幼稚園・保育園に行きたくない!理由と対処法は?
幼稚園や保育園は、ほとんどのお子さまにとって、保護者のかたと離れて生活する最初の経験となるのではないでしょうか。そのため不安を感じるお子さまが多く、登園の際に大泣きして保護者のかたも毎朝ヘトヘト…そんな悩みを抱えていらっしゃる場合も少なくないと思います。
そこで今回は、お子さまが幼稚園・保育園に行くのをいやがる理由と対処法について、大きく3つのケースに分けて考えてみました。
【1】「保護者のかたと離れたくない場合」→「笑顔で見送り、すぐに姿を消す」
幼稚園・保育園に行くのをいやがる理由の中で、最も多いのが「保護者のかたと離れたくない」という理由です。今までずっと一緒だった保護者のかたと離れなければならない状況に、戸惑いを隠せないのです。
また、忙しくしている保護者のかたの姿を見て、自分は愛されていないような誤解をしてしまうことも。わざと困らせるようなことをして、駄々をこねていることも考えられます。しかし、これも感情表現のひとつです。不安を体現できるようになった成長過程のひとつだと考えましょう。
この場合、対処法としては「笑顔で見送り、すぐに姿を消す」ことを意識しましょう。
「パパやママと離れたくない!」と泣かれると、「行きなさい!」「泣かないの!」と、ついお子さまにイライラしてしまうという場合も。しかし、それでは余計にお子さまはストレスを感じ、言うことを聞いてくれなくなります。
叱るのではなく、笑顔で見送りましょう。「幼稚園の先生や、お友だちが待っているよ」と、行けば楽しいことがあると伝えてあげることがポイントです。
そして、園に着いたり、お迎えのバスに乗せたりしたら、すぐに保護者のかたが姿を消すことも大切です。保護者のかたが心配したり後ろ髪を引かれたりしていると、「もっと泣いたらつれて帰ってくれるかも」とお子さまがどこかで期待してしまいます。先生に預けたら、笑顔で「いってらっしゃい!」と言って、すぐに姿を消しましょう。
【2】「環境の変化にとまどっている場合」→「気持ちに寄り添ってあげる」
お子さまにとって、幼稚園・保育園は初めてふれる社会です。当然、他のお子さまもいる幼稚園・保育園という環境では、自分が特別な存在でいられる家庭とは全く勝手が違います。
例えば、時間や順番を守らないといけないなど、一定のルールの下で生活しなければならないこと、先生が常に自分だけに構ってくれるわけではなかったりすることは、お子さまにとって大きなストレスとなります。こうした自分の思い通りにいかない環境の変化によるストレスが、行きたくない原因になっているケースがあります。
こうしたケースでは、お子さまは決して保護者のかたを困らせたいわけではなく、寂しくて不安だから泣いてしまうのです。そんなとき、「仕事に遅れちゃうじゃない!言うことを聞いて!」「そんなに泣いて恥ずかしい」などと言ってしまうと、お子さまはますます悲しくなってしまいます。
対処法としては、気持ちに寄り添い、共感することが大切です。「ママも離れたくないよ」「ママもお仕事やおうちのことをがんばるから、○○ちゃんもがんばって幼稚園に行ってみよう」「帰ってきたら、一緒に遊ぼうね」など声をかけて、お子さまの気持ちをわかっていることを伝えてあげてください。
【3】「体調が悪いことをうまく表せない場合」→「確認し、適切に休ませる
行きたくない理由が、精神的なものではないこともあります。体調が悪いという可能性も見過ごさないようにしてください。
体調が悪い場合は、しっかり休ませ、場合によっては病院に連れていきましょう。ただし、年少児などは、体調が悪くてもうまく言葉で表せないことがあります。そんなとき、頭ごなしに「行きなさい」と言う前に、体調を確認しましょう。
特にいつもと違う様子があれば、「どこか痛いところある?」と、きちんと目を見て話し、確認してあげましょう。
原因がわからない場合や、急に行きたくないと言い出した場合は
「今まで機嫌良く通っていたのに、急に泣くようになった」「原因が思い当たらないし、本人に聞いても、はっきり話してくれない」という場合もあります。
家族でいることが楽しくて連休明けに家族と離れて保育園に行くのをいやがったり、ある日お友だちとけんかして素直に仲直りができなかったり、原因はさまざまです。そんなとき、小さなお子さまは自分の思いをうまく言葉にすることがまだできません。原因がわからなくてもイライラせず、じっくり話をしてみましょう。
何があったのか手っ取り早く知る方法は、幼稚園・保育園の先生に相談してみることです。すぐにはわからなくても、その後先生が注意して見てくれることにより、原因が何かわかるかもしれません。
また、ご家庭でも変わったところがないか注意深く見守ってみてください。ストレートに「どうして幼稚園に行きたくないの?」という質問ではなく、「もしかして、困ったことや怖いことがあるのかな?」「どうしたらもっと毎日楽しく過ごせそうかな?」といった切り口で聞くことで、原因がわかることもあります。その際は、問い詰めるような言い方ではなく優しい言い方をし、お風呂や寝る前など、お子さまがリラックスしているときに聞いてみるということも大切です。
いかがでしたでしょうか。お子さまによっては時間がかかる場合もありますが、お子さまも保護者のかたが必ず迎えに来てくれること、必ずおうちに帰れることを徐々に学びます。
そして、ほとんどのお子さまは、数週間、長くても数カ月で慣れていきます。楽しそうに幼稚園・保育園に通う姿を見られた日には、その成長が保護者のかたにとって少し寂しく感じるかもしれませんね。
保護者のかたとずっと一緒にいたいとお子さまが思ってくれるのは今だけかもしれません。その期間を楽しんで、帰ってきたらうんと抱き締めてあげましょうね!