友だちができない…そんなわが子へのフォローは?
新学期がスタートして、そろそろ新しいクラスになじんでもいい頃。けれど、なかなか友だちの名前が出てこなかったり、友だちのことを聞いても無反応だったりすると、保護者は心配ですよね。そこで今回は、子どもの友だちづくりを保護者はどのようにフォローすればいいのか考えてみたいと思います。
「友だちできた?」ではなく、子どもの好きな話をふろう
新しい学校やクラスで、友だちができたか心配する保護者は多いと思います。ただ、この時期に特定の友だちがいなくても、学校で楽しく過ごせているのならば、それほど心配する必要はありません。じっくり友だちのことを観察しながら交友関係を広げようとしている時期だからです。保護者が過剰に心配して毎日のように「友だちできた?」「今日、誰と遊んだの?」と聞いていては、子どもは必要以上に「友だち」を意識してしまい、本来自然に行われるはずの友だちづくりがプレッシャーとなってしまいます。子どもから友だちの名前が出てくるのを少し待ってあげましょう。
それでも気になる場合は、夕食時などに給食、体育、休み時間など学校生活のなかで子どもの好きな話をふってあげるといいのではないでしょうか。そこから、子どもの交友関係が見えてくることもあります。
ただ、子どもとの会話から、友だちをつくりたいけども声をかけられない、「一緒に遊ぼう」と言ったのに断られてしまって傷ついている……といった場合は、保護者は次のようなサポートをしてあげるといいかもしれません。
◆親子で『友だちづくりごっこ』をしてみよう
友だちをつくりたいけども自分から声をかけられない、一度断られてしまって弱気になっているという場合は、具体的なソーシャルスキル(人づき合いの技術)を教えてあげましょう。ソーシャルスキルというと難しそうに聞こえますが、友だちをつくりたいときに実際にどんな行動をしたらよいのか、保護者がお手本を見せて、子どもと一緒に練習すればOKです。例えば、声をかけられない子どもであれば、「隣の子に朝あいさつをする」「相手のよいところを言葉にする」といった具合です。練習しようと言うと子どもは嫌がりますから、親子で『友だちづくりごっこ』をする程度の気持ちで取り組むといいかもしれません。
◆保護者の経験を話してみよう
また、保護者のかたの経験談を語るのもいいですね。例えば、「ママが小学校のとき、隣の席の女の子が同じ鉛筆を持っていたの。『同じ鉛筆だね』といったら、次の日からその子が挨拶してくれて、仲良くなったんだよ」と話すのです。自分の保護者もこんなふうに友だちをつくったんだとわかれば、自分も行動してみようと思ってくれるかもしれません。
◆保護者も子どものクラスに知り合いを増やそう
特に友だちづくりでトラブルを抱えているようではないけれど、友だちをつくるきっかけがないというパターンの子どもの場合は、保護者のかた自身が同じクラスの保護者のかたと知り合いをつくるといいでしょう。学校行事だけでなく、保護者会、PTA活動や図書ボランティアなどにも積極的に参加して、親密な関係でなくても、世間話ができる程度の関係を築けるといいですね。保護者どうしが知り合いだとわかれば、子どもどうしも親しみを感じ、一緒に遊ぶきっかけになるのではないでしょうか。
個人面談や家庭訪問時に担任の先生に相談してみよう
わが子が友だちをつくろうとしているのにどうしてもうまくいかないと感じたら、個人面談や家庭訪問時に担任の先生に相談してみるといいでしょう。学校での様子を聞くことができますし、先生の方から友だちづくりのきっかけをもてるような働きかけをしてくださることもあります。
すぐに友だちができる子、そうでない子、友だちづくりのペースは千差万別です。気にかけながらも、どっしりとした気持ちで子どもの友だちづくりを見守っていただきたいですね。