短い夏休み、子どもの友だち関係について、家庭はどんな心構えをする?

今年の夏休みは、短くなる地域がほとんどでしょう。帰省や旅行はしづらいし、部活動もなく、イベントが少ない夏休み。家庭ではどんな心構えで、この夏休みを迎えたらよいでしょうか。東京都立大学人文社会学部准教授の酒井厚先生に伺いました。

この記事のポイント

夏休みは、普段できなかったことをする時間

夏休みが短いということ、子どもたちは残念がっていますよね。中学生・高校生になれば、それもしかたない、と思っている子もいるかもしれませんが、部活動ができないということも含めて、いろいろな意味で残念がっていると思います。

では、夏休みの意味って、なんでしょうか? 普段、やりたかったことができる時間だと思います。それが従来通りできないのですから、まずは「やりたいことをする時間」をどこかで確保してあげてほしいです。

子どもたちには、一緒に考えたり学んだりする友達が必要

やりたいことができない、部活などに打ち込めないのは、ものたりない生活でしょう。でも、多くの子どもには、いろいろな状況に対応していく力があると思っています。そうしたとき、ひとりでその状況に対応していくのではなく、一緒に考えたり学んだりしていくパートナーが必要です。それが友達なんです。

小学生だと多くの場合は、近所に住んでいるでしょうから、近くの公園で安全に遊べるように考えてほしいです。これはステイホーム期間中でも少しはやっていたことだとは思います。

中学生・高校生になると、オンラインでコミュニケーションを何人かでとることも、うまくやっていけると思います。

夏休みが短いからこそ、友達との時間を大人が確保してあげて

大人が、そういう子ども同士が関われる環境を設定してあげるときに、気をつけたいのは、子どもにとっては遊びが大切で、一緒に遊ぶ友達が大切ということを念頭に置くこと。大人が介入しないで、子どもたちだけで関わることが、成長には必要なんです。

子ども同士が関われる機会があれば、その中で子どもたち同士関わり合いながら、自分たちで一生懸命考えて、自然と人間関係について学んでいくものです。

短い夏休みの中で、遅れている勉強を取り戻させようという大人の気持ちはよくわかります。しかし、大人がそればかりを優先的に考えすぎると、友達と関わる機会はますます作りづらくなってしまいます。子どもたちが失われたのは、彼らだけで関わる時間であることも理解してあげてほしいです。そのうえで、家庭で、近所の親同士で、なんとかその時間を確保することを考えてあげましょう。

まとめ & 実践 TIPS

夏休みは「普段できないことをする時間」。短い夏休みの間に、大人は<子どもには一緒に遊ぶ友達が大切ということを念頭に置く>、<子どもたちだけで関わる時間を確保してあげる>ことを大切に考えましょう。

プロフィール

酒井 厚

酒井 厚

東京都立大学 人文社会学部 准教授
早稲田大学人間科学部、同大学人間科学研究科満期退学後、山梨大学教育人間科学部を経て、現在は東京都立大学人文社会学部准教授。主著に『対人的信頼感の発達:児童期から青年期へ』(川島書店)、『ダニーディン 子どもの健康と発達に関する長期追跡研究-ニュージーランドの1000人・20年にわたる調査から-』(翻訳,明石書店)、『Interpersonal trust during childhood and adolescence』(共著,Cambridge University Press)などがある。

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