Google創業者や藤井聡太棋士を育んだ「モンテッソーリ・メソッド」って?
GoogleやAmazonの創業者や藤井聡太棋士など、モンテッソーリ・メソッドで育った人の活躍が脚光を浴び、最近また注目を集めるようになりました。そこで、ご自身もモンテッソーリ教育を実践する園の教員で、『子どもの才能を伸ばす最高の方法 モンテッソーリ・メソッド』を上梓した堀田はるなさんにモンテッソーリ・メソッドの考え方について伺いました。
モンテッソーリの基本は「主体的に学ぶ子ども」と「サポートする大人」という姿勢
モンテッソーリ・メソッドとは、イタリア人の女性医師マリア・モンテッソーリによって1900年代初頭に開発されました。子どもの発達段階に応じてどんな関わりを必要としているのか、その子に合ったやり方で個別の対応をしていくというものです。子どもが自分自身を成長させようとするとき、大人がそれを最大限にサポートするというのが特徴です。
それは、大人が子どもの代わりにやってあげるということではなく、あくまでも子どもが主体となって取り組めるように、保護者のかたは環境を整えるというものです。
例えば、子どもがもう少しでできそうななにかに取り組んでいるとき、手を出さずに見守ってあげます。子どもの挑戦が限界を迎えたときには、頃合いを見計らって「お手伝いしようか?」と声をかけるといった塩梅です。
最近ではモンテッソーリ教育を受けた人材の活躍がメディアで取り上げられることが増え、園についても、さまざまな問い合わせをいただくことが増えました。例えば「モンテッソーリ・メソッドで育った子どもはどんな人に育ちますか?」とよく聞かれます。ただ、子どもの性格や環境もさまざまなため、当然ながら一概に「こんな子どもに育ちます」とお答えすることはできません。
しかし、子どもたちに共通する特徴は、以下のようなものであると私は思っています。
・多様性を受け入れる
・柔軟な発想ができる
・問題解決力が育っている
・穏やかで優しい
今こうしてモンテッソーリ・メソッドが注目を集めるようになったのは、これらの特徴が、文科省が推進している「主体的な学び」といった、これからの時代に必要とされている力でもあるからだと思います。
子どもに合っているかというよりは、ご家庭の考え方に合っているかが大事
モンテッソーリ・メソッドでは子どもが「自主的」にやろうとする意志を大切に育てます。子どもたちがそれぞれの発達に合わせて「自分で」できることを増やしていけるよう、大人は世話を焼き過ぎることなく、最小限のサポートをします。
モンテッソーリの幼稚園で教師をしていると、保護者のかたから「うちの子は、モンテッソーリの園に合っていると思いますか?」という質問もいただきます。
子どもの特性に合わせて関わり方や提供する活動を変えていますので、合う・合わないというのはあまりないと思っています。私自身は、お子さんというよりは、保護者のかたの考え方やスタンスに合っているかが重要だと考えています。
例えば、「うちの子、集中力がないんです」「頭がよくなると聞いて」と体験にいらっしゃるかたがいます。そのお子さまを見ていると、これまでにもいろいろなお教室にいかれて、(もしかしたら一方的に)活動を提供されることに飽きてしまっているように見えることがあります。自分からなにかを見つけて「楽しそう」「やってみたい」「触ってみたい」と感じる余裕もないのかもしれませんよね。
そういったお子さんの場合は、モンテッソーリの「子どもが主体」の生活に慣れるのには時間がかかることがあります。
ですから、「園ではこういうことをするので、お家でもこういうことをしてみてください」というお話をしています。お子さんの性格とは関係なしに、保護者のかたが、園の環境と自分の家の環境をなるべく地続きにするということを理解していただくことが大切だと思うのです。
棋士の藤井聡太八段(二冠(王位・棋聖))が、幼少時に受けていたことで注目を集めた、「モンテッソーリ・メソッド」。 本書では、東京・原宿で、約45年続いている伝統ある保育施設「モンテッソーリ原宿子供の家」の教師が、多くの親が知りたい「モンテッソーリ・メソッド」のすべてを、わかりやすく解説いたします。 |