読書が嫌いな子どものための、本選びの5つのコツ
幼い頃はあんなに絵本が好きだったのに、今ではまったく読書をしない…とお嘆きの保護者は少なくないようです。それは単に自分に合った本に出合えていないだけかもしれません。読書を通して心を動かされる経験をすれば、きっと新たな感動を求めて本を読むようになるはず。そんな1冊に出合うための5つのコツをご紹介します。
【1】子どもの興味を出発点に
読書というと保護者は、名作や古典を読んでほしいと思われるかもしれません。もちろん、そうした作品から学べることは多いですが、子どもが興味をもっていないのに無理に読ませるのはNG。作品のジャンルを限定すると、子どもはますます読書を敬遠してしまいます。ふだんあまり本を読まない子どもほど、興味のあることをキーワードに柔軟に本選びをしましょう。例えば、スポーツが好きなら選手の自伝、お菓子が好きならレシピ本などでもよいのです。何より、「本を読むのっておもしろい」と実感してもらうことを目指しましょう。図書館や書店で、「○○がテーマの本を教えて」と司書や書店スタッフに尋ねたら、すてきな1冊を紹介してもらえるかもしれません。
【2】絵が多く、文字が少ない本を
読書習慣がない子どもにとって、文字ばかりの本には抵抗感があるもの。初めは絵本よりは文字が多い程度の本を選ぶと無理なく読み進められるでしょう。読書体験を積んで、次第に読む力がつけば、長い文章への抵抗感はなくなります。また、小説を絵本や漫画にした作品もあります。まず絵本や漫画を手に取りおもしろかったら小説にチャレンジするなど、最初のハードルを低くすることがポイントです。
【3】登場人物に感情移入できる作品を
保護者も登場人物に感情移入して読書に没頭した経験があるはず。自分と近い年齢の登場人物が活躍したり、努力したり、悩んだり…そんな共感しやすい作品を選べば、おのずと子どもも読書に入り込むはず。図書館の司書や書店スタッフに尋ねたり、あらすじを読んだりして感情移入できそうな作品を探しましょう。
【4】さらりと読める短編集からスタート
短編集は1話が短く、さらりと読めますから、読書が苦手な子どもにも入門としておすすめ。「どの話から読んでもいいよ」「おもしろくなかったら別の話を読んでみたら」などと伝え、できるだけ入り口のハードルを低くしましょう。読んだ話がおもしろかったら別の話も読んでみたくなるに違いありません。気に入った短編集の作者に長編作品がある場合、次はそれをすすめれば期待感をもって読み始められるはずです。
【5】図鑑や百科事典を眺めるのも読書
図鑑や百科事典を通して知識を広げるのも立派な読書と言えます。子どもが好きな分野の図鑑や百科事典を眺めていたら、保護者も関心をもって一緒に楽しんでみては。そうした興味を下地として、動物好きの子どもには動物が登場する物語、また動物を扱った科学本などをすすめてあげれば、どんどん興味が広がり、本の楽しさにも気づいてくれるに違いありません。