子どもがお友達と仲良く遊べないときの対処法
お子さまがお友だちと仲良く遊べなかったとき、どのように対応したらよいでしょうか?お子さまの世界にも、「合う・合わない」といったことは存在します。しかし、どのお友だちとも仲良く遊べないと、これから幼稚園や保育園に入園するお子さまを持っている保護者は特に心配になってしまうでしょう。
そこで今回は、お子さまが仲良く遊べるようになるための対処法をご紹介します。
仲良く遊べないとどうなる?
お子さまがお友だちと仲良く遊べないと、どうなるのでしょうか?
◆お友だちが一緒に遊んでくれなくなり、集団での遊びが苦手になる
自己中心的な言動を見せることや拒否反応をしめすなどしてしまうと、はじめは合わせてくれていた周りの子も、次第にお子さまに近づかなくなるかもしれません。
そのような関わりから、お友だちに対して苦手意識が強くなり、お友だちと協力することに消極的になってしまったり、困った時にお友だちが助けてくれないなど、集団で遊ぶことが難しくなってしまうこともあるでしょう。こうなってしまった場合、幼稚園や保育園での生活が苦手になってしまう可能性もあります。
◆場合によってはお友だちにケガをさせてしまう心配も
仲良く遊べないと、他の子と衝突してしまうこともあります。場合によっては、お友だちにケガをさせてしまうこともあるでしょう。
例えば、おもちゃの取り合いになったときに、押したり噛んでしまう、ひっかいてしまうといったことが起きるかもしれません。お友だちにケガをさせてしまうと、相手のお友だちもお子さま自身も、とても傷つくことになります。
◆周囲から「しつけがなってない」と思われてしまう心配も
お子さまがお友だちと仲良く遊べないと、「家庭でのしつけがなってない」と周囲から思われることもあるでしょう。大人同士の関係がお子さまに直接影響するように、お子さま同士の関係も保護者同士の関係に影響してくるものです。
そのため、お子さまが他の子と仲良く遊べないことが原因で、幼稚園や保育園に居づらくなってしまうということがあるかもしれません。
このように、お子さまや保護者、みんなが嫌な思いをしないように、仲良く遊ぶにはどうしたらよいのでしょうか。
なぜ仲良く遊べないのか
では、なぜ仲良く遊べないのでしょうか。保護者はその理由を知り、お子さまの気持ちを理解することが大切です。
例えば、お子さま自身がおもちゃを取ってしまった、おもちゃを貸したくない、順番を守らないという場合と、お友だちのほうがおもちゃを貸してくれない、取った、順番を守らないという場合があります。
これらはどちらの場合も、まだ自分の気持ちをコントロールすることが難しく、正確に相手へ伝えることができないため、“取る”“叩く”などの行動に出てしまい、ケンカに発展してしまいがちです。
また、言葉で表現できるようになると、傷つくことを言ってしまった、反対にお友だちに言われたということもあるでしょう。これも感情のコントロールが難しく、相手を傷つけてしまうということには気づけないことで起こります。
どうしたらいいの?
◆保護者が一緒に遊んでお手本を見せる
順番が原因で仲良くできなかった場合は、順番を守るお手本を見せましょう。
「○○ちゃんの次は、●●くんね」と伝え、お子さまに「順番を待てば必ず遊べる」と教えてあげることが大切です。
また、もしもケンカをしてしまっても、謝ることの大切さを教えてあげられる機会ですので、保護者も一緒に謝ってあげるようにしましょう。その際、ケンカの理由を聞かず、頭ごなしに「仲良くしなさい!」と怒ることはしないようにしてください。まずは、両方から話を聞いて、どちらのどこが悪かったのかを気づかせてあげることが大切です。
◆大人が干渉しすぎるのもよくない
お子さま同士の世界には、お子さまなりのルールがあるものです。そこへ大人が干渉しすぎるのは、お子さまのコミュニケーションを学ぶ機会を奪ってしまうことになります。あれこれと口を出すのではなく、保護者は見守りつつお子さま同士で解決できるようにしてあげましょう。
◆保護者が介入するラインを決めておく
干渉しすぎるのはよくないことですが、何か問題が起き、ケガをしてしまうようなことがあっては大変なことになりますので、保護者が介入するラインは決めておきましょう。
例えば、叩く、押し倒すといってケガに結びつくような行動や、「バカ!」などの暴言を吐いた場合は、保護者が介入して止めたり注意したりすることが必要です。
入園すると、お子さまは新しい環境で、新しいお友だちと関係を築いていくため、時には今までになかったようなトラブルが起きる可能性もあります。そのような事態をふまえ、保護者は入園前に「どこから介入すべきか」ということを考えておくとよいでしょう。
◆保護者同士も「お互いさま」の気持ちを持つ
目の前で起こった出来事ならば、理由がわかるのでお互いさまの気持ちを持つこともできますが、お子さまがケガをして帰ってきた場合、何があったのかわからないため「相手が悪い」と思ってしまいがちでしょう。しかし、まずはお子さまや保育士などに理由を確認することが大切です。
理由によっては「お互いさま」ということもあります。しかし、時にはお子さまがお友だちにケガをさせてしまうことがあるかもしれませんし、お互いにやる側、やられる側になる可能性もあります。
相手の子の保護者に怒鳴りこんだり、相手の子を責め立てたりするような形でお子さまを守るのではなく、目の前にいるお子さまの気持ちを受けとめ、励まし、抱きしめて、また仲良く遊べるよう声をかけてあげましょう。また、「お互いさま」の気持ちを持ち、お子さまを心豊かに育てるためには、保護者同士が心にゆとりを持つことも大切です。
◆相談することも必要
保護者が介入するラインを超えてしまう前に、先生や児童館など公共の相談窓口でお子さまの様子を相談してみましょう。普段からできることとして、学校や近所の方にアドバイスをもらったり、家庭内でもお子さまの性格やタイプなどについて共有し、何かあった場合には協力して対処できるような体制を整えておくことが大切です。
また、対処方法については男女差や個人差があるため、周囲のママ友などに相談しても、必ずしも的確なアドバイスが返ってくるわけではないことを頭に入れておく必要があります。
こだわりすぎないことも大切
ひとり遊びが得意で好きなお子さまもいますので、お子さまが希望しないのに無理に他の子と一緒に遊ばせる必要はありません。お子さまそれぞれに個性がありますので、あまり「こうあるべき」とこだわりすぎない姿勢も必要です。