子どもを叩いてしまった…、叩きそうになった…、そんなときはどうすればいい?

子どもを叩いて叱るのは、だめだとわかっていてもつい叩いてしまった…という経験はありませんか。叩いたことが、子どものメンタルに深い傷を残してしまうことも。もし叩いてしまった場合、叩いたあと、どのように子どもに接したらよいのでしょうか。

叩くことが子どもに与える影響は?

子どもを叩きたいと思う親は少ないと思います。子どもを叩いてしまったという親は、多くの場合、感情がたかぶって、思いあまって叩いてしまった…というかたが多いのではないでしょうか。しかし、どんな理由や感情であっても、叩かれた子どもは、心に傷を背負ってしまう可能性があります。

「自分のことを嫌いなのではないか」「自分などいないほうがいいのではないか」など、そう思うことで、子どもは人に甘えることが難しくなったり、自己肯定感が育たなくなってしまうことも。また親に対して、恐怖心や憎悪を感じてしまうかもしれません。
さらに、日常的に叩かれていると、子どもは叩くことを肯定してしまい、将来、他人に対して攻撃的、暴力的になってしまうことも考えられます。
子どもの心の健やかな成長のためにも、叩いて叱ることは厳禁。叩かない子育ては心がけ次第です。どのような心がけが大事なのでしょうか。

子どもを叩いてしまいそうになったときは

子どもを叱るとき、人は感情的になっています。無意識で手が出てしまうことがあるかもしれませんが、感情をコントロールして気持ちを落ち着かせるように日頃から心がけておくようにしましょう。

・叱ったり怒ったりして感情がたかぶったときは、深呼吸をする。
・子どもを叩きそうになったら、別の部屋へ行くなど子どもから離れる。

ストレスがたまっているとなかなか気持ちを落ち着かせることができないことも。のんびりしたり、好きなことをして、ストレスをためこまないようにできるといいですね。
親がストレスをためず、笑顔になれれば、子どもも安心して落ち着くことができるもの。
子どもにとって親は頼れるべき大事な人です。また子育てだって信頼関係が大切。叩くことは親子の信頼関係を壊してしまいます。

でも、もし叩いてしまったときには、あとでしっかりと子どもを抱きしめましょう。抱きしめるときに、叩いたことを謝りましょう。親の愛情を優しく伝えることも忘れないでください。

プロフィール


菅原裕子

人材開発コンサルタントとして、企業の人材育成の仕事に携わる。1995年、企業の人育てと自分自身の子育てという2つの「能力開発」の現場での体験をもとに、子どもが自分らしく生きることを援助したい大人のためのプログラム-ハートフルコミュニケーション-を開発。2006年にNPO法人ハートフルコミュニケーションを設立。『子どもの心のコーチング』『10代の子どもの心のコーチング』『子どもの「やる気」のコーチング』(以上、PHP文庫)など、著書多数。

NPO法人ハートフルコミュニケーション
https://www.heartful-com.org/

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