子どものしぐさは何かのサイン? 噛み付く子どもへの対応は?

 小さな子どもが誰か他の人に噛み付いてしまうという、一見攻撃的なしぐさ。それだけに周囲のショックも大きく、昔は「親がきちんとかまってあげないから」「親の愛情不足」などと言われていました。もちろん、そのようなことがないか生活や親子関係を見直す必要はありますが、それ以外の原因が多いことも理解しておくべきでしょう。主にふたつの原因と対策についてご説明します。

言いたいことが言えない、やりたいことができない噛み付き

 噛み付きは1、2歳から入園前に特に多いしぐさです。この頃の幼児は少しずつ言葉を覚え、自分の気持ちを表現しますが、まだまだ不完全。気持ちに言葉が追いつきません。言葉にできないけれど何とか意思表示をしたい…その結果、相手の反応が大きい「噛む」という行動に出てしまいます。ちょっとひっぱったり叫んだりしても無視されれば、それより反応が大きそうな行動に出るしかありませんから。

この場合、やはり大人が「通訳」としての手助けをしてあげる必要があります。まだ子どもどうしだけでやりとりするのは難しいのです。子どもどうし自由に、と遊ばせておくのは悪いことではありませんが、必ず目の届くところで。子どもの間でうまく意思疎通ができないことは保護者のかたがフォローしましょう。どう思っていた、どうしたい、という気持ちを代弁して伝えてあげてください。

伝えたいことがある本人に確認することだけでなく、「目の前の相手にどうしたいか伝える」ことが重要です。相手に何かしらの反応があって、初めてこのやりとりは会話として成立します。

平和に遊んでいたのに突然噛むのは、他人にもっと関わりたい積極的な子ども

 まったく問題なく、にこやかに遊んでいたのに、突然噛んでしまった…このように特にケンカでなくても噛んでしまう子どもは、「他人に関わりたい」という気持ちが強い可能性があります。保護者のかたや家族が十分にかまっていても噛み付くのは、もっと別の刺激を求めてのことかもしれません。もちろん、既にご説明した「言いたいことがあるのに言えない」ということが関係している可能性もあり、一概に保護者のかたの愛情不足を疑うのは間違ったことです。

この場合には、噛むという行為は人がいやがる行為であること、いやだと思うことだと根気強く教え、別の方法でアプローチすることを教えてあげましょう。例えば「いいこいいこ」や「やさしく肩をとんとん」など、別の方法に置き換えていくのです。言葉だけよりボディタッチを含むもののほうが記憶に残り、効果的でしょう。

噛むことが「手段」になっている子どもをいきなり叱りつけても、なかなか噛むことはやめられません。それは、ある意味では子どもから突然言葉を取り上げるのと同じことなのです。別の手段、方法をうまく伝え、自分の気持ちを噛むこと以外で伝えられるようフォローしていきたいですね。

プロフィール



フリースクール パーソナルアカデミー代表。大阪教育大学大学院教育学研究科修了。公立高校、大手予備校、大検予備校、NPO法人理事長を経て、現職。現在、不登校の子ども達のメンタル面と学力面をトータルにサポートしながら、生徒一人ひとりの希望進路実現に向けて取り組んでいる。

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