週に1回からはじめる、賢い「作りおき」テクニック
小さなお子さまがいる家庭では、毎日の食事に手を焼いているという保護者のかたも多いのではないでしょうか。とくに、離乳食が終わり、お子さまが幼児食を食べるようになると、大人のおかずとの作り分けが大変というご家庭もあるかと思います。
『はじめてママとパパでもかんたん1歳半~5歳 子どもと食べたい作りおきおかず』(世界文化社)の著者で、管理栄養士の中村美穂さんは、この時期のお子さまがいるご家庭では大人も子どもも食べられるおかずの作りおきがおすすめだといいます。今回は、無理のない作りおきのコツについて伺いました。
まずは1度に4品から、作りおきおかずをスタート
作りおきおかずは、たくさん作っておけばそれだけ便利ですが、無理をするとパンクしてしまい、続かないもの。
「これから作りおきをはじめてみたい」「一度はやってみたけど続かなかった」という人は、まずは1週間に1回、作りおきおかずを作る日を決めて4品ほどおかずを作っておき、大人はお刺身やお惣菜を足したり、お子さまはトマトやきゅうりを切っただけの副菜を足したりして、ルーティン化するのがおすすめです。手間のかかる料理ではなくても、野菜をゆでるだけの作り置きも、アレンジしやすく時短になります。
買ってきたお惣菜や、途中で作り足す作りおきおかずを入れるなどしているうちに、だんだんご家庭にあった1週間の流れができると思います。もちろん、最初の4品を作る曜日や、作り足すおかずを作る曜日は、ご家庭によって異なるので、作る人の負担にならないよう、時間を決めて作れるといいですね。
幼児期に食べておきたい「豆」
作りおきおかずにぜひ加えてほしいのが、乾物や豆などのそれ自体が常備できる保存性の高い食材です。特に豆は、小学校の給食で小学校の給食でも苦手とするお子様が多い食べ物でもあります。
ですが、豆は、未来のタンパク源ともいわれるほど栄養豊かで、日本の食生活には欠かせないもの。幼児にとっては好きな味なので、幼児食として豆を使ったサラダや煮豆を食べておくと、小学校からの食生活もうんと豊かになるでしょう。出来合いの煮豆は、甘すぎたりしょっぱすぎたりして食べにくいので、手作りがおすすめ。まとめてゆでで保存袋に小分けし、冷凍すると便利です。
大人が食べて味が薄い場合は、食べるときに大人の分だけ味を足します。
毎日の食事作りも作りおきも、お子さまが食べてくれないと、心から心配で不安になってしまうもの。食べられるものが少ないお子さまは、まずは好きなものを食べるだけでもいいのです。その好きなものに、野菜や豆など必要な栄養素を補える食材を混ぜ込むなどして、少しずつ食べられるものを増やしていけるといいですね。
しばらく続けていくと、家族の好みや人気のおかずもわかってきて、それが「家庭の味」として、お子さまの記憶にも残ることでしょう。
(プロフィール)
中村 美穂
管理栄養士、フードコーディネーター。2児の母。保育園栄養士として乳幼児の給食作りや食育活動、食事相談などを手がけ、2009年に独立。料理教室「おいしい楽しい食時間」を主催するほか、栄養講習会への登壇、雑誌・広告などのレシピ提供やスタイリングなど幅広く活動。著書に『発達を促す子どもごはん』(日東書院)、『3歳からのからだを作るおべんとう』(赤ちゃんとママ社)などがある。
***書籍紹介***
「毎日ごはんを作る時間がない」「でも、栄養のあるものを食べさせたい! 」そんな悩みを解消するのが本書。
忙しいママやパパを救う、子どもと食べる作りおきレシピ集です。1歳半~5歳児の成長に必要な栄養がたっぷりで、作りおきしておいしいおかずを集めました。
スキマ時間を利用して作っておけば、食べるときはチンするだけ&盛るだけ。子どもの「お腹すいたー」にも、手作りのおかずですぐに応えられます。
メニューは、子どもが野菜をよく食べる人気料理を厳選。大人が食べてもおいしい、ちょい足しアレンジも紹介しています。
役立ちコラムも満載です。・発達に合わせたスプーン、箸の持ち方 ・食べてくれないときの対処法・かまって攻撃への対策 ・栄養バランスのいい手抜きレパートリー
時間と心に余裕が生まれ、子どもとのごはんの時間が楽しくなる1冊です。