犯罪は起きてからでは遅すぎる!痴漢、盗撮、スリ…危険回避対策を知る

中高生になると通学だけでなく、部活での練習や友だちと遊びに行くために電車を利用することが増えると思いますが、そこには思わぬ危険が潜んでいることも。
電車や駅舎で想定される犯罪や事故について、痴漢や暴行事件、転落事故など、具体的なケースごとに回避するためのポイントを知っておきましょう。子どもの危険回避研究所の横矢真理さんにお話を聞きました。

電車や駅を利用する際にはここに気を付けて!

電車利用時の犯罪被害や思わぬ事故を避けるために、次のようなポイントに注意しましょう。

●痴漢

女子生徒が電車を利用する際は、くれぐれも痴漢に注意してください。一般に大人しそうな外見の女の子ほど抵抗しないように見えるため狙われやすいと言われていますが、危険は誰にでもあると考えられます。痴漢を避けるために注意したいポイントを解説します。

・朝の満員電車だけではない!
痴漢に遭う危険が最も高いのは朝の通学・通勤ラッシュの時間帯ですが、それだけではありません。早朝や夜間の乗客が少ない時間帯は人目に付きにくく狙われることがありますので、部活の朝練や塾の帰りなども十分な注意が必要です。また、普段あまり使い慣れていない電車や駅を利用する際は、特に注意を払うようお子様へ伝えましょう。

・時間帯や乗車位置を固定しない!
毎日利用する電車の時間帯や乗車位置を固定すると、同じ加害者に付け狙われる危険があります。

・電車内で狙われやすいスペースはここ!
電車内で痴漢に狙われやすいのは、トビラの両脇や連結部など、押し付けられると逃れにくいスペース。特に駅に停車しても開かない側のトビラの近くは避けましょう。座席の前に立つほうが、人目に付きやすく安全です。

・女性専用車両を利用しよう!
利用する電車に女性専用車両がある場合は積極的に利用しましょう。

・防犯ブザーを活用しよう!
電車に乗車中は、防犯ブザーをバッグの見えやすい場所に付けたり、手に握りしめたり、周囲から見えるようにして使うと痴漢や犯罪を抑止する効果が期待できます。

・定期券は周囲から見えないように!
定期券が周囲から見えると通学ルートが知られてしまい、狙われる危険があります。ストーカーに発展するケースも想定されますから十分な注意が必要です。

・痴漢に遭ったら抵抗する
勇気を出して、「やめてください」と大きな声を出したり、防犯ブザーを鳴らしたりしてください。抵抗しないと思われるとエスカレートする場合があります。防犯ブザーを鳴らすのがためらわれるときは、スマホや携帯電話の着信音を鳴らし、周囲の注目を集めるという方法もあります。また、次の駅で降車して駅員に被害に遭ったことを伝えましょう。

●盗撮

スマホの普及もあって、電車内や駅舎で盗撮の被害に遭うケースが増えてきました。気付かないうちに被害者になることも多いので注意が必要です。

電車内で足を広げたまま寝入ったり本を読んだり、無防備な姿を見せると被害を招きやすくなります。また駅のエスカレーターや階段では、後ろから盗撮される危険がありますので注意してください。

●暴行事件

最近、イライラした人が増えているのか、電車内や駅のホームでケンカなどのトラブルをよく目にするようになりました。突発的で避け難いケースもありますが、できるだけトラブルに巻き込まれないための心がけはあります。

電車内でルールやマナーを破ると、そこに付け込まれてトラブルに発展することがあります。例えば、大声で電話をしたり、通路に大きな荷物を置いたりといったきっかけがあると、もともと誰かを攻撃したいという意図を持つ人に狙われてしまうことがあります。

●突き落とし、転落

突き落としや転落を避けるために、電車のホームではできるだけ最前列に並ばないようにしましょう。最前列に並ぶ場合は少し斜めの態勢で立ち、後方にも注意を払ってください。

さらに、スマホを使いながら、また本を読みながらホームを歩くと転落事故の恐れがあるほか、周囲の人にぶつかって加害者になってしまう危険があることにも留意してください。

駅のエスカレーターでスマホに夢中になっていると、誰かにぶつかられた場合に危険です。また、エスカレーターでは部活の荷物を入れた大きなバッグを体の幅をはみ出すように持って上り下りすると、隣の列の人にぶつかって転落させてしまう恐れもあるので、人にぶつからない持ち方を意識しましょう。

●スリ

満員電車ではスリにも注意しましょう。バッグの中身が見えると狙われやすいため、ファスナーなどで閉じられるものがおすすめです。バッグを開けられることも想定し、お財布などの貴重品は下の方に入れておくことも心がけましょう。またナイフなどでバッグを切って盗む手口があることも知っておいてください。

犯罪は起きてからでは遅すぎる!

犯罪から身を守るためには、いくつもの対策を重ねておくことが大切です。対策の一つが破られても次の対策があれば、加害者は諦めるかもしれません。いつ起こるか予測できませんが、起きてからでは遅すぎるのが犯罪です。子どもの安全を守るために、犯罪被害を遠ざけるための方法について、ぜひ家族で話し合ってください。

プロフィール


横矢真理

「子どもの危険回避研究所」(http://www.kiken-kaihi.org/)を主宰・運営し、子どもに関わる事故・犯罪・災害・虐待・環境問題などの情報を提供。全国各地での講演活動、新聞・雑誌への寄稿など、幅広いフィールドで「生活安全教育」の普及活動を続けている。

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