子どもの自立心を育みたい!保護者ができることって?

お子さまにいずれは自立してほしいと願っている保護者は多いのではないでしょうか。自立をするには、お子さま自身に自立心という心の準備が必要になります。そして自立心を育てていくということが大切になるでしょう。ではどのようにお子さまと接していくことで自立心を育むことができるのでしょうか。

自立心って?

◆自立心とは
自立心とは、お子さま自身が何をしたいのか、どうすればいいのかを自分で考え、自分から伝えること、行動すること。そのために必要な心構えのことです。

「やってあげる」のではなく「やり方を教えてあげる」ことが大事

◆甘やかす手伝いになっていませんか?
お子さまがひとりで何かをしようとすると、時間がかかる、効率が良くないなど、見ているとじれったく感じるという方もいることでしょう。
つい手が出てしまい、結果的に「やってあげる」ことになってしまったということもあるのではないでしょうか。手伝うつもりが「やってあげる」ことになってしまい、保護者自身「いけない」と反省することもあるでしょう。
お子さまが自分で頑張ればできることを「やってあげる」ことは、甘やかす手伝いになっている可能性があります。つい手が出てしまうこともあるでしょうが、グッとこらえて見守ることで自立心の芽生えの手伝いをしていきましょう。

◆挑戦の機会を作ってあげるように心掛ける
お子さまが自分から何かに挑戦したいと思い行動した時は、うまくできないことがあったとしても一旦見守って様子を見ましょう。そうすることで、どうすればうまくいくのか、お子さま自身が考えるようになるでしょう。自分なりに考え失敗し、また考えるということを繰り返し一番良い方法を見つけ出すのです。手伝いたい気持ちを抑えて見守ってあげることで、挑戦の機会を作ってあげることができます。

◆「こうすればできるよ」と手伝おう
見守っていても、どうしてもお子さまだけではできそうにない場合、歯がゆい気持ちになることもあるのではないでしょうか。
保護者から見てできないと判断するタイミングと、お子さま自身ができないから手伝ってほしいという気持ちになるタイミングは同じではありません。しかし、このタイミングが合った時はお子さまの意欲が消えることなく、手伝っても良いということになるでしょう。
ではどのように手伝っていくと良いのでしょうか。例えば、時間があるならば、やって見せることから始めましょう。これはお子さまが「見ている」ということが大切です。
手を取り一緒にやってみるという方法もあります。「こうすればできるよ」と手を一緒に動かしてゆっくり教えてあげましょう。ある程度できるお子さまならば、できないところを一緒にやってみることが良いでしょう。お子さまを手伝う場面はそのお子さまによりさまざまです。その時の状況に応じ手伝っていきましょう。
また、何回も繰り返すことで上手になっていきますので、2回目3回目と繰り返し穏やかな気持ちで教えてあげましょう。

子供を自立させるために、あえて見守るべき場面とは?

では自立心を育てるためにあえて見守るべき場面とはどのような時なのでしょうか。具体例などを挙げ紹介します。

◆散らかった部屋
お子さまが元気いっぱい遊びだすと、さっきまでキレイだった部屋も一瞬でぐちゃぐちゃになってしまうということがあるでしょう。つい片付けてしまったということはないでしょうか。このような時は一緒に片づけることから始め、キレイになると気持ちが良い、自分でキレイに片づけられたという達成感が得られるようにしていくと良いでしょう。また片づけた後には必ず褒めてあげましょう。達成感や褒められて嬉しいという思いから、また自分で片づけようという気持ちが芽生えるでしょう。

◆脱ぎ捨てた服
外から帰ってきたときに脱いだ上着など、お子さまが脱ぎ捨ててしまったという経験はありませんか。お子さまの年齢などによっては脱いだ洋服をどうしたらいいのか、まだ理解していない場合もあります。脱いだ後の片づけ場所や方法を伝えることで少しずつ覚えていけるようにしましょう。
片づけることも場所も分かっているが脱ぎ捨てたままという場合は「その服はどうするの?」など、お子さまが自分で考えて片づけられるような声掛けをしてみましょう。
そして片づけることができたら必ず褒めましょう。

◆選択する場面などではお子さまの気持ちを確認しよう
その日に着る服などさまざまな場面で選ばなくてはいけない時、お子さま自身で選ぶように声をかけ、見守っていきましょう。自分で選ぶことは自信と責任にもつながりますので、自立心が育つ良いきっかけとなるでしょう。

◆子供のタイミングを大事にしよう
保護者がやってほしいタイミングで、お子さまが動きださずにイライラしてしまったという経験がある方もいるのではないでしょうか。
大人と同じようにお子さまにもタイミングというものがあります。お子さまに「いつやるのか」を決めるように伝え、例えば「このテレビが終わったら」と言ったのであれば、テレビが終わり自分から動くまで待ち、もし動かなかったら声をかけるという方法も良いかもしれません。自分で決めた時に自分から動きだすことができたら、褒めてあげましょう。

子供が自立できない…自主性を引き出すためのコツ

お子さまがこれから先、きちんと自立していけるのだろうかと不安になる方もいるのではないでしょうか。では自立していくために必要な自主性を引き出すためにできることをご紹介します。

◆先回りをしないようにしよう
お子さま自身の考える力を養うために、保護者がお子さまのできないことを先回りしてやってしまうことや先に答えを言ってしまうことは控えましょう。自分で考える機会が持てるように保護者は待ってあげるようにしましょう。

◆子供のひらめきや発想を大事にしよう
お子さまのひらめきや発想などには子供ならではのユニークな考えがあります。もし突拍子もないことを言ったとしても「おもしろいことを言うな」という気持ちで受け止め、認めていくと良いでしょう。

◆子供に自分で計画する機会を作ってあげよう
保護者が決めたことをさせるのではなく、自分で決めてできるようになることが大切です。朝起きたらご飯前に何をするのか、寝る前にすることは何かなど、お子さま自身が決めその計画に沿って行動できることで自信をつけていけると良いでしょう。

◆必要に応じたサポートをしよう
自主性を養うために見守ることは大切ですが、時には本当にお子さまが困っているということもあります。例えば、お友達とのトラブルなど一人ではどうしても解決できない場合は、相談にのることや先生に相談するなど保護者が動くことでお子さまを守ることができます。
どんなに小さなお子さまでも心を持っています。お子さまの気持ちを認め、受け止めることができる親子関係を作っておくことで、必要な時にしっかりとサポートできるようになるでしょう。

自立は寂しいけれど成長の証

子供の自立は嬉しい反面、寂しいというのが保護者の本音かもしれません。しかし自立していく我が子の成長を喜ばない保護者はいないのではないでしょうか。
お子さまにも家族との時間以外にさまざまな世界が広がっていきます。その世界での経験なども自立には必要です。
保護者が自立のためにあれもこれもやろうと無理をせず、少し力を抜くぐらいの気持ちで見守っていくことが良いのではないでしょうか。気持ちに余裕が生まれれば見守る気持ちも自然と芽生え、お互いに良い関係が築けるようになるでしょう。

プロフィール



保育士として15年以上にわたり、福祉施設、託児所、保育園などさまざまな場面での保育業務に携わる。
食育実践プランナー資格も有している。

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