「水」選びにもこだわって! 水分補給のポイントは「ミネラル」
脱水や熱中症予防のために、水分を摂ることが多くなる夏ですが、どんなものを飲むとより効果が高まるのでしょうか。ポイントは「ミネラル」にあるようです。小児科医で公衆衛生専門医の伊藤明子先生に、夏場の水分補給のポイントを伺いました。
熱中症対策、「水」のミネラル分に注目を!
夏に大量の汗をかくと、ミネラル分が汗と一緒に失われて、体の調整機能が働かなくなり、熱中症のリスクが高まります。
そのため、暑い夏に水分を摂る際は、ミネラルに注目して選ぶといいですね。
たとえば、水の場合は軟水よりもミネラル分が多い「硬水」がいいでしょう。飲みやすいのが特徴の軟水ですが、成分を硬水と比べてみると、ミネラルは硬水の方が数十倍含まれています。あるペットボトル入りの軟水のミネラル分が0.3mgなのに対して、硬水は30mg含まれているものもあります。また、マグネシウムも同様で、0.1~0.5mgの軟水と比べると、硬水では50mg含まれています。
※乳幼児の場合は上記の対象とはなりません。ご注意ください。
スポーツドリンクは糖分に注意!
ミネラル分が入っている飲み物といえば、スポーツドリンクを思い浮かべるかたが多いかもしれませんが、糖分が大量に含まれたスポーツドリンクは、飲みすぎると急性の糖尿病のような状態になってしまうことがあります。もちろん、風邪や吐き気・下痢などのときに飲むのは構いませんが、そのときに飲み始めて、習慣として飲むようにならないように注意したいところです。スポーツのあとに飲む際は、そのまま飲むのではなく、水で薄めて飲むのがいいですね。
また、熱中症対策の水分摂取というと、冷たい飲み物ばかりが注目されますが、塩分を摂取するという点でいうと、魔法瓶に薄めのコンソメスープを入れて持ち運ぶのもおすすめです。
日中、起きている時は意識して水分が摂れると思いますが、夜、就寝中でも熱中症は起こります。特に、赤ちゃんやお年寄り、痩せ型、ぽっちゃり体型の人は注意が必要です。枕元に水を置いておいて、夜間に目が覚めたときにこまめに飲むようにしてください。
夏場のエアコン、つけたまま寝ていてもOK?
クリニックにいらっしゃる患者さんから、就寝中にエアコンをつけっぱなしで寝ていいかという質問を受けることがよくあります。
そうした質問には、最新のエアコンで「おやすみモード」のような就寝中の自動調節機能がついている場合はつけたままで大丈夫ですよ、とお話ししています。古いタイプのエアコンで、風が直撃するような場合は、タイマーを設定して、夜通し直接風が当たらない工夫ができるといいですね。
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