“ウィズコロナ”の時代に、子どもの友だち関係はどう変わっていくの?

学校は再開したけれど分散登校だったり、マスクしていて友達の表情が良く見えなかったりと、学校での友達関係作りが変化する中、家庭ではどんなサポートが必要となるでしょう。都立大学 人文社会学部 准教授、酒井厚先生に伺いました。

この記事のポイント

集団での友達作りは、焦らなくても大丈夫

これまでは、班活動や部活動などの中で、子ども同士は気の合う友達を見つけて、集団を作ってきました。でも、分散登校を含めて、こうした機会が制限されていることから、子ども同士で集団がうまく作れなくなるということが心配です。集団を作るということは、社会性の発達という面で、とても大切なことだからです。

ただ、それも、時間がずれただけともいえるかもしれません。4月からではなくても、学校が再開した時点から作っていけばよいことなので、そんなに心配することはないでしょう。スタートが遅れたから、友達との関係性がすごく変わってしまうかというと、それはあまりないのではと思います。

もしかしたら、気の合う友達がたまたま分散登校のグループにいなかったために、学校への適応ができなくなった、ということが、あとから考えると出てくるかもしれません。それでもコミュニケーションをとる方法をお互い模索して、うまくやっていく力を子どもたちは持っています。スタートが遅れたからといって、焦らなくてよいと思います。

学校は、「いろいろな人がいるんだ」と学ぶ場。そこを家庭が肩代りするには?

子どもたち自身も、友達がなかなかできないことについて焦っているかもしれませんが、そのことを保護者は受け入れてあげてほしいです。もし、子どもがそのことで焦っているようなら、「焦らなくていいんだよ」ということを伝えてあげてください。

意識して大切にしたいのは「子どもたちだけの世界」

学校で大事なのは何なのかといえば、まずは勉強だと、大人は考えるでしょう。それと同じくらい、子どもにとって大切なのは、「子どもたちだけの世界」を作るということです。今の学校の状況で何が問題かと言えば、子どもたちだけの世界が作りにくいということ。それを作ってあげるのも保護者の役割だと思います。大変ですけどね。

これは、1人の子の親だけががんばってできることでもありません。親同士でネットワークがある場合には、子どもたちだけで会って遊べるような環境を作ってほしいです。そのためにも、まずは我が子がどういう友達と仲が良いのか、をさりげなく知っておくことは大事です。

もしかしたら、これまで大人たちは、「子どもたちだけの世界」をそれほど尊重してこなかったのかもしれません。学校の中でなんとかしているでしょ、というくらいに思っていたかもしれない。でも、そのことについて、家庭でもサポートしていくということが、この時代の子どもの友達作りに関しては大事なポイントとなります。

まとめ & 実践 TIPS

集団での友達作りの中で、子どもは成長します。今年は集団生活のスタートが遅れていますが、<友達作りのスタートが遅れても焦らないこと>が大切。また、子どもたちが成長するためには、<大人が、「子どもたちだけの世界」を尊重する>ことを忘れないようにしましょう。

プロフィール

酒井 厚

酒井 厚

東京都立大学 人文社会学部 准教授
早稲田大学人間科学部、同大学人間科学研究科満期退学後、山梨大学教育人間科学部を経て、現在は東京都立大学人文社会学部准教授。主著に『対人的信頼感の発達:児童期から青年期へ』(川島書店)、『ダニーディン 子どもの健康と発達に関する長期追跡研究-ニュージーランドの1000人・20年にわたる調査から-』(翻訳,明石書店)、『Interpersonal trust during childhood and adolescence』(共著,Cambridge University Press)などがある。

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