新型コロナの消毒、安全のためのポイントは?

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新型コロナウイルスに感染しないために、密集、密閉、密接の「3密」を避けたり、手洗いを入念にしたりするなど、「新しい生活様式」が、徐々に定着してきました。消毒や除菌の効果のある、さまざまな製品も出回るようになっています。目的に合った方法で、適切に使用したいものです。

この記事のポイント

「除菌」も万能ではない

消毒剤や除菌剤が入手しやすくなってきましたが、さまざまな表示があり、選ぶのに迷います。
厚生労働省のホームページ(HP)によると、「消毒」とは、菌やウイルスを無毒化することを言います。「医薬品・医薬部外品」の製品に記されています。
一方、「除菌」とは、菌やウイルスの数を減らすことで、「医薬品・医薬部外品」以外の製品に記されることが多い、としています。実際には、細菌やウイルスを無毒化できる製品もあります。
厚労省のHPでは、消毒剤や除菌剤が、すべてのウイルスに効果があるわけではなく、新型コロナに有効な製品は一部であること、使用方法や使用期限などを確認して使用することを促しています。
これに対して「滅菌」は、すべての微生物を対象として、すべてを殺してしまう方法で、医療機器などに用いられます。

アルコール消毒液は引火事故に注意

厚労省によると、手指のウイルス対策としては、手洗いと、アルコール消毒液が有効だとしています。
注意したいのは、アルコール消毒液の取り扱いです。消防法上では、濃度60%以上の製品は「危険物」に該当し、扱い方を間違えると、火災などを引き起こす恐れがあります。
東京消防庁は、消毒用アルコールの取り扱いについて▽コンロなどの火元の近くでは使わない▽詰め替えを行う場所では換気する▽直射日光が当たる場所では保管しない……と注意を促しています。
時折、アルコール消毒液を、消臭芳香剤のようにボトルに入れて、スプレーしている人を見かけます。場所によっては、大変危険な行為だと言わざるを得ないでしょう。

学校の清掃、子どもも消毒が可能に

学校の衛生管理マニュアルが、8月に更新されました。学校の清掃活動で、子どもたちが消毒を行うことも認めています。具体的には、▽床は通常の清掃活動の範囲内で対応し、特別な消毒は不要▽机や椅子も、特別な消毒は不要で、家庭用洗剤等を用いた拭き掃除をする▽大勢がよく手を触れる箇所は、1日1回、消毒をする▽清掃用具など、共用のものの使用前後には、手洗いをする……などとしています。

まとめ & 実践 TIPS

手指やモノの消毒が不可欠な時期だからこそ、使用する消毒液や除菌剤の取り扱いは、思い込みではなく、表示や使用法をよく読み、安全に使いたいものです。子どもたちが学校で清掃の一環として消毒を行う際にも、消毒液や洗剤などの正しい使い方を伝えたうえで、安全で適正な使用ができるようにしたいものです。

(筆者:長尾康子)

※厚生労働省 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について(厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページ)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html

※文部科学省 学校における新型コロナウイルス感染症に関する衛生管理マニュアル~「学校の新しい生活様式」~
https://www.mext.go.jp/a_menu/coronavirus/mext_00029.html

プロフィール


長尾康子

東京生まれ。1995年中央大学文学研究科修了。大手学習塾で保育雑誌の編集者、教育専門紙「日本教育新聞」記者を経て、2001年よりフリー。教育系サイト、教師用雑誌を中心にした記事執筆、書籍編集を手がける。

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