり、歌う・踊る・工作するといった工夫が含まれていたりする参加型のコンテンツを選ぶのがおすすめです。デジタルは上手に活用すれば、お子さんのクリエーティブな面を引き出してくれる最適な玩具にもなりますので、ぜひ興味に合ったものを見つけてあげてください。もしお子さんが途中で飽きてしまっても、幼児のそれは健全な証拠です。すぐ飽きる絵本やおもちゃはよくないと断定できないのと同じように、長く集中しないものでも優良なデジタルコンテンツはあるのです。

まとめ & 実践 TIPS

幼児期は遊びながら多くのことを学んでいきますので、お子さんの興味をうまく引き出してくれるコンテンツや、自己表現を促すコンテンツを選んであげると良いでしょう。長時間ずっと遊び(視聴)続けてしまうような場合は、刺激が強過ぎる可能性がありますので、注意が必要です。お子さんの様子をよく観察し、登場するキャラクターが好きなのか、物語に没頭しているのか、ゲーム性を楽しんでいるのかなどを把握することで、お子さんの発達に合ったコンテンツかどうか見極めるようにしましょう。

プロフィール



愛知淑徳大学人間情報学部准教授。東京大学大学院学際情報学府博士課程、情報学環助教、東海学院大学子ども発達学科を経て現職。教育工学、幼児教育、家族内コミュニケーション、学習環境デザインに関わる研究に従事。日本子ども学会(理事)。オンラインコミュニティ「親子de物語」で第5回、「未来の君に贈るビデオレター作成ワークショップ」で第8回、「家族対話を促すファミリー・ポートフォリオ」で第11回キッズデザイン賞を受賞。

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