忙しくても大丈夫!完璧でなく、ほどほど子育てのすすめ

子どもにしっかり手をかけることが、よい子育て。そんなイメージに、プレッシャーを感じたり、時間がないことに悩んだり。けれど、完璧ではなく「ほどほど子育て」でよいのだといいます。お茶の水女子大学名誉教授・内田伸子先生にお話をうかがいました。

子どもにたくさん働きかけることが、子どもを伸ばすとは限らない

お子さんのそばに寄り添い関わることがよい子育てというイメージがありますよね。実はそうとはいいきれないのです。

子育てに時間を割けないことに罪悪感を感じているおうちのかたが増えているようです。しかしたくさん子どもに働きかけた方が、働きかけが少ないおうちのかたより親子関係が良好とは限らないので安心してください。例えば、お子さんが集中して遊んでいるときに、「こうした方がいい」「この遊びも楽しいよ」など、多くの横やりを入れられたお子さんはどうなるでしょう。せっかくの遊びが中断してしまったり、複数の課題をこなさなければいけなくなり、混乱してしまうかもしれません。

一方、ほとんど言葉かけはしないけど、子どものすることをそばで静かに見守ることが多い、というおうちのかたのケースを考えてみましょう。子どもが「見て!」などと反応を求めてきたときだけ「すごいね!」「すてきね」と関わった場合は、お子さんの遊びを邪魔することがないのです。おうちのかたが子どもの近くにいて遊びを見守り、子どもが求めてきたときに反応を示す、といった「少し後ろから見守る」関わりで、子どもの探究遊びを保証することができます。

子どもが困っているときはフォローが必要

お子さんが遊んでいるときに横やりを入れないほうがいいものの、関わっていただきたいポイントもあるのです。

お子さんがじっくり遊び込むためには、遊びを邪魔しないことが大切ですが、勝手に遊ばせておけばよいということではありません。お子さんが関心をもったことに取り組みやすいように環境を整えたり、使いやすいようにおもちゃを準備したり。そうすることで、お子さんは集中して遊ぶことができるでしょう。

また、うまくいかず投げ出してしまいそうなときがあるはず。そのようなときは、手助けが必要です。おうちのかたにフォローしてもらうことで、最後まで取り組むことができるのです。

毎日1時間など、家事も仕事も放り出して、子どもの隣でべったり遊びを見守る必要はありません。子育ては、濃く関わった時間が大切。1日5分や10分でもよいので、子どもの気持ちに敏感に気づいて反応してあげることをおすすめします。

子どもの様子を見てうまく反応すれば、お子さんは喜び、おうちのかたへの愛着や信頼感がいっそう深まるでしょう。そうすると、子育てもより楽しくなります。限られた時間で構いませんから、お子さんとの遊びを一緒に楽しんでみてください。

いかがでしたか?完璧でなく「ほどほど子育て」。肩の力を抜いて、子どもとの時間を楽しいものにできるいいですね。

イラスト/市川彰子
取材:こどもちゃれんじ

プロフィール


内田伸子

IPU・環太平洋大学教授・お茶の水 女子大学名誉教授・十文字学園女子 大学名誉教授・福岡女学院大学大学 院客員教授。学術博士。専門は発達 心理学、認知心理学。NHK Eテレの コメンテーター、子どもの絵本や映像の監修などで活躍する。

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